最強モンスター井上尚弥はこうして作った の商品レビュー
5人の世界チャンピオンを誕生させた大橋ジムの大橋会長が書いた本。自身も2階級制覇の世界チャンピオンだった。 いまは日本人としては間違いなく歴代最強チャンピオン、世界でも最強との呼び声高い井上尚弥が所属しているジムの会長として有名。 この本では3人の世界チャンピオンを対比するよ...
5人の世界チャンピオンを誕生させた大橋ジムの大橋会長が書いた本。自身も2階級制覇の世界チャンピオンだった。 いまは日本人としては間違いなく歴代最強チャンピオン、世界でも最強との呼び声高い井上尚弥が所属しているジムの会長として有名。 この本では3人の世界チャンピオンを対比するように、それぞれの才能、性格に合わせた育成術を紹介している。 まず井上尚弥。 彼の場合はもう天才なので、技術的なことはなんの問題もない。彼の才能を発揮させることができる対戦相手を見つけること(マッチメイクすること)が会長としては大変な仕事となる。井上に選手を壊されたくないから、みんな逃げる。試合が組めない。 井上尚弥の場合は、育ててるって感じじゃない。彼の活躍の場を作り出すことが彼の成長につながる。 川嶋勝重の場合 20歳までボクシング経験なしで、ジムに入門。どう考えてもプロになるにはスタートが遅すぎて、世界チャンピオンになるなんて誰も思っていなかったケース。 彼はとにかく努力型。練習についていくのがやっとの状態なのに必死にくらいついてくる。どうにかプロテストを受けさせてやれるくらい、のレベルにやっとなった。でも練習試合ではとても弱い。受けさせるのを躊躇するくらい。それがなぜか本番では滅法強い。それが彼の秘めたポテンシャルだったと気づき、本腰を入れ世界を目指し、とうとうチャンピオンになった。 八重樫東の場合 川嶋とは正反対でアマチュア時代から輝かしい実績をあげ、鳴り物入りでジムへきた逸材だったが、どうにもやる気を感じない。本人がやる気にならないとこちらの関わり方も難しい。「命を懸けて取り組んでいる選手にはこちも命をかける。適当に流している選手には、こちらも適当に流す」が会長の信条。だから本人次第だった。 八重樫は世界初挑戦でケガをして敗戦する。しかしその敗戦の屈辱と挫折により八重樫の中でスイッチが切り替わった。そして彼も世界を獲った。 三者三様の育て方。俺はこれで世界を獲った、だから俺のやり方に着いてこい!という考え方ではない。選手のポテンシャルを見極め、それぞれに合った練習メニューを考え伸ばしていく。 そういうやり方じゃないと、何人もの世界チャンピオンは誕生させることはできない。 人の育て方の本としても、とても参考になる本だと思う。
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