焼野まで の商品レビュー
他の人の高評価を見て、図書館で探して読みました。毎日の通勤電車片町15分位で二週間で読み終え。 読む手が止まらない、なんて事は無くて、正直私には重たいな、って感じでした。別に自分は現在病気でもなんでも無いけど。 いつかは、こんな気持ちになるのか、と思いながら、知りたいような、別に...
他の人の高評価を見て、図書館で探して読みました。毎日の通勤電車片町15分位で二週間で読み終え。 読む手が止まらない、なんて事は無くて、正直私には重たいな、って感じでした。別に自分は現在病気でもなんでも無いけど。 いつかは、こんな気持ちになるのか、と思いながら、知りたいような、別に知らなくても良いような、不思議な気持ちになりました。 こういう作品が、文学、ってやつなのかな?
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一言、素晴らしい。 でも、残念なことに私にはその素晴らしさを分析する能力も無ければ表現するウデも有りません。 一言で言えば、自らの体験に基づくガン闘病小説です。(但し癌治療方法の優劣や是非を問うような物語ではありません) 主治医や婦人科の看護婦である娘と喧嘩してまで、摘出手術を...
一言、素晴らしい。 でも、残念なことに私にはその素晴らしさを分析する能力も無ければ表現するウデも有りません。 一言で言えば、自らの体験に基づくガン闘病小説です。(但し癌治療方法の優劣や是非を問うような物語ではありません) 主治医や婦人科の看護婦である娘と喧嘩してまで、摘出手術を拒み、子宮体ガンには効果が無いと言われる放射線治療を選ぶ主人公。彼女は一人ウイークリーマンションを借り、特殊な放射線治療を行う九州の最南端の地の放射線センターに通院します。強い放射線宿酔に苦しみ痩せさらばえつつも毎日センターに通い、帰宅すれば食べる気力もなくベッドに寝転がるばかりの日々。 病気に打ちひしがれながらも生きようとする主人公の元に訪れる奇妙な夢。同じくガン闘病中の元同僚からの電話。テレビから流れ続ける3.11の映像と市内から4㎞先に有る焼島の噴火。どこか現実と夢想が入り混じったような奇妙な物語空間。 生と死の狭間のような場所で、いつも以上に短く鋭い文章を積み重ね、一つ一つの話がグサグサと突き刺さって来る。ただそれだけで素晴らしい。さすが村田さんです。
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灰の舞う薄暗い世界の淵を、その先にあると信じる小さな、たった一粒の小さな光を探し彷徨っているようなとても疲れる作品。 そう。わたしも照射されているようにリアルだから余計疲れるのだけど、これだけの描写をやってのける作者の力は凄まじい。 選択できるのであれば、なにがどうでも選択したい...
灰の舞う薄暗い世界の淵を、その先にあると信じる小さな、たった一粒の小さな光を探し彷徨っているようなとても疲れる作品。 そう。わたしも照射されているようにリアルだから余計疲れるのだけど、これだけの描写をやってのける作者の力は凄まじい。 選択できるのであれば、なにがどうでも選択したいと思う。 その可能性に縋りたい。
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