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現場発!ソーシャル・インクルージョンとインクルーシブ教育 の商品レビュー

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2020/03/29

本気でインクルーシブ社会を実現しようとする者にとって、大変意味のある本だと思う。 「インクルーシブ発想の教育シリーズ」の第3弾としてこれが位置づけられているのがとても意義深い。シリーズでは初めての単著。 著者はいわゆる「授産施設」等の経歴が長い方で、教育系職員ではない。それだ...

本気でインクルーシブ社会を実現しようとする者にとって、大変意味のある本だと思う。 「インクルーシブ発想の教育シリーズ」の第3弾としてこれが位置づけられているのがとても意義深い。シリーズでは初めての単著。 著者はいわゆる「授産施設」等の経歴が長い方で、教育系職員ではない。それだけに、教育関係者が、幅の広い大きな視野でインクルーシブ教育を考えようとしたとき、必ず必要になる視座を提供してくれる。 一方で、障害のある方が歴史上どのような社会的差別にあってきたかや、福祉とは何か、どのように制度等が整ってきたのかについて、ある程度予備知識やそもそもの関心がないと、分からないことがたくさんあるかもしれない。そういう方はこの本をきっかけにぜひ勉強していただきたいと切に願うが、どれだけの人がそれだけ貪欲に学んでもらえるだろうと、一方では不安でもある。個人的には糸賀一雄さんを知らずして障害児教育を語れないみたいに思うところはあるが、お手軽なもの、分かりやすいものが好まれている昨今、そういった本気の実践がなかなか広がっていかないような気もしている。 個人的には、著者と同じように自分も実践者として、一人一人と本気でやり続けた実践を積み重ね、口先のことではなく、やってきたことで語れるようになりたいと思う。 我々は、実践を通して、社会の一形成者にならなければならない。

Posted byブクログ