ビートルズ の商品レビュー
私の中学生時代、お小遣いを握りしめレコード屋へ通い、ビートルズのアルバムを購入していた。イギリスで発売されたアルバムを発売された時系列順に購入していた。家にあったステレオセットにLPレコードを置き、繰り返し聞いていたことを思い出す。当時初めて聞く曲も多かったが、夢中になって聞いて...
私の中学生時代、お小遣いを握りしめレコード屋へ通い、ビートルズのアルバムを購入していた。イギリスで発売されたアルバムを発売された時系列順に購入していた。家にあったステレオセットにLPレコードを置き、繰り返し聞いていたことを思い出す。当時初めて聞く曲も多かったが、夢中になって聞いていた。 本書は、耳に覚えているビートルズのすべてを、美術館のキュレーターが美術館の所蔵品を一つ一つ丁寧に案内してくれているかの如く、一曲一曲の素晴らしさ、どんなセッションを繰り返して完成されたのかを案内してくれる。礼賛本と言われるかもしれないが、彼らの作品全てに、心に響くなにかがある。響かない人には、鼻につく本なのかもしれないが。 本書の後半(文庫本408ページ)に、アルバム『レット・イット・ビー』に収録されている曲「ゲット・バック」に関してこんな下りがある。以下引用 ここから しかもスペクターは、スタジオでの会話を「ゲット・バック」の質を低下させるほど過度に入れるのではなく、適度に織り込んで、リスナーに、ビートルズのセッション中、自分が壁に止まっていたハエになったかのような気にさせてくれたのだった。 ここまで 本書はまさに、読者を壁に止まったハエになった気にさせてくれ、ビートルズの曲作りの現場を垣間見せてくれる。アビーロード・スタジオの保管庫に眠る400時間以上のテープを聞いている著者だからこそなし得るものだ。 (引用に登場しているスペクター氏は、レコード・プロデューサーのフィル・スペクターさんのことで、「ゲット・バック」のアレンジをやり直し、アルバムへ収録される価値あるものに昇華させて人物として紹介されている。) 改めて四人の才能あふれる若者たちが、いかに素晴らしい楽曲を生み出してきたのかを知り、久しぶりに、ビートルズを聞きたくなった。
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ビートルズの始まりから終わりまで。 レココレのビートルズ特集は殆ど読破してるけど、それでも面白かった。ビートルズを語るにはこの位のボリュームは必要なんだね。レココレはページ数の都合で、いつも一つの主題に対する断片的な情報だから彼ら全体のストーリーが判らない。 結構オノヨーコをボロ...
ビートルズの始まりから終わりまで。 レココレのビートルズ特集は殆ど読破してるけど、それでも面白かった。ビートルズを語るにはこの位のボリュームは必要なんだね。レココレはページ数の都合で、いつも一つの主題に対する断片的な情報だから彼ら全体のストーリーが判らない。 結構オノヨーコをボロクソに描いているのが興味深い。 リンダイーストマンはそうでもないのにね。パティボイドに関しては一行も出てこない。リンゴの彼女も同様。(誰だっけ?) サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドを物凄く評価してるのね。アルバムの説明も一番長い。 各アルバム説明もレココレとは違う切り口で面白い。 ビートルズ好きなら読むべし。オススメ!
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アビィ・ロード・スタジオに残された400時間以上にも及ぶテープとインタビューを元に音楽制作の舞台裏を中心に書いているので興味深い。 昔、ハンター・デイビスの名著「ビートルズ」は読んだが、解散前の作品で、解散のゴタゴタは載っていないので、知らないことが多かった。 ポールは、ビー...
アビィ・ロード・スタジオに残された400時間以上にも及ぶテープとインタビューを元に音楽制作の舞台裏を中心に書いているので興味深い。 昔、ハンター・デイビスの名著「ビートルズ」は読んだが、解散前の作品で、解散のゴタゴタは載っていないので、知らないことが多かった。 ポールは、ビートルズ大好きで、皆をひっぱっていことするので、結果ワンマンとなり、リンゴもジョージも怒って何度もスタジオを逃げ出している。 ジョンは、ビートルズよりはヨーコファーストになっていて、5人目のメンバーのごとくヨーコが側にいて、音楽の中身まで口を出してくるので、残り三人はうんざりしている。雰囲気としては最悪だ。 スタジオ以外のトラブルも多い。 マネージャーの決定を巡ってメンバー間で対立が起き、ポールは、恋人のリンダ・イーストマンの父リー・イーストマンを推したが、他の3人はアラン・クレインを推す。 ポールはなんとかクレインを追い出そうと動き、最後は裁判に訴えるが、作戦上の理由から、訴えるのはジョン、ジョージ、リンゴとなった。見かけ上はメンバー間で裁判沙汰になっている。 著作権でもかなりもめている。 レノン&マッカートニーの作った曲の版権を有する音楽出版社ノーザン・ソングスの筆頭株主のディック・ジェイムズが無断で株を第三者に売り渡してしまう。乗っ取られないようにと第二、第三の株主、ポールとジョンは買い増しに入るのだが、その時、ポールは密かに追加購入をし、ジョンより多額の株式を所有した。そのことで、ポールとジョンのケンカとなる。著作権は、今はマイケル・ジャクソンが持ってることは有名ですね。 「ロング・アンド・ワインディング・ロード」の曲は、ポールがジョンにあてた曲として有名だ。映画「レット・イット・ビー」の中で、哀切をこめて歌われている。 ♪You left me standing here 君は僕をここに残して行ってしまった A long long ago ずっとずっと昔に Don't leave me waiting here 僕をここに待たせないで この中に最後のほうで曲のバックに It's too late(もう遅いけど) と言ってると思えるフレーズが入ってるというので、聞き直してみる。最後のサビの後にチラッと出てきますね。はっきり聞き取れないくらい小さいけど、偶然に入ってるということはない。ポールはもうジョンと元に戻れないことを認めていたささやきだったのかもしれない。 All You Need Is Love。直訳すれば「あなたが必要なものの全ては愛である」と、ビートルズは強いメッセージを歌い、当時、感激したのだけど、現実はボロボロだった。この振れ幅も含めて”ビートルズが教えてくれた”でした。 現実がボロボロなゆえに曲が尊いのだと思う。 レノン曰く「僕は、霊媒師のようにとりつかれているような状態が楽しいね。ゴロゴロ寝転んでいると、全体像が、つまり詩と音楽が浮かんでくるんだ。それで、僕はいつも思うんだ、こんなのでそれを僕が書いたって言えるだろうか?と。まったく、誰が書いたのかわからないんだよ。僕はただボーッとしているのだけで、そこに曲が浮かんでくるんだから。」 「僕をベッドから追い立てて・・・何かが、そうさせるんだ。そいつが寝かせてくれなくて、しかたく起きて、何とか形にする。そうすれば、また寝られるんだ。」
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いつまでも変わらないビートルズの音楽の懐かしさを、別の視点から味わうことができる。真相はジョンとポールしか知らないのかもしれないが。
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