オランダの文豪が見た大正の日本 の商品レビュー
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ジャポニズム礼賛とは異なる、還暦直前のオランダ人作家による日本旅行記である。 当時の写真が結構豊富で美しい。著者や同行した夫人、随行者などが撮影したものと思われる。 著者のルイ・クペールスは、「ベル・エポック」と呼ばれる時代に大作をいくつも発表した大文豪らしい。 第一次世界大...
ジャポニズム礼賛とは異なる、還暦直前のオランダ人作家による日本旅行記である。 当時の写真が結構豊富で美しい。著者や同行した夫人、随行者などが撮影したものと思われる。 著者のルイ・クペールスは、「ベル・エポック」と呼ばれる時代に大作をいくつも発表した大文豪らしい。 第一次世界大戦直後の日本の人々の様子などが窺えて面白いが、作中で七週間も神戸の病院に入院し、帰国後わずか1年ほどで亡くなったそうなので、非常に無理をして旅を続けていたのかと思った。 文章はとても繊細な感じで、読みやすかった。
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オランダの文豪ルイ・クペールスが、1922年(大正11年)2月~10月まで新聞に掲載する旅行記執筆のため日本を訪れ、長崎から神戸、京都、そこでインフルエンザにかかり、神戸の病院に7週間入院、回復して横浜、東京、そして日光へ、9ヶ月の旅をした。 大正と言えば、大正ロマン、大正デ...
オランダの文豪ルイ・クペールスが、1922年(大正11年)2月~10月まで新聞に掲載する旅行記執筆のため日本を訪れ、長崎から神戸、京都、そこでインフルエンザにかかり、神戸の病院に7週間入院、回復して横浜、東京、そして日光へ、9ヶ月の旅をした。 大正と言えば、大正ロマン、大正デモクラシー、戦勝国としても活気があり、いい時代だったと思うのだが、クペールスさん、まぁこき下ろすことこき下ろすこと、失礼なぐらいだ。汚い、くさい、みすぼらしいetc.…無理もないですよね。そのころの日本は一生懸命西洋の真似をしようと頑張ってる、発展途上にあったのだから。 しかし彼は日本の歴史、文学、伝統、芸術から文字の成り立ちに至るまでしっかり勉強し、日本人でも知らないような知識を頭にしっかり入れ込んで旅に臨んでいて、日本への愛は感じられる。かなりの期待を抱いて来日したに違いない。OMOTENASHIに磨きをかけた現在の日本を訪ねてきてくれていたら、きっと大満足で帰られたでしょうに… でも当時の日本、粗野で不潔で下品な日本を知るには興味深い記録だ。
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