故郷の味は海をこえて の商品レビュー
日本にいる難民の方々たちに焦点を当てた一冊。 やむを得ず母国を離れることになったのはなぜか、日本で難民認定されるまでの辛い日々、そして、故郷の味、母の味がどれだけ彼らの支えとなったかについて、小学生(高学年)にもわかりやすく書かれている。 掲載されているのはネパール、ロヒンギャ、...
日本にいる難民の方々たちに焦点を当てた一冊。 やむを得ず母国を離れることになったのはなぜか、日本で難民認定されるまでの辛い日々、そして、故郷の味、母の味がどれだけ彼らの支えとなったかについて、小学生(高学年)にもわかりやすく書かれている。 掲載されているのはネパール、ロヒンギャ、ミャンマー、シリア、バングラデシュ、カメルーン、カンボジアから来た方たちの話です。 故郷から遠く日本に来て、同じ食材が手に入りにくい中でも、毎日、故郷の食事を作り・食べ、元気をもらう。 誰でも旅行や留学で外国に行き、現地の食べ物に飽きて日本食を懐かしく思うものだ。 しかし、彼らの故郷の味への想いは、それとは全く別の意味を持つのだと思う。 帰りたくても帰れない故郷への想い。残してきた身内に会いたいという想い。これから日本で強く生きていこうという決意。食事をしながらいろいろな気持ちを噛み締めているのだろう。 いろいろな国の歴史や社会状況、料理がわかるのはもちろん、日本の難民政策、外国人政策についても考える糸口を与えてくれる。 日本がアニメ、歴史的建造物、和食などで人気を得るだけでなく、本当の意味で、社会的に素晴らしい国として、外国に開かれた、外国人から選ばれる国になってほしいと思う。
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安田菜津紀さんによる、迫害を逃れて日本に暮らす難民の人々と、彼らの故郷の味に関するインタビュー。 表紙のお二人は満面の笑みを浮かべているが、その笑顔にたどり着くまでどれだけの困難があったことだろう。 殆どの日本人は、彼らのことを知らない。 彼らがどんな思いを抱えて日本にたどり着...
安田菜津紀さんによる、迫害を逃れて日本に暮らす難民の人々と、彼らの故郷の味に関するインタビュー。 表紙のお二人は満面の笑みを浮かべているが、その笑顔にたどり着くまでどれだけの困難があったことだろう。 殆どの日本人は、彼らのことを知らない。 彼らがどんな思いを抱えて日本にたどり着いたか。 やっと安寧の地にたどり着いたと思ったのに、日本で難民と認められるには、幾多の壁があり、並大抵のことでは超えられない。 それは、日本人である私が簡単に言葉にできるものではない。 彼らが日本で作る故郷の味には、どんな思いが込められているのだろうか。 一皿一皿に物語がある。 是非読んで、味わってもらいたい。 今この時だからこそ、彼らの声に耳を傾けたいと思う。 2022.2.20
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◇日本で暮らす難民の人々が、どのような理由で故郷を離れたのか、日本の難民受け入れがどのような問題を抱えているのか、について、小学生高学年くらいから読めるような易しさで書かれている。 ◇出てくる食べ物が、どれもおいしそう!国際交流の入口として「食べ物」は安易かもしれないが、やはりと...
◇日本で暮らす難民の人々が、どのような理由で故郷を離れたのか、日本の難民受け入れがどのような問題を抱えているのか、について、小学生高学年くらいから読めるような易しさで書かれている。 ◇出てくる食べ物が、どれもおいしそう!国際交流の入口として「食べ物」は安易かもしれないが、やはりとても良い入口だと思う。 ◇女性の話し言葉を訳す時の「翻訳っぽい女言葉」が気になった。
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児童向けとは知らずに購入。難民の問題は知っているようで知らなかった。こうした事実を丹念に取材し、香ってくるような料理の手触りとともに、強烈な半生をつきつけてくる良書です。子供とともに考え実践していきたい。まずはお店にいってみようかな。
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日本に暮らす難民の人達について、丁寧に書かれた本。料理の描写はどれも美味しそうで、食べてみたくなる物ばかりでした。それぞれの人々が大切にしている故郷の味や思い出の話よりも、日本に来た事情、来てからの暮らし、現状、これからの希望についてのお話の方が心に残ります。日本では難民の受け入...
