自由は死せず の商品レビュー
表紙のカバーイラストが素敵すぎて胸をうたれました。まるでこの時点で「自由は死せず」を心から叫んでいるような背中。 若き日の板垣退助、乾猪之助。 ジョン万次郎、と後藤象二郎、、、 山内容堂、吉田東洋、、 そして勤王党の武市半平太、、、 勤王党の武市半平太の動きには『龍馬伝』を思...
表紙のカバーイラストが素敵すぎて胸をうたれました。まるでこの時点で「自由は死せず」を心から叫んでいるような背中。 若き日の板垣退助、乾猪之助。 ジョン万次郎、と後藤象二郎、、、 山内容堂、吉田東洋、、 そして勤王党の武市半平太、、、 勤王党の武市半平太の動きには『龍馬伝』を思い出したなぁ、、、『龍馬伝』では板垣退助いなかったけども 板垣退助を追ううちにあの大酒飲み容堂公のことを知れた 土佐藩内の勤王党の武市半平太と容堂公がバックに控えた乾退助らの臨時組という安全保障組織 二極化してるようで乾退助と武市半平太の目指す方向性が二極化していない、とかこれぞ幕末っすわ “『孫子』好きの退助にとっては、みずから兵となってはたらくより、用兵の妙をほめられるのがいちばん心にかなうことだった。” 門井慶喜さんがいろんな著作でいろんな立場から書いた幕末を見て本当に勉強になっている。 1.時勢に興味なし 2.父を殴る 3.出世の理由 4.下手人さがし 5.闇討ち 6.切腹 7.幕府をどう倒すか そして土佐には岩崎弥太郎がいる、、、 亀山社中→海援隊の坂本龍馬がいる 板垣退助に視点を置いてもいるが後藤象二郎をはじめとした土佐藩の視点、ということができる どの小説どのドラマでも本当に坂本龍馬は痺れるなぁぁ今作では後藤象二郎と坂本龍馬のやりとり、、、この時点で大政奉還という言葉が出てくるとは、、、 8.秘密外交 9.江戸攪乱 薩土密約 大政奉還論 VS 武力討幕論 後藤象二郎 乾(板垣)退助 坂本龍馬 中村慎太郎 失意の容堂公、、、“結局この徳川征伐は、薩長が鳥羽伏見ではじめたのではない、乾退助が江戸ではじめたのじゃ。” 土佐藩迅衝隊「乾の旗あげ」 10.われは板垣 甲府城へ入るときの改名;;;これ史実ですか?史実ですよね??かっこよすぎでしょ;;; 対するは新撰組!!近藤勇の投降につながる勝沼での敗走(余談:この小説では幕末においても坂本龍馬や新撰組の存在感が薄い。おそらくわざと。板垣退助にとってはそんな認識だったのかも) 11.会津へ 12.覚醒 戊辰戦争で板垣退助はこんなに重要なポジションにいたんですね 日光東照宮付近での板垣退助率いる官軍 迅衝隊と大鳥圭介率いる旧幕府軍 伝習隊のデキレース、そのほぼ同時期に起こっている彰義隊が立て籠もった上野の寛永寺の延焼、そして会津若松、、、 大鳥圭介の戦いっぷりと榎本釜次郎との函館共和国での投降は『かまさん』に繋がって感無量です そして会津城落城の将 13.箇条書きの男 14.臆病者 明治維新だ、、、 江藤新平と征韓論、西南戦争へ 15.ことばの戦争 16.立志社 いよいよ自由民権運動か 安芸での板垣の演説、これどんくらいフィクションなんだろう、、、こんな演説、ジンとくるな “欲とはすなわち自由であり、自由とはただちに欲であるのだ” 「自由は土佐の山間より」 民権かぞえ歌、民権田舎歌、民権都々逸、、 植木枝盛 17.にっぽん一国 大久保利通が暗殺されたときの政府の第二世代、黒田清隆、西郷従道(つぐみち!)、伊藤博文、井上馨、山縣有朋、大隈重信、、、 明治十三年にして“ことばの戦争で天下統一を果たした” 18.自由の党 明治政府をスペースシャトルの打ち上げに似ている、と。お見事すぎてしっくりきました 福沢諭吉も一瞬登場した 19.自由は死せず 20.総選挙 会津への行脚は泣ける そして先日読了したばかりの『シュンスケ!』主人公 伊藤博文が民権運動の敵だ!! 板垣退助の岐阜での遊説、暗殺未遂事件 “―――急霰(きゅうさん)の迸(ほとばし)るかごとく。と形容されたほどの拍手” 「板垣死すとも自由は死せず」 吉田茂の名前が出てきたら急に、これは現代に繋がっている話だと実感した “きょうからは『民権運動』などではない。ただの政治じゃ。” 前半の生まれ~幕末、戊辰戦争は然る事乍ら、後半明治維新~その後の自由民権運動の話は本当に勉強になりました 教科書やらで「板垣退助」「自由民権運動」と覚えるだけの語句ではない、奮闘の歴史がここにある、、、
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2023.5 板垣退助のことはよく知らなかったけれど勉強になりました。高知は本当に明治維新で活躍した県人が多かったんだな。 ただ小説としてはちょっと長くて、くどくて、でも単純化されすぎじゃね?と思える部分も多々あった小説でした。
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板垣の天邪鬼という個性が、時代の先駆者にしたように思う。大事を成し遂げる人物は人と違っていて魅力的。「板垣死すとも、自由は死せず」の言葉と国会開設に関与した人くらいの認識しかしらなかったので、維新最中の話は勉強になった。
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幕末、板垣退助の生涯。西郷隆盛や大隈重信、坂本龍馬など幕末の偉人がたくさん出てくる歴史小説。読み始め、板垣退助の幼少名を猪之助と聞いて伊之助?となったのはわたしだけ?
