知略の本質 の商品レビュー
独ソ戦やバトルオブブリテンにおける趨勢の転換、ベトナムのフランスからの独立やアメリカとの戦争におけるベトナムの戦い方、イラク戦争におけるアメリカ軍の戦い方の変遷といった実例を通じ、戦略、そして知略やリーダーシップについて分析している。野中氏が35年生まれで、一番若い麻田氏が80年...
独ソ戦やバトルオブブリテンにおける趨勢の転換、ベトナムのフランスからの独立やアメリカとの戦争におけるベトナムの戦い方、イラク戦争におけるアメリカ軍の戦い方の変遷といった実例を通じ、戦略、そして知略やリーダーシップについて分析している。野中氏が35年生まれで、一番若い麻田氏が80年生まれと、かなり年代にバラエティのある4人の著者が章別に分担執筆しているが、内容・文体はよく統一されている。 内容は多岐にわたるが、ヒトラーも気まぐれなだけでなく戦争経済を考えて戦略を練っていたこと、スターリンも兵站や補給の重要性をよく理解していたこと、米軍は正規軍どうしの戦闘ではベトナムでもイラクでも常に強力であったこと、トランプ政権を(一時的に)支えたマティスやマクマスターといった軍人が湾岸戦争や対イラク戦争の前線で活躍していたことなどが印象に残った。 知略の本質を考察する終章は、事例を展開するそれまでの記述に比べると抽象的かつ難解であるが、「失敗の本質」の出版以降、戦略に関する数々の考察を繰り返してきた著者たちの現在の到達点と思えば、繰り返し読んで理解に努めることは意義があると思われる。
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成功経験も失敗経験も、その経緯を言語化しておくことは大切なんだということを、改めて感じさせられた。 ただ、多くのケースは、目的の不明瞭さが、失敗を導くこともわかっているのにね。 わかっていてもできないのが、人間の性なのか。
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201228読み応えある 何度も再読して血肉化したい 失敗の本質シリーズ 1.失敗の本質=組織の失敗を学んだ →「成功の秘訣」は「知の創造」にある 情報→知識→[本質・直観]→知恵 暗黙知 形式知 実践知 2.管理過剰を批判 バブル後のつけ リスクとる、...
201228読み応えある 何度も再読して血肉化したい 失敗の本質シリーズ 1.失敗の本質=組織の失敗を学んだ →「成功の秘訣」は「知の創造」にある 情報→知識→[本質・直観]→知恵 暗黙知 形式知 実践知 2.管理過剰を批判 バブル後のつけ リスクとる、人材・仕組み・風土を喪失 再構築が必要 3.独ソ戦 読み応えある ヒトラーvsスターリン トップの資質のレベル差 ソ連の犠牲者は甚大 2,600万人! 4.組織の価値理念 「人命を守る」 ゼロ戦は防御が手薄 パイロットの軽視 損耗激しく長期的には劣勢 5.理念価値観の重要性=本音
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知略の本質を知るため、読みました。知略とは、情況と文脈に応じて具体的戦略を実践していくことです。知略の4つの要件は①共通善(共通する目的意識)②共感(相互主観性)③本質直感④自律分散系(実践知の組織化)でふ。知略の本質を洞察し理解すれば、どんな場面でも戦略を賢く実践できます。
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久しぶりの野中先生の戦略・知略の本。 頭に汗をかくような、難解な内容ではありますが 最終章は、読みごたえがあって非常に有用な 内容でした。内容を絶対に頭に写真としてのこして おきない内容です。 SECIモデル。実践知リーダーの必要な6つの能力 知略の4つの要件。 これは覚えておき...
久しぶりの野中先生の戦略・知略の本。 頭に汗をかくような、難解な内容ではありますが 最終章は、読みごたえがあって非常に有用な 内容でした。内容を絶対に頭に写真としてのこして おきない内容です。 SECIモデル。実践知リーダーの必要な6つの能力 知略の4つの要件。 これは覚えておきたい。
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レニングラード攻防戦、バトル・オブ・ブリテンをはじめ、おそらく戦史オタクでないとなかなか知らないであろう内容をこの本で読むことができた。しかし、これだけ詳細に書いてあるのはさすがでした。
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野中郁次郎先生の"本質"シリーズの4冊目です。 "戦略の本質への答えは「知略」である。これは日々変化する状況下のもとで組織員一人一人の実践知によって「いま・ここ」に相応しい行動を取らせる唯一の方法である。" 知略とは、マネジメント・リー...