日本に暮らす難民の人達について、丁寧に書かれた本。料理の描写はどれも美味しそうで、食べてみたくなる物ばかりでした。それぞれの人々が大切にしている故郷の味や思い出の話よりも、日本に来た事情、来てからの暮らし、現状、これからの希望についてのお話の方が心に残ります。日本では難民の受け入れがとても少ないことは知っていましたが、そのことがどんな事につながっているのかを考えていなかったと自分の無知を感じました。様々な問題をきちんと取り上げて、子供にもわかる言葉で丁寧に説明されていて、大人にもおすすめです。
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自分は難民のことを全然分かっていなかった。 街のエスニック料理屋さんで働いている外国人が、難民もしくは難民だった、なんて考えたこともありませんでした。 難民と移民の違いも、ちゃんと分かってなかったと分かりました。 新聞やニュースで難民のことを取り上げられてるのは、認識してたけど、...
自分は難民のことを全然分かっていなかった。 街のエスニック料理屋さんで働いている外国人が、難民もしくは難民だった、なんて考えたこともありませんでした。 難民と移民の違いも、ちゃんと分かってなかったと分かりました。 新聞やニュースで難民のことを取り上げられてるのは、認識してたけど、これからはもっと関心をもって目を向けると思います。 同じ人間が、私が生まれ育った日本でこんな目に合っていることにショックを受けました。 子ども向けだけじゃなく、大人向けでもこういう読みやすい本がもっと出るといいなと思いました。 難民の人にも、元の国やこの日本で人としての生活があると、料理を通じて感じることができるところが良かったです。
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まさか自分が難民になるなんてと思っていた方もいた。難民認定を受けることがこんなに難しいとは。日本にやむを得ない事情で逃がれて来た方々の厳しい現実がわかった。
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「難民」って知っていますか?日本に難民としてやってきた人たちの故郷の料理を通して、日本の難民制度の問題点、難民がなぜ生まれるのかなどについてわかりやすく書かれています。 この問題を自分のこととして考える大切さを伝えています。
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本書で紹介された日本に逃れてきた人たちの出身国だけで7か国。自分が思ったこと、考えたことを言えず、命を危険を感じて、日本にやってきた人たちのその背景を聞くと、なんでこんなことが未だにと思ってしまう。ネパールでのことは恥ずかしながらこの本を読んで初めて知った。いつかトレッキングした...
本書で紹介された日本に逃れてきた人たちの出身国だけで7か国。自分が思ったこと、考えたことを言えず、命を危険を感じて、日本にやってきた人たちのその背景を聞くと、なんでこんなことが未だにと思ってしまう。ネパールでのことは恥ずかしながらこの本を読んで初めて知った。いつかトレッキングしたいと思っている国のこと、もっと知りたい。でも、ここで紹介された人たちは「かわいそうな人」たちではない。それぞれがただ安心して暮らしていきたいと思っているだけ。それは、それぞれが食べ親しんできたものと一緒に紹介されるからこそ、ますます感じることができる。故郷の味を大切に、懐かしみながら、この日本で生活している。もっと日本で暮らす他国出身の人のことを知らなくてはと思った。 どうして、日本はこんなに難民に厳しいのだろう。入管で働く人たちはどう考えているのだろうと思う。ヨーロッパでも難民の受け入れをめぐって対立することが増えてきている。もちろん文化も習慣も異なる人たちがなし崩しに流れてくることは問題もあるのだろう。それでも、日本はそんな陸続くのヨーロッパの国々とは違うのではないかと思うのだ。大量の難民が「流入」してくる可能性は限りなく少ない。だからこそ、ギリギリの中で日本に縁あってきた人たちと共に暮らせる社会を考えたいし、受け入れる準備をすることも可能なのではないかと思う。「難民」の人たちにも生きやすい社会は、きっと「日本」の人にも生きやすい社会になるはずだから。 今年は、いろいろな国の料理を食べ歩きたいなと思った年の初めでした。
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