さようならと言わないで の商品レビュー
Hontoの商品解説より さようならと言わないで”と囁きながら降り出した雪が、東京の街に舞い落ち始めた。丁度その頃、大学教授の島野俊雄と、その恋人の原田浅海は、美しく舞う雪に見惚れていた。二人の年齢差は30、しかも島野には妻がいて…。 昭和の文豪が書いたような表現で、余韻を楽...
Hontoの商品解説より さようならと言わないで”と囁きながら降り出した雪が、東京の街に舞い落ち始めた。丁度その頃、大学教授の島野俊雄と、その恋人の原田浅海は、美しく舞う雪に見惚れていた。二人の年齢差は30、しかも島野には妻がいて…。 昭和の文豪が書いたような表現で、余韻を楽しむ小説でした。文章を読むよりも音声で聞いてみたいなと思いました。 例えば、情熱大陸のナレーター・窪田等さんのような味わい深い方が似合うかなと思いました。 三点コード(……)を多く使用していて、不倫に対する後ろめたさ、何かを言いたくても言葉では表現できないような言葉が、そこに込められているような印象がありました。 ただ、多過ぎなほど三点コードを使用されていて、なかなか前に進めないもどかしさがあり、もう少し抑えても良かったのではと思いました。また、多く使用したことにより、島野と原田は、控えめな性格なのかなと思ったら、後半になると、昇進的な地位を確立するため、ちょっと疑問符が残りました。 文章の解釈では、読み手に対する二極化があるかもしれませんが、個人的には二人は控えめな性格かなと印象がついてしまいました。 一文一文を噛みしめながら、情緒を楽しむ小説でした。
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