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大学教授のように小説を読む方法 増補新版 の商品レビュー

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2024/06/22

登場人物とストーリーだけではない、小説の切り口。 軽妙な語り口。 ・記憶、シンボル、パターン ・文学の中の食事は、何らかの重要な人間関係を示す。 ・吸血鬼、人の生き血を吸うとは、姿を変えた搾取の構造。自分の欲しいものを手に入れるために他人を利用すること。 ・この世に完全に...

登場人物とストーリーだけではない、小説の切り口。 軽妙な語り口。 ・記憶、シンボル、パターン ・文学の中の食事は、何らかの重要な人間関係を示す。 ・吸血鬼、人の生き血を吸うとは、姿を変えた搾取の構造。自分の欲しいものを手に入れるために他人を利用すること。 ・この世に完全にオリジナルな文学作品は存在しない。もっと言えば、この世にストーリーはひとつしかない。 知らなくても読めるが、類似点、間テクスト性と多層的に複雑な意味を愉しむ。山を歩き、キノコが見つけられるように。 ・疑わしきはシェイクスピア。抜群のストーリー、魅力的な人物、見事なことば、誰もが知る物語。引用することで人物、舞台を即座に理解させる。 ただしそのまま引用しない。ダイアローグが提示されて、過去の作品の一部を利用しつつ、新しい作品が独自の主張をする。読者の知識を利用して、まったく新しいもの、アイロニックな意味でオリジナルなものを作り出していく。 →読むことは想像力の活動。両方の作品をより深く豊かに理解することができるようになる。新しい作品の含意を読み取るいっぽうで、過去の作品についてもわずかながら読み方を変えることになる。 ・聖書、おとぎ話。 ・アイロニーこそ、先行するテキストから借用する場合の最良の副次効果のひとつ。 ・雨や雪が表すこと。浄化と汚れ。アイロニー。 ・プロットとは行動中の登場人物である。登場人物はプロットによって明確になり、形づくられる。 ・作者はあなたが読むスピードで書いてはいない。水平思考を展開する時間はある。 ・象徴が意味するものは複数ある。ひとつの意味しかなかったら、それは寓話。 ・手始めに、目の前の作品を扱いやすい長さに切る。自由に考え、思いついたことをメモする。つぎにアイデアを整理して分類し、見出しの下に入れていく。この作品に当てはまるかどうかを検討し取捨選択する。どんな感じがするだろう? →創造的な知性との交感

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2023/02/04

大学教授の講義のような内容。 パターンや、何をベースに書かれているかなど。 話しているような感じで書かれているので、講義聞いているような感じがした。

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2022/12/15

小説や映画で、これは何を象徴している、とか、このストーリーは何を下敷きにしているとかいう批評について、そんなことあるだろうか、と昔は思っていたのですが、そんなことあるんですよね。作家が意識的にやることもあるし、それ以上に無意識的にそうなってしまう(無意識だから色濃く、ということも...

小説や映画で、これは何を象徴している、とか、このストーリーは何を下敷きにしているとかいう批評について、そんなことあるだろうか、と昔は思っていたのですが、そんなことあるんですよね。作家が意識的にやることもあるし、それ以上に無意識的にそうなってしまう(無意識だから色濃く、ということもありますね)こともあるでしょう。より小説なり映画なりを深く味わうためには、この本に載っているような知識はとても有用。目についたもの、興味のある項目だけでも読むと後で効いてくる。手の届くところに置いておいて時々読んでみたりするといいです。映画にも有用。

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2022/01/11

ミシガン大学で文学を教えている教授が、小説のより深い読み方を様々なパターンを用いて細かく解説していく公開授業のような本。 小説だけでなく映画、舞台、詩、何にでも応用できる。鑑賞者だけでなく作家、役者、全てのクリエイターに読んでもらいたい。 一般の人と教授の読み方の違いは「記憶...

