潮待ちの宿 の商品レビュー
ある小さな港町の宿、幼い日に縁戚からもらわれてきた少女、志鶴が主人公。 少女が成長しながら宿で出会ったお客さんや近所の人々を描いた作品で、しっとりとしたいい作品になっている。
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2021.05.14 久しぶりの著者の作品。葉室麟と似てはいるけれど違うんだなあ。「待ち続けて良いのか」を考えさせられる一冊だった。他人の子を我が子として育てるというのも最近考えさせられる大きな大きな内容だ。
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伊東潤さんの新境地「人情話」。 謎解きやどんでん返し、ラストに「あっ」と言わせる筆致は、流石です。
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帯には伊東さん初の『人情物』とあるが、人情というよりはサスペンスものの印象。 幕末から明治にかけて、瀬戸内海の笠岡港にある宿屋〈真なべ屋〉に引き取られ成長していく志鶴の半生を描く。 時代の変化と共に船の形態が変わり、商売も変わり、笠岡港は船が立ち寄らない港に変わり廃れていく。 ...
帯には伊東さん初の『人情物』とあるが、人情というよりはサスペンスものの印象。 幕末から明治にかけて、瀬戸内海の笠岡港にある宿屋〈真なべ屋〉に引き取られ成長していく志鶴の半生を描く。 時代の変化と共に船の形態が変わり、商売も変わり、笠岡港は船が立ち寄らない港に変わり廃れていく。 そんな中でもぼちぼちとやって来る客を相手に、志鶴は養母で女将の伊都と共に何とか宿屋を切り盛りしていく。 何かを隠密に調べている客、仇討ちのために客を追いかけてくる男、敗走中の長州藩士たち…という宿の客絡みの事件に加え、伊都に想いを寄せている佐吉親分の弟の不審死に伊都が佐吉の気持ちに応えられない理由という、脇役たちの物語もある。 伊都がずっと〈真なべ屋〉で客を待ち続ける人生に徹したのに対し、志鶴はどうするのか。 伊都のおかげで教育も受けさせてもらい、生まれつきの覚えの良さもあって客商売にも向いている。しかし志鶴は少々猪突猛進なところもある。 このまま衰退していく港町でどう生きていくのか。 遊郭を営むたあちゃんが印象的で魅力的だった。明治の世は良くも悪くも新しいものが席巻していく。 最終話で35歳になった志鶴に新たな選択が突き付けられる。てっきり伊都のようになるのかと思ったら、違う選択だった。幸せなら良いけど、その流れでその選択? 似たような流れの話が多くて途中中弛みしてしまった。伊東さんはやはり歴史物の方が好みかな。
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江戸末期から維新の間にある市井の人情話。 昔の新派を見ている様な噺。でもこの手の噺は読んでいて何故か落ち着くのはなぜだろう。
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備中国南西部の港町笠岡を舞台に、潮待ち引き取られた引き取られた少女の成長を明治維新前後の出来事を交えて描く人情味溢れる時代小説。 瀬戸内の主要な主要な航路から外れ寂れつつある笠岡という港町、潮待ちの宿で働く志鶴という少女。 河井継之助や長州藩士など、明治維新前後の時代をうまく...
備中国南西部の港町笠岡を舞台に、潮待ち引き取られた引き取られた少女の成長を明治維新前後の出来事を交えて描く人情味溢れる時代小説。 瀬戸内の主要な主要な航路から外れ寂れつつある笠岡という港町、潮待ちの宿で働く志鶴という少女。 河井継之助や長州藩士など、明治維新前後の時代をうまく取り込んでいる。 待つだけでなく志鶴の成長と共に自ら決断し動き出す成長過程が素晴らしい。 時代小説の佳作。
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幕末から明治という日本が大きく変わろうとしている激動の時代を背景に、志鶴が伊都のもとで成長していく姿、真なべ屋で懸命に働く姿が心に残る印象的な物語だった。 最後、35歳を迎えた志鶴の姿は、胸が熱くなるものがあった。 また、真なべ屋から見渡すことのできるきれいな瀬戸内の海の風景も、...
幕末から明治という日本が大きく変わろうとしている激動の時代を背景に、志鶴が伊都のもとで成長していく姿、真なべ屋で懸命に働く姿が心に残る印象的な物語だった。 最後、35歳を迎えた志鶴の姿は、胸が熱くなるものがあった。 また、真なべ屋から見渡すことのできるきれいな瀬戸内の海の風景も、はっきり想像できてとても印象に残ります。 すべてが面白く印象的で、心に沁みる一冊でした。
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作者初の人情ものとのうたい文句に惹かれて読んだ。 幕末~明治初期とした時代設定に合わせた出来事を織り込みすぎた感があり、肝心の人情部分が沁みてこなかった。
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維新前後は角張った物語ばかりですが、市井の人々を主人公とした話は初めてで新鮮でした。人情話がまた良くて希望で明るく終わって良かった。NHKの時代劇でドラマになりそう。
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【海に臨む宿で少女が待つものとは――。著者の新機軸】親に捨てられ港町の旅宿で働く志鶴。宿を訪れ去っていく人々に触れながら成長していく少女を通して、幕末から明治初期の時代を描く。
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