老人ホームに恋してる。 コミックエッセイ の商品レビュー

大塚紗瑛(著者)

2024/04/02

読んで温かい気持ちになった。
自分は人付き合いやコミュニケーションが苦手だが、著者さんをはじめ、この本に登場する職員の方たちは、暴言を吐く人や不可解な行動をする人に対しても、諦めたり突き放したりしない。
「なぜそのようなことをするんだろう？」と、その人の人となりや人生など、いろんな角度から理解しようとし、その人に合った付き合い方を追求していく。
それはとんでもなく根気や精神力がいることだと思う。職員の方たちは崇高で、魂はピカピカに磨かれ、精神はバキバキに鍛え上げられて、人間レベルが高い方たちだ…！と感じた。
利用者の方たちも「意思疎通ができない、ちょっと怖い人たち」というイメージがあったが、読了後は「普通に同じ人間なんだ。人間の大先輩たちなんだ」と、当たり前のことだがあらためて感じた。

こんな老人ホームがあるなら、老後の不安も少し軽くなりそうだ。

2020/08/16

特別養護老人ホームについて専門に書かれている本はそんなに多くない。。というか、自分はこの本しか知らない。
著者が介護士として経験した実体験をもとに文と絵で描かれている。介護の仕事をしたことがある人なら共感できるエピソードが満載。自分の経験を思い出し、懐かしみ、『そうだよ、特養での介護はこういう仕事なんだよ』と気持ちを新たに介護の仕事を頑張ろうと思える力を与えてくれる本だと思う。
良いことだけじゃなく大変な仕事であることもちゃんと描かれており、高齢者施設で働こうと考えている人にとっても、とても良い教科書になる。

この本で描かれているのは著者ひとりのエピソードだ。それぞれの介護士がみんな違ったエピソードを、想い出を、やりきれなかった思いをもっている。
介護の仕事の魅力について考えさせてもらうことができた。

2020/01/27

すごく好きなタイプのコミックエッセイ。
辛いことも嬉しいことも、どちらも描かれているから、介護現場で働く等身大の彼女が伝わってくる感じがしてとても良かった。 途中何度も泣きそうになってしまう。あったかい気持ちになって思わずほほえむ場面もあった。
それにしても、やりがいがあるとはいえ、介護職の大変さも伝わってきた。 すべての働く人が、少しでも余裕を持って働けますように……と願う。