ミシガン大学で文学を教えている教授が、小説のより深い読み方を様々なパターンを用いて細かく解説していく公開授業のような本。 小説だけでなく映画、舞台、詩、何にでも応用できる。鑑賞者だけでなく作家、役者、全てのクリエイターに読んでもらいたい。 一般の人と教授の読み方の違いは「記憶」と「象徴」と「パターン」だと教えてくれる。いくつもの作品を「記憶」して、登場した「象徴」と同じ「パターン」を見つけること。例えば両手足と脇腹に傷がある登場人物はキリストの「象徴」だと言えるし、鳥は自由の「象徴」だと言える。つまり額面通りの意味とは違う隠されたメッセージを感じ取ることで、過去の作品との共通点「パターン」が見えてくる。さらにひとりの作家が複数の作品で同じ状況や「象徴」を出すことで、今後どうなるかを予測することもできる。当然それが裏切られることもあるが。 教養として学習するのではなく、楽しんで学びを深めるコツを教えてくれる良書。

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2021/07/07

この手の本にしては軽快だ。 作者の趣味が色濃いと断ってはいるものの、だからこそ文学への接し方が、深め方がよく分かる。 批評理論は一切出てこない。 象徴の扱い方に特別の注意を払っている。

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2021/02/03

文学についての本をここ最近色々読んでいるが、これは抜群に面白かった。 英米アイルランド文学が専門の著者によって書かれたというのに、小難しい文学理論は一切展開されない。文学作品は過去の文学作品の影響を必ず受けているという一貫した姿勢を崩さずに、「大学教授ならここ(季節、天候、食事...

文学についての本をここ最近色々読んでいるが、これは抜群に面白かった。 英米アイルランド文学が専門の著者によって書かれたというのに、小難しい文学理論は一切展開されない。文学作品は過去の文学作品の影響を必ず受けているという一貫した姿勢を崩さずに、「大学教授ならここ(季節、天候、食事シーン、地理などなど)に注目するね」とユーモアを絶えず交えながら数多の例を用いて丁寧に解説してくれる。どうやら著者は文学理論が嫌いとのことw その上、想定される質問を著者自ら用意し回答してくれる。「丁度そこ知りたかったのよ!」と何度膝を打ったことか。 これから実際に文学作品を読んでいく中で何度も立ち返るであろう一冊!

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2021/01/18

本を読む際にただストーリーを追うだけでなく、作家が裏に込めた(と想定される)メッセージを読み取る能力を高めてくれる本。硬そうなタイトルだが、軽快な文章が魅力的だった。研究者、学生だけでなく、多くの人が手に取ることが想定されていると感じた。本のタイトルは読者にフォーカスが当てられて...

本を読む際にただストーリーを追うだけでなく、作家が裏に込めた(と想定される)メッセージを読み取る能力を高めてくれる本。硬そうなタイトルだが、軽快な文章が魅力的だった。研究者、学生だけでなく、多くの人が手に取ることが想定されていると感じた。本のタイトルは読者にフォーカスが当てられているが、物語を書く人は特に知っておくべき内容ではないかと思う。アメリカにある大学の教授が書いている本なので、取り上げられている作品は聖書、ギリシャ神話、シェイクスピアをはじめ、エリオット、ヘミングウェイなどの西洋文学がほとんど。これらに馴染みのない人にはとっつきにくいかもしれない。本書で紹介されているような読み方が常に必要だとは思わない。著者もあらゆる着目点を紹介して最後に読者自身の感想を尊重するよう促してくれる。読書の楽しみの幅を広げてくれる素晴らしい本。

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2019/10/26

大学教授のように小説を読む方法「増補新版」 著作者:トーマス・C・フォスター 白水社 2003年に刊行された本書の旧誌は、アメリカの学校関係者や読書会に参加する読書家などから高い評価を受けロングセラーとなった。 タイムライン https://booklog.jp/timeline...

大学教授のように小説を読む方法「増補新版」 著作者:トーマス・C・フォスター 白水社 2003年に刊行された本書の旧誌は、アメリカの学校関係者や読書会に参加する読書家などから高い評価を受けロングセラーとなった。 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

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