生者と死者に告ぐ の商品レビュー
シリーズものがあるとき、あるいはこの作者が気になるというとき、私はなるべく第1作から読みたい。第1作を読むときのネタバレを回避したいのだ。 しかしながら、これはシリーズ第7作なのだが、この本を紹介する案内に強く惹かれてこの作品から読んでみる。 なぜ殺されたのか分からない人...
シリーズものがあるとき、あるいはこの作者が気になるというとき、私はなるべく第1作から読みたい。第1作を読むときのネタバレを回避したいのだ。 しかしながら、これはシリーズ第7作なのだが、この本を紹介する案内に強く惹かれてこの作品から読んでみる。 なぜ殺されたのか分からない人たちを辿る謎はもちろん魅力的なのだが、登場する刑事たちの背景を想像しつつ読み進めるのは楽しい。 事件単体の面白さだけでなく、謎を解く刑事たちにも人生があり、事件があった。 謎や解き方、トリックを楽しむミステリではなく物語を楽しむミステリ。 他の作品も読みたくなる。
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オリヴァー&ピアシリーズ第七作。 前作から二年ほど経っている設定で、ピアもその恋人クリストフも前作でのショックから立ち直り、いよいよ結婚へ踏み出していた。ホッとした。 しかし、長期休暇を取ってクリストフと旅行を楽しむ予定のピアに連続殺人事件が立ち塞がる。 ドイツなら休暇...
オリヴァー&ピアシリーズ第七作。 前作から二年ほど経っている設定で、ピアもその恋人クリストフも前作でのショックから立ち直り、いよいよ結婚へ踏み出していた。ホッとした。 しかし、長期休暇を取ってクリストフと旅行を楽しむ予定のピアに連続殺人事件が立ち塞がる。 ドイツなら休暇は休暇と割り切って旅に出るのかと思いきや、意外にも人手不足の職場事情を思いやって休暇を返上するワーカホリック振りを見せる。 そしてそんなピアを非難するどころか気遣うクリストフって、本当に良い人。 そしてオリヴァー。離婚後も元妻コージマと幼い娘に振り回されつつ、やはり仕事中心の日々を過ごしている。 ドイツでの銃犯罪は非常に少なく、作中の表現では14%だそうだ。またいわゆる通り魔事件も少なく、犯罪の70%は被害者と犯人に何らかの繋がりがあるらしい。何となく日本に似ている。 しかし今回の事件は銃犯罪。調べると、意外にも銃を持つ者(勿論許可証が必要)、銃を撃てる人間は多い。 被害者にはどんな繋がりがあるのか調べるうちに、思わぬ隠蔽事件が見えてくる。 最初は貫井徳郎さんの「乱反射」みたいな話なのかと思ったが、もっと深くもっとどす黒いものだった。 「ドイツは法治国家ではない」 という言葉にも納得。ドイツだけではない、日本も他の国にもそんな側面はあるだろう。 こんな大罪を犯しておいてお咎めなしの人間もいれば、罪とも言えないことで社会的に抹殺される人間もいる。 人々が日頃抱える不平等感や格差、そうしたモヤモヤを改めて突きつけられた。 人間は罪悪感や良心を長期間保ち続けることは出来ない。それは生物が生きていくための自己防衛機能なのだろう。 一方で理不尽に家族を奪われた者はどう悲しみや苦しみと折り合えば良いのか。 ピアも前作で危うく大切なパートナーやその家族を失うところだった。 このシリーズは他のレビュアーさんも書かれているが長い。 核心に入っていっても、最後の最後まで真相が分からない。そしてスッキリ解決、大団円とは行かない。 次々に起こる事件に追われて、落ち着いて考えればもっと良い捜査方法、良い視点を思いついていただろうにと後悔するような紆余曲折があったり、流行りの言葉で言えば『ワンチーム』で当たらなければならないのに自分勝手に暴走する者がいたり、捜査は遅々として進まない。二時間ドラマであっという間に解決するスーパー刑事軍団ではないのだ。 しかも犯人は常に警察の先を行っている。 今回は初めてピアの家族が登場した。妹が意外にも司法精神医という仕事をしていることも判明。なんと事件捜査に加入している。いくらその道のプロとは言え、家族を捜査に加えるなんて「名探偵コ○ン」か。 そしてオリヴァー。新しい彼女との関係はどうも上手く行っていないようだ。だが仕事の方は一時のポンコツから随分と回復。逆にポンコツプロファイラーがみんなの足を引っ張ってくれて怒鳴るシーンが多いのが気になるが、ピアとともに課を引っ張る頼れるリーダーだ。 本国では九作まで刊行されているとのこと。続編も楽しみに待つ。
