恨み来、恋、恨み恋。(12) の商品レビュー
恨み猫という妖怪の本質から逃れられず暴走した冬歩、街を守るために冬歩を手に掛けた郷一 しがらみによって寄り添い生きることが出来なかった二人があのような形で隣り合うことが出来るとは意外な結末 読み返してみると鼬塚との戦いの中での描写の時点で郷一が何かを待っている様子って描かれてたの...
恨み猫という妖怪の本質から逃れられず暴走した冬歩、街を守るために冬歩を手に掛けた郷一 しがらみによって寄り添い生きることが出来なかった二人があのような形で隣り合うことが出来るとは意外な結末 読み返してみると鼬塚との戦いの中での描写の時点で郷一が何かを待っている様子って描かれてたのか。随分昔の描写だから忘れてたな この結末は少し狡いような気もするけど、現世ではどうあっても穏やかに寄り添えなかった二人であれば特別にこのような救済が有っても良いようにも思えてしまう そして、その後に始まるのは平和が戻ってきた街の後日談 十二支から除外された恨み猫の夏歩が神となることで十二支に受け入れられるとは面白い展開。こうすれば恭一とも表立って一緒に居られるし、朱華とも対等な立場で恭一と向き合えるのだから まあ、恭一の中ではしっかりと答えが出ていたし、朱華もその答えを受け入れる準備が出来ていたのだけど もう想いが叶わないと知っているのに恭一に断りの言葉を言わせる前に自分の想いの丈を思いっきりぶつけた朱華には乙女の力強さを感じるね そんな展開が有ったからこそ、人見知り発症していつものように逃げ出す夏歩には笑ってしまったが 逃げ出した夏歩を追いかける恭一の姿は相変わらずで、夏歩が驚くような告白をしてしまうのもやっぱりと言う他無く… 恨み恨まれる関係から様々な奇縁を含んで徐々に距離を近づけていった恭一と夏歩の二人 郷一と冬歩のようにならず現世できちんと幸せを掴んだ二人の様子にはとても幸福感が溢れていて、そんな二人だからこそ街の危機を救えて、更に周囲にいる人々も幸せで居られるのだろうなと思える 思い返せば随分長い期間に渡って読み続けた作品だけに、このように綺麗な終わり方を迎えられた点には祝福の気持ちを贈りたくなるね
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