野中郁次郎先生の"本質"シリーズの4冊目です。 "戦略の本質への答えは「知略」である。これは日々変化する状況下のもとで組織員一人一人の実践知によって「いま・ここ」に相応しい行動を取らせる唯一の方法である。" 知略とは、マネジメント・リーダーシップ領域の概念だと言う説明が冒頭になされている事からもわかる通り、焦点の当て方がスターリン、チャーチル、ホー・チ・ミンのリーダーシップ論に比重を置いているように思えました。『戦略の本質』でも取り上げられていた独ソ戦、バトル・オブ・ブリテンベトナム戦争が題材です。 以下、章別の気付きのサマリーです。 ■独ソ戦 国防軍のモスクワに迫る戦いが加筆されています。カフカス攻略と二面作戦である大戦中最も過酷な戦いであるスターリングラード攻防戦、最大の戦車戦であるクルスクの戦いを描きます。二正面作戦の前に東部戦線がそもそも二正面作戦なので、四正面作戦と言えなくもありません(北アフリカ戦線を入れたら戦線はもっと増える)。 何とあのスターリンが敗戦から学び謙虚になっていくと言う点が意外だった。試行錯誤を繰り返した者にのみ運(無傷の補給や冬将軍など)は味方すると言う点も納得。 ■バトル・オブ・ブリテン 航空戦であるバトルオブブリテンに加えて、大西洋の戦いが記載されているが、新たな発見をしたとは言い難いと感じました。 チャーチルとダウディングの"戦いの本質"を見抜く選球眼とそれによる、戦略的持久、テクノロジーの採用が、1941年までの英国の優れた行動と言う理解です。 ■ベトナム戦争 ホー・チ・ミン率いる北ベトナム軍が、開放戦線及び米国に毛沢東の遊撃戦論を下敷きに戦った方法を解説しています。 『戦略の本質』を読み返してみましたが、加筆修正されていたのは、対仏国のインドシナ戦争の部分です。ベトナム戦争は、インドシナ戦争の蓄積があったが故に勝利できたと言う事です。 ■イラク戦争 これは全くの新章です。ベトナム戦争の反省から確立されたドクトリンの元で完勝した湾岸戦争とイラク戦争までを描きます。 イラク戦争序盤が、純軍事的動機から行われていたのに対し、COINドクトリンを現地住民に融和的なものに改版して行った成功事例が説明されていますが、些か"何が成功要因だったのか"の踏み込みが甘いと思いました。結局、マッカーサーが日本を統治した時代に戻ってきたと言う事でしょうか。 シリーズ全般を通じて、純粋に読んでいて面白かったのは、2冊目の"戦略の本質"なので星4つ。
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知略とリーダーシップの本質に迫る失敗の本質シリーズの最終章。構成は前著群と変わらず、時系列かつ叙事的に戦闘展開を述べた後に、アナリシスを導出するというもの。 失敗の本質以上に、企業経営その他あらゆる勝負事に援用しやすいフレームワークにまとめてある点で、その有用性はシリーズ最終作...
知略とリーダーシップの本質に迫る失敗の本質シリーズの最終章。構成は前著群と変わらず、時系列かつ叙事的に戦闘展開を述べた後に、アナリシスを導出するというもの。 失敗の本質以上に、企業経営その他あらゆる勝負事に援用しやすいフレームワークにまとめてある点で、その有用性はシリーズ最終作に相応しいものと言える。 冒頭p7より引用。この部分こそが核心となる。 "軍事戦略をめぐっては従来、攻撃と防御、機動戦と消耗戦、直接アプローチと間接アプローチといったような二項対立的なとらえ方があるが、われわれは、そうしたとらえ方よりも「二項動態」的なとらえ方こそ、戦略の本質を洞察していると理解している。戦略現象を「二項動態」的に把握したうえで、情況と文脈の変化に応じて具体的な戦略を実践していくことが重要なのである。そのような戦略を、本書では「知略」と呼ぶ。"
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圧倒的不利な状態から逆転した4つの戦争の事例を挙げて、リーダーシップの本質を分析した本。 歴史を分析することの大切さはよく理解出来たが、歴史に弱い自分にとっては、まず戦争の歴史を理解するところでかなりの時間がかかってしまい、最後の方は流し読みになってしまった。 じっくりと時間を...
圧倒的不利な状態から逆転した4つの戦争の事例を挙げて、リーダーシップの本質を分析した本。 歴史を分析することの大切さはよく理解出来たが、歴史に弱い自分にとっては、まず戦争の歴史を理解するところでかなりの時間がかかってしまい、最後の方は流し読みになってしまった。 じっくりと時間をかけて読むべき本であり、日を改めて通読してみようと思う。
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