心とろかすような 新装版 の商品レビュー
元警察犬だったマサが語る事件簿。 探偵事務所の面々が活躍するストーリーにスッと入り込んでハラハラしながら読み進めた。
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再読(とはいえ数十年ぶりだし、内容が記憶にほぼないので実質初読)。 『パーフェクト・ブルー』でも大活躍をみせた蓮見探偵事務所の用心犬、マサが出会った事件を描く短編集。 白眉は「マサ、留守番する」だなぁ。初めから終わりまで、いつも通り軽妙なんだけれどずっと哀しい、事件そのものも陰...
再読(とはいえ数十年ぶりだし、内容が記憶にほぼないので実質初読)。 『パーフェクト・ブルー』でも大活躍をみせた蓮見探偵事務所の用心犬、マサが出会った事件を描く短編集。 白眉は「マサ、留守番する」だなぁ。初めから終わりまで、いつも通り軽妙なんだけれどずっと哀しい、事件そのものも陰惨だし。 マサの小気味よい語りがあればこそ、楽しみながら読み進められる。 また、マサの語りで言えば表題作の「心とろかすような」がめちゃくちゃ面白くて、読みながら声を出して笑ってしまった。マサが人間のおじさんだったら、所長とお酒がのめるのにね。 ここからは、いまさらわたしが声を大にして言うことではないけど、言いたくなったこと。 宮部みゆきは短編もめっぽう面白いのだ。事件はコンパクトだけれども(短編なので)、展開や結末に申し分なし。長編は事件や登場人物を丁寧に丁寧に掘り下げていくし、短編はスパッと鮮やかに魅せる。 私見では、作家さんによって長編と短編、どちらかがより上手い(得意)ということが多い気がしているが、宮部みゆきはどちらにも違う面白さがある。 宮部みゆきの小説が読める時代に生きられて幸せ、と言いたいくらい、本当に稀代のストーリー・テラーだと感じる。
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個人的に宮部みゆきさんの作品は安定して楽しめて好きだ。 今回の作品はなんと主役が元警察犬のシェパード。 動物同士話せて、人間にも伝えてくれたら事件・事故、すごく減るんだろうな…。 カラスなんて本当にいろんなことを見てそうだ。 お散歩中の犬猫だって、人間とは違った視線で見てるはず。...
個人的に宮部みゆきさんの作品は安定して楽しめて好きだ。 今回の作品はなんと主役が元警察犬のシェパード。 動物同士話せて、人間にも伝えてくれたら事件・事故、すごく減るんだろうな…。 カラスなんて本当にいろんなことを見てそうだ。 お散歩中の犬猫だって、人間とは違った視線で見てるはず。 学校で飼育されているうさぎが登場する、「マサ、留守番する」が一番印象的だった。 動物と話ができたら…楽しいかも。
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元警察犬のマサと蓮見探偵事務所の加代ちゃんのコンビが、様々な依頼人や事件と関わっていく短編集。まあまあ面白かったけど、この終わらせ方はどうなのか、という話や、展開にちょっと無理があるのでは?と思うところもあり…宮部みゆきではあるけど、ずいぶん前の作品ということも念頭において読んだ...
元警察犬のマサと蓮見探偵事務所の加代ちゃんのコンビが、様々な依頼人や事件と関わっていく短編集。まあまあ面白かったけど、この終わらせ方はどうなのか、という話や、展開にちょっと無理があるのでは?と思うところもあり…宮部みゆきではあるけど、ずいぶん前の作品ということも念頭において読んだ方がいいかも。
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やっぱり面白くて切なくて優しい気持ちになる 動物の気持ちがもっとわかればいいのに、はやっぱり人間の驕りなのかな もっと何とかできたことも 信じられない人間のことも たくさんのことを考えた
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元警察犬のジャーマン・シェパードのマサは蓮見探偵事務所の用心犬。探偵事務所の長女で調査員の加代ちゃん、次女の糸ちゃん、『パーフェクト・ブルー』(未読)の諸岡進也などの人々とともに巻き込まれた事件の詳細を犬視点で語り紡ぐ連作短編五編。 マサの語り口調がお茶目でカッコよく、人情ならぬ...
元警察犬のジャーマン・シェパードのマサは蓮見探偵事務所の用心犬。探偵事務所の長女で調査員の加代ちゃん、次女の糸ちゃん、『パーフェクト・ブルー』(未読)の諸岡進也などの人々とともに巻き込まれた事件の詳細を犬視点で語り紡ぐ連作短編五編。 マサの語り口調がお茶目でカッコよく、人情ならぬ犬情にあふれてるので、事件を追ってハラハラドキドキしながらも心温まりました。しかし、『マサ、留守番する』に書かれている動物虐待の話は胸が痛みました。 マサのような優れた警察犬がもし人の言葉を話せたなら、世の中の事件はひょっとしたらまったく予想もしなかった真相が晒されることになるのかも?なんてことも思いました。
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元警察犬マサの事件簿、2作目。短編集。「マサの留守番」が良かったです。表題作「心とろかすような」、実際こういう子っているよなと思う。悪事を働くかどうかは別として。
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パーフェクト・ブルー事件で活躍した蓮見探偵事務所の所長、捜査員であり所長の娘である加代ちゃん、加代ちゃんの妹の糸ちゃん、そして主人公のジャーマンシェパードのマサにおこる事件簿。元警察犬マサは観察力、推理力にも優れていて、マサの目を通して見る事件が面白い。 「マサ、留守番する」に登...
パーフェクト・ブルー事件で活躍した蓮見探偵事務所の所長、捜査員であり所長の娘である加代ちゃん、加代ちゃんの妹の糸ちゃん、そして主人公のジャーマンシェパードのマサにおこる事件簿。元警察犬マサは観察力、推理力にも優れていて、マサの目を通して見る事件が面白い。 「マサ、留守番する」に登場するハラショウという犬の犬生が切なかった。
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加代ちゃんとジャーマン・シェパードのマサの探偵事務所物語。 「金が万事なんだね、人間は。おかしくなったのは、景気が悪くなってからこっちのことだよ」老猫が語る。そう、悲しいもんです人間って。いくつになっても、偉くなっても、豊かになっても、危なくなっても、僻むようになっても。 だからといって、腹いせに殺されたウサギやヒヨコたちは浮かばれない。ペットは器物扱いで、警察の捜査も真剣みがないと語る。いつから、こんな人間たちが増えてきてしまったのだろうか。最後に死んでいったハラショウも同じ。きっと、アインシュタインも。 事件では、たまたま、ウサギを殺した犯人が殺された結果となったが、動物たちを虐待した・し続けるであろう大人たちは、放置されてしまった。戦う術を持たないペットたちは、静かに受け入れるしかないのだろうか。逃げてもよかったのだろうか。 最後に、ウサギを預かったジュンコさんは、5羽も飼って育てるのでしょうか、いくら何でも心配です。
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犬目線のお話ですけど、でもとても人間よりも人間っぽいような犬のお話。せつない殺人事件もあるけれど、でも心温まる、読みやすい物語でした。
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