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戸惑う窓 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/07/03

スっとおちてくるコトバが沢山並んでいた。 私は海外文学が苦手なのではなく、カタカナが苦手なんだろうなと思った。 カタカナの名前が入ってきにくくて、漢字はその中にも意味があるのだし想像ができるのだからな、、、

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2021/09/28

堀江敏幸が見てきた絵画、映画、詩、小説、そして個人的出来事などが堀江の筆で再構築される。提供された文章を味わい、時には新しい画が頭の中に浮かぶ。幸福な追体験。そこに介在するのが「窓」。窓から見る風景だったり、足を踏み出すも戻ってしまう境界のような役割だったり、あるいは窓そのものの...

堀江敏幸が見てきた絵画、映画、詩、小説、そして個人的出来事などが堀江の筆で再構築される。提供された文章を味わい、時には新しい画が頭の中に浮かぶ。幸福な追体験。そこに介在するのが「窓」。窓から見る風景だったり、足を踏み出すも戻ってしまう境界のような役割だったり、あるいは窓そのものの形状だったり、様々な「窓」が出てくる。題にも「まど」が二つある。ここまで「窓」というものを意識して書を読んだりすることはなかったのでその存在に改めて不思議な思いもした。お気に入りはパリで体験した工事中の宿の一章。私も読書・PC用の眼鏡をかけ替えるのを忘れたり面倒くさくてそのままにしてたりしてぼんやりとした世界で突然戸惑うことがある。印象的なのはフィレンツェで迷子になりかけた際の、ちょっとホラーめいた体験。NIKEがナイキとニケで変わってくるという指摘も含めて。引用された作品も気になるものが多く、田村隆一の「緑の思想」は詩集もそのひとつ。 堀江が子供の頃自分の部屋にしか窓がない家に住んでいたというくだりに?と思ったが、神殿コロロの近所の家はほとんどそんなだったことを思い出した。おそらく南側に面したところは窓というよりガラスが入った引き戸サイズだったのではないか。 残念なのは単行本と表紙デザインが変わっていること。文庫版の表紙も悪くはないけど、単行本の間村俊一のものも活かして欲しかった。

Posted byブクログ

2020/05/10

建築物にある様々な窓、絵画の中にある窓、詩や文学作品の中にある窓、写真の中にある窓……様々な窓を覗き、その中、或いはその窓自身から外を眺める景色を静かな文章で綴った散文集。窓は只、光を取り入れたり、換気のためだけにあるものではない。窓枠を額縁として新たな景色を見るために、または内...

建築物にある様々な窓、絵画の中にある窓、詩や文学作品の中にある窓、写真の中にある窓……様々な窓を覗き、その中、或いはその窓自身から外を眺める景色を静かな文章で綴った散文集。窓は只、光を取り入れたり、換気のためだけにあるものではない。窓枠を額縁として新たな景色を見るために、または内と外、世界を分ける境界線でもあることに本書を読むと気付かされる。人間にも立派な窓が2つある。眼だ。それはある時にはカメラ・オブスクラともなる、高性能な窓。窓と窓が出会った時、何か新たな世界が見える予感がする。

Posted byブクログ

2020/03/29

「窓」をキーワードに、日欧の小説・詩・絵画・写真などを読み解いていくエッセイ集。 THE・堀江敏幸。アンドリュー・ワイエスの風景画、シャルトル大聖堂の薔薇窓、マチスが描いたノートル・ダム、タルコフスキーが撮ったポラロイドなどを画像検索しながら読むうちに、本書で語られる「窓」と...

「窓」をキーワードに、日欧の小説・詩・絵画・写真などを読み解いていくエッセイ集。 THE・堀江敏幸。アンドリュー・ワイエスの風景画、シャルトル大聖堂の薔薇窓、マチスが描いたノートル・ダム、タルコフスキーが撮ったポラロイドなどを画像検索しながら読むうちに、本書で語られる「窓」とは何か、というイメージが少しずつ形を成していく。なかには無理やり窓にこじつけているように思える章もあるが、キャンバスに絵を描くこと自体、カメラのファインダーを覗くこと自体、小説を書くこと自体、あるいは目でものを見ること自体が「窓」によって世界を切り取ることでもあるとしたら、この枠のなかではどんなことでも語られうるのだろう。

Posted byブクログ

2020/01/15

覗かずにはいられない。大聖堂の薔薇窓、木造家の古窓……マチスは闇を、プルーストは不思議な絵画を見いだした。世界を一変させた「窓」を訪ねる二十五篇。

Posted byブクログ

2019/10/23

『窓』をテーマにした散文(堀江敏幸に関してはエッセイと言わず、散文と言いたい)。 窓から見える様々な景色がここでは描かれているが、本書で表現されているのは、『見る』という行為の本質なのではないか……ということを読んでいる間中、考えていた。

Posted byブクログ