四隣人の食卓 の商品レビュー
都心から離れた山あいに国家が少子化対策の為に建設した共同住宅。そこは「入居10年以内に子供を3人もうける」という条件付の物件だった。 そこに4組の家族が入居した。 冒頭にある 「裏庭に置かれたその食卓は、ナプキンやコップを取るたびに肘がぶつかるのを厭わなければ大人が16人くらい、...
都心から離れた山あいに国家が少子化対策の為に建設した共同住宅。そこは「入居10年以内に子供を3人もうける」という条件付の物件だった。 そこに4組の家族が入居した。 冒頭にある 「裏庭に置かれたその食卓は、ナプキンやコップを取るたびに肘がぶつかるのを厭わなければ大人が16人くらい、息がかかるほどにギリギリまで人口密度を上げたなら子供があと6、7人は座れそうだった。」 という 文章にすでにこの不自然なコミュニティの全体像が醸し出されているような感じがした。 4組の家族はそれぞれの家庭の事情もあり、当然のように上手くいくわけもなく… そして終盤 新たな住人がやってくる。その女性は「いってみればこの共同住宅は、家にいると決めた人間が個人的な欲を捨て、育児に生きがいを見いだしてこそ、全体的に健全でいられる場所と考えるのが自然なのだ。」 とこの共同住宅のコンセプトを正しく理解しているように思われる。前の住人と比べて とても思慮深く明晰な人だ。 では こんな人だったらここでの生活を何の疑問もなくまっとうすることができるんだろうか? 果たして本当にそうなんだろうか? 私はこの完璧なまでのこの女性の家庭のこの後を是非知りたいと思った。
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四組それぞれの夫婦や家族にはそれぞれ事情がある。 育児や仕事への姿勢も違っている。 そんな四組の家族が同じアパートに住むとなったら どうなっていくのか。 日中子供を一気に集めて仕事をしていない妻夫で見ればいいじゃないという人、 在宅ワークがあるので、それはやめてほしいと思う人...
四組それぞれの夫婦や家族にはそれぞれ事情がある。 育児や仕事への姿勢も違っている。 そんな四組の家族が同じアパートに住むとなったら どうなっていくのか。 日中子供を一気に集めて仕事をしていない妻夫で見ればいいじゃないという人、 在宅ワークがあるので、それはやめてほしいと思う人。 日本とは違う、韓国独自の男女の格差や仕事への姿勢、経済状況、少子化対策など、なかなか現実問題としてシビアに書かれていたと思う。
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夢未来実験共同住宅というので、「特殊な環境下の隣人達に何が起きるか?」という新たな視点を期待したのに、普通のご近所物語だった。 日本の小説で何度も読んだような内容。 映画で観る韓国女性は強くて図々しい印象だったけど、この話の登場人物達(特にジオン)は日本人とそっくり。 家賃前払い...
夢未来実験共同住宅というので、「特殊な環境下の隣人達に何が起きるか?」という新たな視点を期待したのに、普通のご近所物語だった。 日本の小説で何度も読んだような内容。 映画で観る韓国女性は強くて図々しい印象だったけど、この話の登場人物達(特にジオン)は日本人とそっくり。 家賃前払いシステムは厳し過ぎる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
韓国文学。初めて読みました。個人的に横文字(カタカナ)名前がなかなか覚えられなくて苦労しました。少子化対策という意味では日本も他人事ではない話ですが、子供を作ることを義務付ける感じで現実味はないかなと思いました。よい政策とは思えません。それと他の家庭とあまり近すぎる関係は気も使うしギクシャクしたりしんどいかなと。程よい関係、距離は必要だと思いました。
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『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による評が本の帯になっていることでわかるように、そんな本だ。しかもよくできた‥。韓国の人間関係をリアルに描いた作品のヒリヒリ感はすごい。遊びがない。日本の作家なら多少戯画化したり混ぜ返してフォローしたりするところを、高密度描写の直球で勝負してく...
『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による評が本の帯になっていることでわかるように、そんな本だ。しかもよくできた‥。韓国の人間関係をリアルに描いた作品のヒリヒリ感はすごい。遊びがない。日本の作家なら多少戯画化したり混ぜ返してフォローしたりするところを、高密度描写の直球で勝負してくる。読後感は、バッターボックスに立たされて豪速球を投げ込まれた気分。
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韓国で人口増加のために建設された実験共同住宅12戸。 安い家賃で入居できるが、それには条件があり、ある一定期間のうちに子どもを3人産み育てること。 申込者には抽選が行われ、専業主婦(主夫)がいる家庭が有利に入居できる。一定期間で子ども2人以下だと退去の対象となる。 4組の家族が...
