花宙 の商品レビュー
書家でもある甘雨氏、待望の歌集。甘雨氏の魅力満載の一冊だ。 帯に「絶叫」の歌がある。初めてこの歌を見たとき、涙がこぼれた。心の底でしか、叫べないものへの慈しみと痛みへの愛のような尊さで嗚咽した。 本文のフォントもあれこれ悩まれて決めた「はんなり明朝」。甘雨さんの歌にぴったりで、...
書家でもある甘雨氏、待望の歌集。甘雨氏の魅力満載の一冊だ。 帯に「絶叫」の歌がある。初めてこの歌を見たとき、涙がこぼれた。心の底でしか、叫べないものへの慈しみと痛みへの愛のような尊さで嗚咽した。 本文のフォントもあれこれ悩まれて決めた「はんなり明朝」。甘雨さんの歌にぴったりで、柔らかく幻想的な世界へ誘われていく。 詠われているのはまるで心象風景のようで、それでもどこかで出会った感覚で。ときおり現れる墨象の作品が、ますます ラビリンスへひきこんでいく。 切なくて甘くて、痛くて苦しいのに逃れらない。 素晴らしくも稀有な才能に満ちた作品集。
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書家・甘雨 処女作 艶めく五行歌集 編集者・島本脩二氏推薦! 甘美で切ない世界観─。 信じられない造語の世界が、美として、感情として、ふぃろそふぃーとして、展開される。驚きの連続である。そのうえ、この人の体感のとらえた世界は、歌集を通して全体としても構築され、感性なのに論理をも...
書家・甘雨 処女作 艶めく五行歌集 編集者・島本脩二氏推薦! 甘美で切ない世界観─。 信じられない造語の世界が、美として、感情として、ふぃろそふぃーとして、展開される。驚きの連続である。そのうえ、この人の体感のとらえた世界は、歌集を通して全体としても構築され、感性なのに論理をもち、つなぎ止められていることを知らされる。 言葉がこういうふうに自由に使いうるものであることを、おしえる歌集でもある。。 (中略) すべての言葉がここでは逆転されたかのように、傷のように生き返る。読みながら、ここにある言葉は、私たちが日常使っている言葉と同じなのかと思ってしまう。造語も多いが、すべてがこの人の体感の作った言葉であるかのようである。 「詩とは新しい言葉である」と定義できるとすれば、まさにここにあるものが詩である。 (五行歌の会主宰・草壁焔太 跋より) 書家でもある甘雨氏の書く(描く)墨象アートは、とても官能的だ。そこここにはいりこむイメージは、この歌集の世界観を彩るものとなっている。 うつくしくて、痛くて、切ない。 目の覚めるような歌をぜひご覧いただきたい。
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