ゲーム依存からわが子を守る本 の商品レビュー
ゲーム依存の危険性を明らかにする。ゲーム依存は抜け出さなければならない課題である。一方で警察的な管理強化のアプローチが有効ではないことも指摘する
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『ゲーム依存からわが子を守る』とあるが、幼い頃からファミコンなどのテレビゲームに親しんできた世代としては、まったく解せない。 依存になる原因のひとつが環境にある、というのは理解できる。が、親の育て方に大きな影響がある、というのは科学的には信憑性がないように思う。親が正しく理解し...
『ゲーム依存からわが子を守る』とあるが、幼い頃からファミコンなどのテレビゲームに親しんできた世代としては、まったく解せない。 依存になる原因のひとつが環境にある、というのは理解できる。が、親の育て方に大きな影響がある、というのは科学的には信憑性がないように思う。親が正しく理解していればゲーム依存は起こらないかのように誤解を与え、結果としてゲーム依存の子どもを見かけたときに両親を責めてしまうことになれば不幸を増やしかねない。 子どもが孤独を感じるからゲーム依存が起こる、という発想は、テレビゲームというものの楽しみ方をまったく知らない人間の考え方だと僕は思う。 テレビゲームというのは、楽しめる人間からすれば想像以上に楽しいものである。確実に努力が反映されるし、自分の行動への反応もすぐに返ってくる。現実よりもはるかに成長がわかりやすく、そのせいでやめ時を先延ばしもしやすい。 親がどうこうより何より、ゲームの中毒性自体がまず半端なく強力なのだと思う。 なんでも子どもは親次第だとは思わない方がいい。そんなに単純な話はないので、親がすべてを背負わず他人の力を借りるべきだと思う。本書から学ぶべきは相談先だけで十分だ。
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毎日新聞の記事を見かけて、著書を速攻で入手。 --- 匿名の刃~SNS暴力考:ネットで中傷する人が変わるには 依存症専門家が必要と説く「周囲の変化、心のつえ」 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200816/k00/00m/040/197...
毎日新聞の記事を見かけて、著書を速攻で入手。 --- 匿名の刃~SNS暴力考:ネットで中傷する人が変わるには 依存症専門家が必要と説く「周囲の変化、心のつえ」 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200816/k00/00m/040/197000c --- ゲーム/ネット依存は"久里浜"しかないと思ってて、 そこは食わず嫌いでなかなか手が伸びなかったので、やっと見つけたという感じ。 まずは軽く眺めてみるつもりが、一気読みしてしまった。大判で読みやすい上に、内容が良かったからだと思う。 まず依存は生きづらさの表出と位置づけているのが良い(自己治療、「環境」モデル)。その「心の杖」を安易・性急に取り上げるべきではないとし、ゲーム/ネット以外の「依存先」を見つけて行く事に重きを置いている。 依存症全般についての概説に出てくる「物質依存」「行動依存」「関係依存」の区分も見通しが良くなった。(ゲームは一般的に行動依存だが、ネットゲームは関係依存の側面もある) また子どもの依存症であるが故に、親の子どもへの対応にフォーカスして、ゆっくり家庭環境を改善していくアプローチが好印象。 親子関係について、否定と支配(過干渉)から、理解・共感と見守りで安全基地を回復する事に関して、色々なアプローチ・ステップが簡潔かつ明瞭に紹介されている。只でさえ自立に向かう難しい時期である思春期の子どもへの性急な介入は控えて、変化を待つ・促す姿勢を重視している事にも共感。(行うは難しなんだろうけど…) 発達障害との相関性(7割)についても、あくまで生きづらさを抱えやすい事を第一の原因に挙げた上で、過集中についても言及する所が、適切に位置づけてられているなと思った。 親向けの本だから前面には出してないけど、さりげなく広義のDV・マルトリートメントに関しても取り上げられていて、そのさり気なさがすごい。 個人的にずっと気になっていた、CRAFTについても最後に取り上げられている。この様な良書が取り上げているなら、やはりCRAFTについても読んで勉強してみようと思った。
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