信長家臣明智光秀 の商品レビュー
これを読めばわかる人間明智光秀像
近年の織田信長論で有名な金子氏の著書はすべて読んでいるが他の著者と違うのはまず史料の性質から書かれている内容を整理しているので信頼してもいい。1-3章光秀と関わる義昭藤孝兼見の人間関係を様々な史料から暴く。4章光秀の書状を読んでその繊細な性格からこの時期の光秀の内心を読み解く。こ...
近年の織田信長論で有名な金子氏の著書はすべて読んでいるが他の著者と違うのはまず史料の性質から書かれている内容を整理しているので信頼してもいい。1-3章光秀と関わる義昭藤孝兼見の人間関係を様々な史料から暴く。4章光秀の書状を読んでその繊細な性格からこの時期の光秀の内心を読み解く。これまでにない見解を示している。5章光秀の丹波攻めに関しての光秀の動向と事績を事細かく追う。終章金子氏が論じる本能寺の変はあえて省略する。新説を出さなかっただけで評価したい。こればかりはわたしなりの持論もあるので個人的な考えの違いもある。 その本能寺の変の説は増えに増え続け新説の類は近年更に複雑化している有様、これら本能寺の変を歪曲し複雑化しているのは誰なのかお考えいただきたい。これまで訳の分からないデタラメな軍記やら明智系図から探りなんの根拠もなく光秀の出自をむりやり暴こうとしてる筆者方々は単に新説作りの虚実だけの"実体がない明智光秀"の本しか書けないのである。これではまったく参考にはならない。 よって時系列で明智光秀の説明が必要だと言う人には合わない。美濃時代であったと思われる土岐氏に仕えていた明智一族の事柄は省略しているからだ。だが義昭が上洛してからの明智光秀の足どりは事細かく書かれており良質な史料の"本質"を見抜く金子氏の着眼点と洞察力は他の関連本より信頼できる。近年では珍しく内面における人間明智光秀像に迫っているのは間違いない。 http://wix.to/9cCCBHY ー まだ誰も書かれてない本能寺の変の持論を載せた。とは言っても動機というか経緯なら証拠を掴んでいるからである。興味あるかたは一読ご覧くだされ。
sengoku
確かな記録が無いので、玉石混交の残された資料から類推するしか無いからこそロマンがある。 謎が多い明智光秀なだけに、色々語られてきたが、本作は比較的論理的に説明がされている。 それでも謎は謎。
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https://kinoden.kinokuniya.co.jp/shizuoka_university/bookdetail/p/KP00032383/
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NHK大河ドラマに便乗して出版される歴史本は、玉石混交というより大半が「石」だが、厳密な史料批判と研究史を踏まえた本書は数少ない「玉」であろう。著者がアカデミズムの正規のルートを経た専門の歴史学研究者であるから、というだけではもはや信用ならない嫌な御時世だが(実際本書の著者と同...
NHK大河ドラマに便乗して出版される歴史本は、玉石混交というより大半が「石」だが、厳密な史料批判と研究史を踏まえた本書は数少ない「玉」であろう。著者がアカデミズムの正規のルートを経た専門の歴史学研究者であるから、というだけではもはや信用ならない嫌な御時世だが(実際本書の著者と同じ勤務先の別の研究者は、最近すっかり商業メディアに毒されおかしくなっている)、本書は原則一次史料(文書や日記)に即して、不明な点は深追いせず、確実に判明した史実から明智光秀の人物像や歴史的位置を慎重に考察している。光秀は同時代では例外的に病気や怪我を気遣う内容の書状が多いという指摘など興味深い。ただし「本能寺の変」に関しては二次史料を多用した「怨恨説」の焼き直しで疑問が残る。
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当時の書簡や記録から明智光秀の実像を浮かび上がらせている。小説やドラマからイメージしていた戦国武将の姿がよりリアルになったように感じる。大河ドラマ「麒麟がくる」を観るのが、また楽しみになってきた。
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明智光秀について史料に基づいて忠実に書かれているという点では評価に値するが、私が求めていたのとは若干異なっていたのでこの評価に。 でも、明智光秀が織田信長の家臣としてどのような働きをしていたのかはよくわかった。
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