たやすみなさい の商品レビュー
読んでいたら途端に犬を抱きしめたくなってきた わたしの体温よりあたたかい犬 そういえばマイナンバーカードの登録も年末調整もなにもかもすっぽかしているけれど、岡野大嗣さんの歌をさえあれば 生活にちょっとお砂糖を盛っている気分でそれでいい
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好きだった曲を好きなまま歳とっておんなじ歌詞になんどでも泣く おろしたての憂鬱だからできるだけ光の届かない場所で履く きみのキーホルダーにまたもふもふがふえて儀式にでも使うのか 返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして これからっていうのに夏のおし...
好きだった曲を好きなまま歳とっておんなじ歌詞になんどでも泣く おろしたての憂鬱だからできるだけ光の届かない場所で履く きみのキーホルダーにまたもふもふがふえて儀式にでも使うのか 返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして これからっていうのに夏のおしまいに聴くような曲聴いてんの? いいね ⋮ 音楽にまつわる歌がたくさん。共感もたくさん。 Twitterでよく名前を見かけて気になっていた歌人だったけど、こんなに音楽を好きな人だったのだなと初めて知った。 くだけた言葉遣いが心地よくて楽しかった。 まるで友人が話しかけてくれてるような。 こうやって気に入った歌を書き連ねてみると、貸してくれたしほちゃんの言葉のようにも見えてくる。 なんか、言葉遣いが似ている気がして。 素敵な本、貸してくれてありがとう。
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寝る前にそっと読み返したくなる ふふっとなったり、(わかるなぁ)と頷いたり、なんだか懐かしくなったり。私も、私の聴く音楽こそが素晴らしいと思いながら歩く夜が好きです
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寝る前に何度でも読みたい短歌集。 私にとっての短歌は、いつもしまい込んでいて思い出すことのない、でもとっても大切な記憶を代弁し、引っ張り出してくれるもの。 本当に私の記憶だったのか分からないものも含まれていたりするけれど、何回も懐かしい気持ちになった。 パーカーの絵文字をさ...
寝る前に何度でも読みたい短歌集。 私にとっての短歌は、いつもしまい込んでいて思い出すことのない、でもとっても大切な記憶を代弁し、引っ張り出してくれるもの。 本当に私の記憶だったのか分からないものも含まれていたりするけれど、何回も懐かしい気持ちになった。 パーカーの絵文字をさがすパーカーが届いてうれしい気持ちのために もう何もないだろうけど文庫本の残りページの薄さを撫でる おろしたての憂鬱だからできるだけ光の届かない場所で履く たった今うれしい夢を見ていたようれしかったのだけはわかるよ
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わたしにとって世界一の歌集。 装丁ももちろん内容も全てがやさしくて勇敢で本当に好きです。 31字にはめ込んでつくった詩というより、気持ちや考えていることを書き出したら偶然31字だったのではないかと思えるくらい自然で、等身大で、美しい。 中には、(まだ)わたしにはその情景や心理が心...
わたしにとって世界一の歌集。 装丁ももちろん内容も全てがやさしくて勇敢で本当に好きです。 31字にはめ込んでつくった詩というより、気持ちや考えていることを書き出したら偶然31字だったのではないかと思えるくらい自然で、等身大で、美しい。 中には、(まだ)わたしにはその情景や心理が心からは分からない詩もある、だからこれからも読む。気に入っている詩も、生きていくうちに自分の中でイメージを鮮明にしたい詩も、これからも読みます。 短歌で泣いたのは初めてでした。 (昨年夏に購入)
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買おうか迷ってパラパラとめくっていたとき、目にとまった一句でこれ、買いだ。と即決です。 〈人間はしっぽがないから焼きたてのパン屋でトングをかちかち鳴らす〉 鳴らす人は多いけれど、威嚇されてると思って嫌な気持ちになっていた私です。 これを喜びに満ちた風景に変えてくれるなんて…!...
買おうか迷ってパラパラとめくっていたとき、目にとまった一句でこれ、買いだ。と即決です。 〈人間はしっぽがないから焼きたてのパン屋でトングをかちかち鳴らす〉 鳴らす人は多いけれど、威嚇されてると思って嫌な気持ちになっていた私です。 これを喜びに満ちた風景に変えてくれるなんて…! 岡野さんの感性を少しわけてもらい、豊かな気持ちで眠りにつくのが日課になりました。
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岡野大嗣さんの第一歌集『サイレントと犀』と一緒に購入しました。『サイレンンと犀』は疲れたときに読んだと書いた気がしますがこちらの 『たやすみなさい』も疲れていたので読みたくなりました。 こういう、表紙だけ見つめていてなごむ歌集(もちろん中身もですが)があるのは本当にありがたいです...