韓国で人口増加のために建設された実験共同住宅12戸。 安い家賃で入居できるが、それには条件があり、ある一定期間のうちに子どもを3人産み育てること。 申込者には抽選が行われ、専業主婦(主夫)がいる家庭が有利に入居できる。一定期間で子ども2人以下だと退去の対象となる。 4組の家族が高倍率をくぐりぬけて入居となる。 郊外のはずれにあり、近所には幼稚園もないため、元幼稚園教諭のホン・ダニの呼びかけで各家庭から用事のない親が出て子どもたちを共同保育していくこととなる。 4家族集まって色々な取り決めが話し合われていくが、今後も毎日顔を合わせながら一緒に暮らしていくということから、嫌なことがあっても今後のことを思うと言い出せず、少しずつ我慢しながら暮らしていくこととなる。 壁が薄いため、隣の家庭の物音が聞こえたり、自分と違う生活スタイルに介入されたくない、と壁を作る者、それでは駄目だと介入していく者。 いくら共同生活、近隣仲良く暮らしていくとは言え、そこは別々の家族が集まったものなので、干渉もほどほどにしないと大変なことになるな、というのを強く感じた1冊です。 プライベートが縛られて窮屈で、それを我慢しながら生活して、どんどん泥沼にはまっていってしまう姿に息がつまりそうでした。 国のお仕着せで子どもを産めよ育てよ、ではいけません。 日本もそう。 韓国の名前に慣れていないので、何度も最初のページの入居者の家族一覧に戻りながら…の読書でした。
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フェミニズム、metoo運動と、作者は真摯に伝えたかったのだろうが、 私としては不気味な隣人たちに、韓国ドラマのような期待が膨らんでしまい、ドキドキしながら読み進めるも 最後とりたてて面白い結末ではなく。 そういう楽しみ方の本ではないので仕方ないが、 これをドロドロ韓国ド...
フェミニズム、metoo運動と、作者は真摯に伝えたかったのだろうが、 私としては不気味な隣人たちに、韓国ドラマのような期待が膨らんでしまい、ドキドキしながら読み進めるも 最後とりたてて面白い結末ではなく。 そういう楽しみ方の本ではないので仕方ないが、 これをドロドロ韓国ドラマにしたら流行りそうだなぁと思った。 それほど、私にはmetooもフェミニズムも日常から程遠い問題もなのだと改めて思った。 ある記事にも日本でいまいちmetoo運動が盛り上がらないと書いていた。 お隣の国といえど、この点かなりの違いがあるのだろうと気づきになった。
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ソ・ヨジンは、夫のチョン・ウノと一緒に新居の歓迎会に出ている。「夢未来実験共同住宅」に入居した当日。先住者の人たちから歓迎会をやるので出てきてと言われたのだ。まだ片付けものが沢山あるのに。話を聞いているとフリーのイラストレータのチョ・ヒョネ以外は、女性はみんな専業主婦のようだ。先...
ソ・ヨジンは、夫のチョン・ウノと一緒に新居の歓迎会に出ている。「夢未来実験共同住宅」に入居した当日。先住者の人たちから歓迎会をやるので出てきてと言われたのだ。まだ片付けものが沢山あるのに。話を聞いているとフリーのイラストレータのチョ・ヒョネ以外は、女性はみんな専業主婦のようだ。先住者のホン・ダニから「朝ダンナを送り出したら、女子だけでお茶しましょう、ねっ?」と言われたが、失業状態の夫の代わりに自分の方が働いているヨジンは返事をする代わりに微笑んだ…。ここは、空気がきれいで、自然が一杯の、子育てするには最適の環境と言われている国が整備した若い夫婦向けの共同住宅。少子高齢化に抗い、子供を産んで育てることを期待されている。しかし、どの家族の話も、家族、隣人、自然、共同体という温かいはずの言葉が寒々しく感じられる。
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面白かったー!! 韓国の小説は初めて読んだけど、文化的なところにはちゃんと注釈もあり、読みやすかった! 本質をつけていない少子化対策、貧富の格差、男女の 社会的な役割とジェンダー。。。 どの家族も破綻を抱えながらも、表面を取り繕い生活していく様子、テンポ感、とても好きです。
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子を産み育てることだけに役割を期待された女性たち。女性の無償労働を搾取し、彼女たちの叫びを“ヒステリック”と握りつぶす男性たち。
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