司法通訳人という仕事 の商品レビュー
国際化が進む中で、司法通訳の現場でもグローバル化への対応を国に求める流れも示された、非常に実務的で、読み物としての面白みはない。 自白は非常に日本の社会文化を背景としたものであるという。 非常に実務解説的な本であるので、読み物としては全く物足りない。 ただし興味深い指摘などもあ...
国際化が進む中で、司法通訳の現場でもグローバル化への対応を国に求める流れも示された、非常に実務的で、読み物としての面白みはない。 自白は非常に日本の社会文化を背景としたものであるという。 非常に実務解説的な本であるので、読み物としては全く物足りない。 ただし興味深い指摘などもある。たとえば、 アメリカなどでは頻繁に使用される言葉である、 justice 正義 fairness 公正 legentimacy 正統性 日本では社会的概念であるとされ、専門的概念ではないとして日本の刑事訴訟手続きに使われることはない と指摘している。 自白は非常に日本的な社会文化を背景としたものである など、比較司法文化論的な要素は面白い。 通訳者ならではの視点なのかも知れない。
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実際に司法通訳人をしている著者さんが現場からみた提言をしている本。 被疑者・被告人の母国語で流暢に通訳ができ、その国の文化や日本の刑事手続についても詳しい司法通訳人が望ましいという理想はわかるが、現実的には外国人の被疑者・被告人の多くは無資力で不法入国者も多い。安くない司法通訳人...
実際に司法通訳人をしている著者さんが現場からみた提言をしている本。 被疑者・被告人の母国語で流暢に通訳ができ、その国の文化や日本の刑事手続についても詳しい司法通訳人が望ましいという理想はわかるが、現実的には外国人の被疑者・被告人の多くは無資力で不法入国者も多い。安くない司法通訳人の費用は日本が負担している。 日本でも英語の通訳ができる人材は増えたが、国内の外国人犯罪者の上位は、中国・ベトナム・朝鮮といった英語が母国語ではない人たち。そして何よりも外国語も日本語もできて倫理感もある優秀な人たちは国際機関に就職するなどして身分保障のない司法通訳人にはならない。 日本の司法は社会の中で犯罪者を更生させようとする意識が強いことから不起訴や起訴猶予が多いし、裁判の結果収監される比率はアメリカの16分の1。在留外国人の比率も少なく、単純に海外の制度と比較できるものではない。 そういった現実や文化・意識の違いを踏まえて、今後の在留外国人比率の増加に対応できる司法改革が必要だとわかりました。 速記官養成制度がなくなったんだから、その分特別職国家公務員として司法通訳人養成制度を国が行って採用すれば良いんじゃないかな。
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