岡野大嗣さんの第一歌集『サイレントと犀』と一緒に購入しました。『サイレンンと犀』は疲れたときに読んだと書いた気がしますがこちらの 『たやすみなさい』も疲れていたので読みたくなりました。 こういう、表紙だけ見つめていてなごむ歌集(もちろん中身もですが)があるのは本当にありがたいです。 黒い表紙に銀色の星空の絵が描いてあるのですが、銀色の絵が電気の光に当たると、青色に輝いてとても綺麗です。 中身ともども、疲弊した神経が癒されました。 <たやすみ、は自分のためのおやすみで「たやすく眠れますように」の意> <憶えてる中でいちばん鮮やかな春はフィルムのにおいに満ちて> <あやとりの最後をかざすようにして車窓に海が広がってゆく> <降ってない中を差してた傘とじてミュージカルなら踊り出すとこ> <ポケットに入れた切符がやわらかくなるまでひとり春を寝過ごす> <もうだれも春だとは思わない夜を夏だとも思わずに歩く夜> <しろたえのふとんのなかでとびきりの宇宙遊泳みたいな二度寝> <フレンチクルーラーの空気は新緑の季節がいちばんの食べごろさ> <五月には求める犬にだけひらく十一月への抜け道がある> <昔のミスドでかかってたたようなオールディーズを聴きたいな昔のミスドのあの空間で>
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この方の感性をもって生きていけたら素敵だろうなあと思う日常の切り取り方がいっぱいでした。何かを良いなと思うこと、遠い誰かの助けになりたいと思うことなど、ほんの些細な感情の動きが鮮やかに表現されています。難しいことを言わなくても自分が見たものを見た通り伝えられるという、素晴らしい能...
この方の感性をもって生きていけたら素敵だろうなあと思う日常の切り取り方がいっぱいでした。何かを良いなと思うこと、遠い誰かの助けになりたいと思うことなど、ほんの些細な感情の動きが鮮やかに表現されています。難しいことを言わなくても自分が見たものを見た通り伝えられるという、素晴らしい能力をお持ちだと思います。歌集全部買って読みたいな…
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昨夜、この歌集を途中まで読んで眠った私は、夢に岡野大嗣さんを出演させてしまった。 よくコラボしている同じく歌人の木下龍也さんとともに、実家に遊びに来たという設定。 おふたりと一緒のこたつに入らせてもらっていたが、緊張でお顔が見れず、岡野大嗣さんがゲームボーイでピコピコやっている音...
昨夜、この歌集を途中まで読んで眠った私は、夢に岡野大嗣さんを出演させてしまった。 よくコラボしている同じく歌人の木下龍也さんとともに、実家に遊びに来たという設定。 おふたりと一緒のこたつに入らせてもらっていたが、緊張でお顔が見れず、岡野大嗣さんがゲームボーイでピコピコやっている音と、木下龍也さんが眠る寝息の音を聴いていた。 その後、寿司を取り、食べたあと、おふたりは帰っていったーーー、という世界一どうでもいい夢の話なのだが、どうしてこんな話をしたかというと、その夢を見て、目が覚めたあとの何とも言えない幸福感が、この歌集を読んでいる時の幸福感とそっくりだったからだ。 胸の心臓のあたりに、あたたかく、ふわふわしたものが、留まっている。 幸せなんだけど、それがいつか消えてしまい、「いつもの感じ」が戻ってくるのを、経験的に知っている。 忘れたくない、と心から願う。 読者のその気持ち、その場面を掘り起こす、または、帯の国府達矢さんの言葉を借りれば「捏造してくれる(とてもあたたかく)」。 この歌集に出てくる、TSUTAYAもイオンも永遠ではない。 そして私(たち)も「100年持たない肺」(岡野大嗣さん)を持っている。 [二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ]岡野大嗣『たやすみなさい』 タイトルの『たやすみなさい』とは、「たやすく眠れますように」という自分のためのおやすみの意味だそうだ。 おとなもこどももおねーさんも。 たやすみなさい。
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過ぎ去った時間の合間をなめらかに縫ってくれるような本。 あの情景が、あのざわざわした心が、また沸き立ってくるような。
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