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オリバーが仕事ができる!(意外) 相変わらず女に弱い。 ピアがカッコいい。 ピアの夫が素敵だ。 酒寄先生の翻訳がものすごく読みやすい! だが長い! 日本のミステリーで同じ題材のものを複数読んだが、いずれも問題提起色が強かったので、この作品はその辺は突っ込まず、謎解きとして複雑かつ残酷で、とても面白かった。 解説がいちばんの謎。
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面白いんだけど、3分の2くらいに短く出来そう。どういうわけか話が進まない。 今回も酷い登場人物がいるが、あんまりどうしようもないキャラは出さなくてもいいのではないだろうか。出す意味がわからない。物語に必要なわけでもないし、面白さが増すわけでもない。 オリヴァーは大分ましになった。...
面白いんだけど、3分の2くらいに短く出来そう。どういうわけか話が進まない。 今回も酷い登場人物がいるが、あんまりどうしようもないキャラは出さなくてもいいのではないだろうか。出す意味がわからない。物語に必要なわけでもないし、面白さが増すわけでもない。 オリヴァーは大分ましになった。ピアがちやほやされる場面は今回はあまりなかった。
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オリヴァー&ピアシリーズ。息もつかせぬ展開で、最初から最後までハラハラしながら一気読み。ちょうど時期的にも同じくらいのタイミングで読めてよかった。
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オリヴァー&ピアのドイツミステリー第七作。連続射殺事件発生。遠距離から正確な射撃。関連性が見つからなかったが、どうやら被害者は臓器移植に関わった者の近親者らしい・・・ 長い。明かされる真実は意外なものであり、おぞましいものではあるけれど、そこへと至る過程が(個人的好みか...
オリヴァー&ピアのドイツミステリー第七作。連続射殺事件発生。遠距離から正確な射撃。関連性が見つからなかったが、どうやら被害者は臓器移植に関わった者の近親者らしい・・・ 長い。明かされる真実は意外なものであり、おぞましいものではあるけれど、そこへと至る過程が(個人的好みからすると)長いと思う。すごく現代的なテーマを扱っていて良いけれど、文庫600頁も費やすほどなのかとも思う。(個人的に読まなければならない本が山積みになってるから焦ってるという事情が点を辛くしてるのかも知れない。すまぬ)
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ホーフハイム刑事警察署の管轄内で、犬の散歩中の女性が射殺された。80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女性が窓の外から頭を撃たれて死亡。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれた。そして警察署に“仕置き人”からの死亡告知が届く。被害者たちの見えない繋...
ホーフハイム刑事警察署の管轄内で、犬の散歩中の女性が射殺された。80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女性が窓の外から頭を撃たれて死亡。数日後には若い男性が心臓を撃ち抜かれた。そして警察署に“仕置き人”からの死亡告知が届く。被害者たちの見えない繋がりと犯人の目的とは。刑事オリヴァーとピアが未曾有の連続狙撃殺人に挑む! シリーズ第7作は、サスペンスフルな展開で始まるが、途中から前作同様、社会派ミステリの要素も入ってくる。最後の最後まで一気読み。堪能いたしました。
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