大学改革の迷走 の商品レビュー
ここまではっきりと文字化されるとなぜか悔しい思いが生じるが、この本に書かれていることはほぼ全て実務担当者が感じていることだと思う。文科省、大学、高等教育に関わっている全ての人に読んで欲しい本。面従腹背も無責任な態度だと感じたので違う行動を選択しないといけないなあ。
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同志社大学で教鞭を取る著者が、迷走する大学改革の実態と、文科省を主体とした行政の迷走に伴走し続けた大学自身も含めて批判的にその実態を取りまとめた一冊。 本書の趣旨は、「PDCA、大学院拡充、EBPMといった言葉だけが一人踊りし、大学改革は実態なき運動になったどころか、かえってム...
同志社大学で教鞭を取る著者が、迷走する大学改革の実態と、文科省を主体とした行政の迷走に伴走し続けた大学自身も含めて批判的にその実態を取りまとめた一冊。 本書の趣旨は、「PDCA、大学院拡充、EBPMといった言葉だけが一人踊りし、大学改革は実態なき運動になったどころか、かえってムダな”改革ごっこ”に大学関係者のリソースを費やさせたという点でむしろ害悪になっている」という大学行政に関する批判である。これを読むと、なんとなく改革ごっこに過ぎない運動なのだろうと思っていたことが、ここまで酷い実態になっているということが明らかになり、改めて驚かされる。 若干、著者個人の”私怨”が見え隠れするため、その主観性は差っ引いてみる必要があるものの、大学当局の側から見た大学改革の実態を知るには良い一冊。
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教育界は現在、手を上げなければ予算が回ってこない。 一般的な助成金であれば「金は出すが口は出さない」というのが、基本スタンス。 しかし、教育に関してはお金を出す側と受ける側に暗黙の力関係が生じていて、お金を出す側の意図や意思を読み取らなければならない現状がある。 著者は長く大...
教育界は現在、手を上げなければ予算が回ってこない。 一般的な助成金であれば「金は出すが口は出さない」というのが、基本スタンス。 しかし、教育に関してはお金を出す側と受ける側に暗黙の力関係が生じていて、お金を出す側の意図や意思を読み取らなければならない現状がある。 著者は長く大学教育に関わってきた経験から、文部科学省が打ち出す策の矛盾を書き示している。 広く利用されているPDCAサイクルやシラバス、KPIの有効性も疑わしいようである。 これは高校教員も参考になると思う。
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大学職員として『大学改革の迷走』という新刊タイトルはcheckせざるを得ない。しかも新書で1200円もする。巻末の「参考・引用文献」を確認し読み始めた。 おもしろい! 業務上、20年近く政府・文科省の大学改革関係会議・答申等をwatchしてきたが、「過去30年あまりに及ぶ改革政策...
大学職員として『大学改革の迷走』という新刊タイトルはcheckせざるを得ない。しかも新書で1200円もする。巻末の「参考・引用文献」を確認し読み始めた。 おもしろい! 業務上、20年近く政府・文科省の大学改革関係会議・答申等をwatchしてきたが、「過去30年あまりに及ぶ改革政策は明らかな失敗ないし「失政」だった(p269)」は痛快だ。PDCAやKPIなど胡散臭いカタカナ用語やアルファベットに惑わされず、地に足つけて現場から変えていこう。 多くの大学関係者に読んでいただきたい本。
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<目次> 序章 大学解体から大学改革の解体へ 第1章 Syllabusとシラバスの間~和風シラバスの呪縛 第2章 PDCAとPdCaのあいだ~和風マネジメント・サイクルの幻想 第3章 学校は会社じゃないのだよ!~残念な破滅的誤解から創造的誤解へ 第4章 面従腹背と過剰...
<目次> 序章 大学解体から大学改革の解体へ 第1章 Syllabusとシラバスの間~和風シラバスの呪縛 第2章 PDCAとPdCaのあいだ~和風マネジメント・サイクルの幻想 第3章 学校は会社じゃないのだよ!~残念な破滅的誤解から創造的誤解へ 第4章 面従腹背と過剰胴長の大学現場~実質化と形骸化のミスマネジメント・サイクル 第5章 失敗と失政からなにを学ぶべきか?~大学院拡充政策の破綻と「無責任の体系」) 第6章 英雄・悪漢・馬鹿~改革劇のドラマツルギー(作劇術)を越えて 第7章 エピデンス・エピデンス。エピデンス…~「大人の事情」を越えて <内容> 6年越しの本だそうで、本文476㌻、注が7㌻、出展が8㌻の膨大な新書!文科省や〇✕審議会ヘは、かなりのお怒り。そのモチベーションが400㌻越えの本をまとめる原動力か? シラバスの形骸化、ビジネスモデル(としても成功は一部)のPDCAモデルを教育に持ち込んで、無理をしている文科省(でも自画自賛しているらしい…)。ちょっと考えてみたって、単年度予算で回っているお役所が、ちゃんとCHECKをやれば、単年度では事業なんて終わらないでしょ?!。大学院拡充は完全な失敗だが、責任の所在を曖昧にし(これは、A内閣にとって大変好都合)、その上大学3年生に来年根拠のあいまいなアンケートを取るらしい…。「失政」の責任を取って、文科省の役人は全員解雇!だよね…。
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いやあおもしろかった。もう大学改革がどうとかこうとかより、いまの会社の状況がそのまま当てはまって、なんかモヤッと思っていたことを言語化していただいてスッキリした感じ。「事なかれ主義」、そしてどうせ言ってもムダだろうという「無力感」。どこにでもあるんだろうなあ。なんか反対意見でも言...
いやあおもしろかった。もう大学改革がどうとかこうとかより、いまの会社の状況がそのまま当てはまって、なんかモヤッと思っていたことを言語化していただいてスッキリした感じ。「事なかれ主義」、そしてどうせ言ってもムダだろうという「無力感」。どこにでもあるんだろうなあ。なんか反対意見でも言おうものなら「大人げない」「大人の事情だからしかたない」などなど。それでも立ち向かっていくのだあ、、、と思いつつ、「まあいいか」となってしまう日々。忙しさにかまけてしまううちに「おかしいな」と思ったことをつい忘れてしまう。その繰り返し。それから、もう一つ。とにかくカタカナ言葉やアルファベットの頭文字による略語が多い。PDCA、KPI、エビデンス、コンピテンシーほかにもいっぱいあるけど、本書に何度も登場するこういう言葉、我が社でもたびたび耳にする。「開化先生」的というのか。しかしだ、本書も説明にたくさん登場して、もうEBPMだかPBEMだか何が何だか。シラバスについてもいろいろ思いはあるが、アメリカ式が良いと決めてかかるのも「開化先生」的ではないのか。アメリカの大学がいいとか、フィンランドがいいとか、みんないいとこだけ見て、ちょっとした自分の経験からものを言ってるのではないのか。エビデンス、エビデンスってうるさい!それほんまにそうなん。一部だけちゃうん。などなど、ちょっと興奮して迷走してしまった。でも、ほんと「よくぞここまで言ってくれました」と著者に感謝です。でも、多くの人に読んでもらわないと意味がない。どんどん宣伝したいけど、私のTwitterの能力では、無理やなあ・・・
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