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タイトルが示す通り板垣退助を主人公にした物語です。2段組550ページの大長編。 歴史小説は結構読みますが、この時代の主人公達は坂本竜馬や高杉晋作、吉田松陰、大村益次郎、河井継之助、さらには新撰組の面々など、その多くは維新前に倒れ、西郷隆盛にしても明治初めに亡くります。そのため大抵...
タイトルが示す通り板垣退助を主人公にした物語です。2段組550ページの大長編。 歴史小説は結構読みますが、この時代の主人公達は坂本竜馬や高杉晋作、吉田松陰、大村益次郎、河井継之助、さらには新撰組の面々など、その多くは維新前に倒れ、西郷隆盛にしても明治初めに亡くります。そのため大抵はエンディングが明治維新、又は逆に維新をスタートに置いた物語ばかりだったような気がします。その点、この物語は珍しく維新をまたいだ小説です。 板垣退助といえば、まず頭に浮かぶのが自由民権運動。他作品で幕末にも顔を出していたと思うのですがあまり記憶に有りません。この本を読んで、土佐の上士であり、佐幕~公武合体の藩主・山内容堂に近侍しつつ武力討幕を目指していた事を知りました。ただどうしても傑物・容堂の陰で目立たず、戊辰戦争で表舞台に飛び出して来たのですね。このあたりを描いた前半は生き生きとして面白い。 後半は維新後の自由民権運動になるのですが、退助自身が動くより担がれるのを待ち構える形が多くなり、ちょっと冗長な気がします。 門井さん特有の読みやすく軽い文体で前へ前へと話が進みます。 本来複雑な要因が絡んでいる時勢をシンプルにバサッと切り取ってしまいます。ちょっと乱暴なのですが、その切り口が(特異な訳ではないが)見事に冴えて、読んでいて納得できるのです。上手いですね。
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門井慶喜さんの文章が好きだ。展開が速いし、場面設定が巧み。上下二段組でボリューム満点だが、あまり長さを感じなかった。 とはいえ、終盤は若干ダレ気味。幕末から戊辰戦争ほどのワクワクがない。板垣退助の伝記だから、民権運動こそがメインかと思っていたのに、拍子抜けの思いだ。 考えてみれば...
門井慶喜さんの文章が好きだ。展開が速いし、場面設定が巧み。上下二段組でボリューム満点だが、あまり長さを感じなかった。 とはいえ、終盤は若干ダレ気味。幕末から戊辰戦争ほどのワクワクがない。板垣退助の伝記だから、民権運動こそがメインかと思っていたのに、拍子抜けの思いだ。 考えてみれば、民権運動が歴史的に重要だと言っても、ドラマチックさにおいて維新の動乱に敵うわけがない。小説としても一人の人間の人生としても、維新以降が付け足しに感じられるのはやむを得ないのかもしれない。
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板垣退助の晩年を除く生涯.特に戊辰戦争あたりまでの傍若無人自由奔放なところが面白く,山内容堂との交わりも味わい深かった.なかなか骨太の明治維新の物語である.その後の自由民権運動は歴史の勉強にもなった.
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板垣退助の半生を描いた歴史小説。 幕末から国会開設までの物語。 維新後の時系列が前後するところは読みにくいですが、後藤象二郎との腐れ縁も友情的に描けれていたし、馴染みのない民権運動もそれなりに詳しく書かれていて、概ね史実に基づいた流れでよかったです。 後半生も続編として書いてほしいですね。
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門井さんの評伝的な小説の中では、一番読み応えがあるかもしれない。 正直、幕末前後、彼が土佐で何をしていたのかの知識が全く無かったから。
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長かった…。幕末から明治維新、自由民権運動と、戊辰戦争の名将だった時期を除けば割と常に本道の脇道を行ってたような印象。殆ど知識のなかった当時の世の中の動きを勉強できてよかった。
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