探検家とペネロペちゃん の商品レビュー
探検家の角幡さんの愛娘についてのエッセイ。『極夜行』の中にもちらほらお話がでてきていましたし、自分も父親になったばかりなので、気になって読んでみました。 角幡さんが娘に対して思っていること・考えていること、父親とは何かについて日々思っていることを赤裸々に語っていて楽しいです。角...
探検家の角幡さんの愛娘についてのエッセイ。『極夜行』の中にもちらほらお話がでてきていましたし、自分も父親になったばかりなので、気になって読んでみました。 角幡さんが娘に対して思っていること・考えていること、父親とは何かについて日々思っていることを赤裸々に語っていて楽しいです。角幡さんがあとがきにも書いているように、父親はそこまで積極的に子どものことを話すことはないと思うので(周りではあまり聞かない)、あくまで角幡さんの思いではあるけれども、1冊丸ごとこういうテーマで書かれている本があるのは父親というものリアルが分かって面白いんじゃないか。 いろいろと共感するところも多かったです。日々試行錯誤しながら、自分らしい父親になってゆきたいと改めて思いました。
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元から素晴らしかったと思うのですが、極夜行から一気に面白さが増したと思っています。ユーモアが増えて読み物としてとても楽しいです。極夜行前もとても良かった。 そして今回は幼い娘の事を探検家が書くというわくわくしかないという、読む前から大期待して臨んだ本です。 かなり自分の中でハード...
元から素晴らしかったと思うのですが、極夜行から一気に面白さが増したと思っています。ユーモアが増えて読み物としてとても楽しいです。極夜行前もとても良かった。 そして今回は幼い娘の事を探検家が書くというわくわくしかないという、読む前から大期待して臨んだ本です。 かなり自分の中でハードル上げまくっていたので、実際どうなんだろうかと思っていましたが、乱暴なユーモアと、とんでもない屁理屈で構成されていて非常に読んでいて楽しかったです。まさに男という雰囲気の角幡氏が娘にメロメロになりながらも、恐らく周りからは極大限自分勝手な父親と映っているんだろうなと想像出来ました。 娘(作中ペネロペ)の容貌に対して異常なほど褒めまくる文章からスタートし、まあ掴みだから面白く書いているんだろうと思いましたが、どうやら本当に凡百の赤子とは違う天下一の赤子であると信じているようであります。その文章がひたすら続く辺りは電車で読むのが困難な程面白かった。 サバイバル登山家、服部文祥氏の奥さんのエッセイのあとがきで、文祥氏が言っていた「子供は大自然と同じである」という事を角幡氏も文中で書いています。確かに一人の人間が産まれ出る事は大いなるスペクタクルですね。
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私も親バカなので、全く他人のことは言えませんが、少し度が過ぎています。角幡氏のイメージが崩れました。 とはいえ、かなり共感できる部分も多く「娘を持つ男親」にはかなりササる内容で面白いと思います。子供を持つ女性陣からは「バッカじゃないの」と一刀両断される本です。
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いやあ、カクハタ節全開でおもろかった。 しかし、これまで自分たちの世代くらいになると後進のために活動する人が増えている中、その行為は自分が衰えていく恐怖を忘れるためのものというような書き方をしており、おお、そうか、なんだ、みんなそういうことなのか、と勇気をもらい、これからも悪びれ...
いやあ、カクハタ節全開でおもろかった。 しかし、これまで自分たちの世代くらいになると後進のために活動する人が増えている中、その行為は自分が衰えていく恐怖を忘れるためのものというような書き方をしており、おお、そうか、なんだ、みんなそういうことなのか、と勇気をもらい、これからも悪びれることなく、自分の命を最大限自分の楽しみに使っていこうと思ったのだった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
世界の最果てを巡る旅を、命がけで成功させてきた探検家・角幡唯介。今回の舞台は、未知の峡谷でも極寒の北極でもなく、家族と過ごす何気ない日常である。 愛娘「ペネロペ」の意表をついた言動を主なネタにして、哲学者のように、人類学者のように、父親・角幡が面白おかしく考察する。思索の妙はもちろん、自虐ネタ・下ネタも健在だ。 本書が今までとは違うのは、親バカ上等を地でいく語り口である。最初の章「私には異様にかわいい娘がいる」から、その語り口はアクセル全開だ(よく考えると章題からしてすごい)。 いわく「ペネロペ」は、 “純粋に客観的かつ公平的基準からして私の娘は異様にかわいい” とのこと。あるいは、 “100点中90点ぐらいの点数をつけるぐらいに、かわいい” とのこと。 親が子供を本能的に可愛いと感じるのは当たり前なのだが、筆者はそこを否定する。あくまでも、客観的に見てかわいいのでありその可愛さは群を抜いている …らしい。それを当の親が頑張って主張しているところが面白い。この手の盲目的フレーズは、形を変え、シチュエーションを変え、本書のいたるところに、散りばめられている。章によっては、本当に30秒に1回は読む。失笑を狙っているとわかっていても、表現が巧みで面白いので、「またかよ」と思いつつ、読み手はそれをかわすことができずに笑ってしまう。 全編、おおむねこんな調子が続くので、真面目に書かれた最終章の家族登山は読後感はなかなかいい。 北八ヶ岳の山道で「ペネロペ」がみせるいじらしい奮闘や、両親を困らせるような”いやいや”の仕草は、まるで我が子を見ているような感じにさせられる。また、そういう「ペネロペ」をだましだまし誘導したり、ご褒美で釣ったりしながら、登頂させてしまうところは、親ならみんなこうするよなぁと納得してしまうような臨場感に溢れている。そして、無事に登山を終えたときに見せてくれる屈託のない喜び(および角幡の感涙)に、ついついこちらもホロリとなってしまうのだ。 命を削るような探検で、生の意味を見出してきた角幡が、幼子の成長を間近に見ることでどんなことを悟り、どのような心境変化をきたしたか。そこも本書の重要なテーマであると思う。 なお、「出産ドキュメント」の章は迫真だ。産婦人科に入院してから出産を終えるまでの一部始終がかなり具体的に書かれている。臨月を迎えた奥様がいる人はぜひご一読を。ひょっとしたら、陣痛で苦しむ嫁の前でカツカレーを食べるくらいの狼藉は許されるのかもしれない。
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角幡さんの本は絶対にはずれがない。 特に子育ての考察は「探検家の日々本本本」のマザーズの書評のときからキレていて、好きだった。 冒険も家族も、形は違えどそれぞれ命と向き合う作業。
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