巨大ロボットの社会学 の商品レビュー
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想定読者は「主として社会学を学ぶ大学生・大学院生および巨大ロボットアニメと社会学に関心のある一般読者」とのことですが、個人的にはドツボの書名がジャストミートでした。さらに本論に入る前の「はしがき」で、この本が企画されたきっかけが「"スーパーロボット"のイメージ...
想定読者は「主として社会学を学ぶ大学生・大学院生および巨大ロボットアニメと社会学に関心のある一般読者」とのことですが、個人的にはドツボの書名がジャストミートでした。さらに本論に入る前の「はしがき」で、この本が企画されたきっかけが「"スーパーロボット"のイメージと、トマス・ホッブズの『リバァイアサン』の表紙に描かれた人造人間がとても似ていることに気づいた」ことによるものと知り「ホッブズリバァイアサンは、平和の守護神であり、人類の力を結集した最強の姿であり、合体のモチーフをもつ。まさに、スーパーロボットと呼ぶにふさわしい。」との"とぼけた着想"(著者曰く)に、高まる期待。その期待以上に気付きがあったか、と言うと物足りないところもありましたが、巨大ロボットの想像力、巨大ロボットと身体、巨大ロボットとジェンダー、「組織」としての巨大ロボット、巨大ロボットと宗教、巨大ロボットと戦争、巨大ロボットとビデオゲーム、巨大ロボットと玩具/模型、巨大ロボットと観光…と、たぶん新進の研究者が、それぞれに巨大ロボット社会学という、未踏の山への登山ルートを刻もうとしているのは楽しかったです。鉄人28号、マジンガーZ、ガンダム、エバァンゲリオン、と続く流れが、この後どうなるのか、によってもこのテーマ、変わってくるのかもしれませんね。
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