オリエント(7) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
勝巳くんいいやつだしかわいいな 包容力の権現好きです ムサシは調子乗りやすいとこあるし結構凹みやすいけど素直でいいやつなんだよな みちるちゃんはかわいいな そして犬田は純粋に気持ちが悪いんだよな
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小隊長の座を争う展開から始まる7巻である。 ここでは小隊長の座を争う小競り合いでの敗戦、第一陣の船団での緒戦における心折りなど、武蔵を襲う試練の数々が見られている。 鬼鉄刀を得るに至るまでの顛末でもそうだったが、この作品では徹底して主人公に試練を課す。ここでの絶望感もなかな...
小隊長の座を争う展開から始まる7巻である。 ここでは小隊長の座を争う小競り合いでの敗戦、第一陣の船団での緒戦における心折りなど、武蔵を襲う試練の数々が見られている。 鬼鉄刀を得るに至るまでの顛末でもそうだったが、この作品では徹底して主人公に試練を課す。ここでの絶望感もなかなか険しいものだ。 物語としては、人間だけが持つ「星座のように他人と繋がる能力」によって人が鬼に立ち向かう、その模様が描かれている点は大きいだろう。 であればこそ、小隊のような組織は現実以上に上意下達が求められる。戦場で抗命するような部隊員に価値などないと、まざまざと武蔵は教えられた。 その展開の残酷さは、ポジティブシンキングの武蔵をしてその場を去ることを考えさせるほどのものである。 そうした物語設定とは別に、物語上で活躍しているのは文官を本文とする直江兼竜。圧倒的な武技で第一陣の船団を襲った小鬼たちを下している。 ここでも残酷なのは、武蔵と同様の発言を行い、その格の差を見せつけているところだろう。 人を励ますことでさえ、人は誰が言ったかで受け取るメッセージが違う。武蔵、ちょっと追い詰め過ぎじゃないですかね、大高さん……? 絶望に浸る武蔵を掬い上げた形で尼子家嫡男の尼子勝巳のキャラを立て、一方ですでに関係を持っている猿渡みちるについて、これもまた残酷な筋立てを用意し、次巻に向かっている。 明らかに作画が適当な同じ隊の野口雉之介という説明担当を用意したり、相変わらず手回しがコンパクトであり、スムーズでありつつ情報量が多い。 敵となった小鬼、緑色鬼「口裂鬼」の作画の迫力など、大高さんらしい旨味の詰まった一冊だった。 物語的には淡路島奪還作戦の序盤ではあるが、楽しく読ませていただいた。星五つで評価したい。
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