拓銀 敗戦の記録 の商品レビュー
拓銀に関係があったので、とても興味深く一気に読めた。 とても悲しい話で、拓銀を大蔵省は潰す気がなかったのに何か訳のわからないうちに潰れてしまったんだなというのを感じた。それにより何人の人生が変わったのだろうか。稲盛さんが好きでよく読むが、経営者というのはやはり企業を潰してはいけな...
拓銀に関係があったので、とても興味深く一気に読めた。 とても悲しい話で、拓銀を大蔵省は潰す気がなかったのに何か訳のわからないうちに潰れてしまったんだなというのを感じた。それにより何人の人生が変わったのだろうか。稲盛さんが好きでよく読むが、経営者というのはやはり企業を潰してはいけないのだと感じた。
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コロナ禍に見舞われる直前に発刊された本書をやっと今頃手にしました。 本書が発刊されてからのこの3年の中でも金融情勢のシビアさはそれまでとは違う意味合いも新たに現れてきているのではないかと思いつつ読みました。 第三章に登場する竹森氏が、金融システムの脆弱さに対する政治家や官僚の認識の甘さは、福島原発事故の対応と根が同じであると発言されたことに深く首肯しました。元北海道知事の堀氏も「拓銀の経営破綻は政治の責任だ」と政府関係の席上で発言したと言っていますが、他にも危ない金融機関はたくさんあると言われていた中で都銀序列の最後尾にいたというだけの理由で拓銀がスケープゴートにされたとはやはり思えなく、本当の理由はやはりわからなかったと感じました。そこが一番知りたかった。 また、これも第三章ですが、弁護士の国広氏がJRについて触れているのも注目しました。 新幹線にばかりすべての力を注ぎ道内の地域路線がどんどん当たり前のように廃線になっていくのを見ていると「第二の拓銀」という言葉も懸念で終わらないのでは、と暗い気持ちになりました。 元拓銀行員の鼎談や、取材当時の道内金融機関の新たな企業努力も垣間見ることができ(元金融関係職員ですが恥ずかしながら、フィンテックという言葉を知りませんでした。)内容としてはかなり取材を頑張られた感は伝わりました。 でもあとがきにあるように、「どうして拓銀は(潰される銀行として)選ばれたのか」を今後もっと深く追求した続編をやはり何とか発刊していただきたい。 北海道新聞社にしかできないことだと思います。
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北海道拓殖銀行(以下、拓銀)が破綻に至る経緯については、すでに既刊されたものでも整理がなされている。本書の特徴としては、編集を行った北海道新聞社の記者が拓銀出身であること、また多くの記載が元拓銀関係者によるところから、より当時を知る内部の声をもとに綴られているところにある。いく...
北海道拓殖銀行(以下、拓銀)が破綻に至る経緯については、すでに既刊されたものでも整理がなされている。本書の特徴としては、編集を行った北海道新聞社の記者が拓銀出身であること、また多くの記載が元拓銀関係者によるところから、より当時を知る内部の声をもとに綴られているところにある。いくつかの教訓、また組織論、そして政治・行政との関係に至るものである。 金融機関の資金繰り、特に流動性管理の視点からは、銀行が業務を停止することになる事実としての動き、その展開を具体的に示しているところに、流動性リスクの怖さを再認識するという重要な示唆があるだろう。
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■北海道拓殖銀行の破綻の事実関係を知ることが目的で購入。 ■副題にもある通り敗戦の記録である。しかし、この本は著者が元拓銀行員の記者であることもあって、以下のようなノスタルジーを感じる。 ■なぜ拓銀は破綻したのだろうか。拓銀行員がバブルに乗ったのは間違いないが、それだけではないの...
■北海道拓殖銀行の破綻の事実関係を知ることが目的で購入。 ■副題にもある通り敗戦の記録である。しかし、この本は著者が元拓銀行員の記者であることもあって、以下のようなノスタルジーを感じる。 ■なぜ拓銀は破綻したのだろうか。拓銀行員がバブルに乗ったのは間違いないが、それだけではないのではないか。明確には書いていないが、政府や監督当局にも責任があるのにそこは曖昧になっていないだろうか。そんな声がバックミュージックとして聞こえてくる。 ■そんな感情論を相当に抑えながら証言記録を淡々と掲載したのはよかった。 ■そして、北海道企業はまさかの拓銀破綻を遠因として、銀行に頼らない経営を全体的に標榜しているのではないかと感じた。
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大蔵省からの天下り頭取時代から脱皮し、拓銀行員からの生え抜き頭取になってから凋落が始まったということか……。にしても、拓銀破綻で北海道内に与えた影響は、大きい。
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