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直筆の漱石 の商品レビュー

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2020/01/18

 肩の凝らない古本+文学研究本。  漱石以外のもう少し未開拓の作家なら、さらにワクワクするのでは。

Posted byブクログ

2020/01/15

 川島さんの名前をしったのは『日本古書通信』であった。そこで川島さんは自分が手に入れた作家の初版本や稀覯本の話をしている。こんなに珍しい本を手に入れられる川島さんとはどれほどのお金持ちなのだろうと思っていたが、秀明大学の学長をしているようだ。学長だから金があるわけでもないが、私学...

 川島さんの名前をしったのは『日本古書通信』であった。そこで川島さんは自分が手に入れた作家の初版本や稀覯本の話をしている。こんなに珍しい本を手に入れられる川島さんとはどれほどのお金持ちなのだろうと思っていたが、秀明大学の学長をしているようだ。学長だから金があるわけでもないが、私学だから、お金はかなり自由になるのだろう(あるいは資産家か)。本書はその川島さんが手に入れた漱石関係の古書を中心に、古書発掘のスリルと楽しさを披露する。迷ったら買えというのは名言だろう。人はあとになって後悔することが多い。この世界では迷ったら買うことなのだ。最初の資料は漱石の自筆修正原稿。こういうのが判定できる人もそういない。二つ目は藤代というかつて京都大学の教授であった人が集めていた漱石等のハガキで、これによって漱石が二度エジンバラへ行ったことがわかった。三つ目は漱石を敬愛していた英文学者の大谷へ送った漱石の著書の書名本。それが7冊。それによって、漱石の本がシベリアを経てイギリスへ送られたことがわかった。四つ目は自分の新聞小説を切り抜いてそれに漱石が書き込みをしていたもの。五つ目は反古原稿の裏に書かれたメモ。そして、五つ目は奇跡の発見といわれる漱石の「文学志望者のために」という論文の発見である。一つ一つの古書との出会いはスリリングなものであったろうなとため息をつきそうになる。

Posted byブクログ