建築のあたらしい大きさ 新版 の商品レビュー
いま環境にある雲や森などの大きな「もの」と我々の身の回りの「もの」とのスケールの差を比較し、そこに建築の新たな可能性を探す実験的な本。 要約 自然を構成する要素と同じスケールで建築を考えた時、我々のスケールは本当に小さい。それは当たり前の事で自然には物理法則が存在し、それを...
いま環境にある雲や森などの大きな「もの」と我々の身の回りの「もの」とのスケールの差を比較し、そこに建築の新たな可能性を探す実験的な本。 要約 自然を構成する要素と同じスケールで建築を考えた時、我々のスケールは本当に小さい。それは当たり前の事で自然には物理法則が存在し、それを超越することは不可能である。しかしその自然のスケールと同じように考えることができた時、それは物理法則の中で考えられる建築の限界だろう。その時初めて隔たりが無くなり、自然と建築とが対等な関係となり、それは自然として扱われる。実際に我々は自然を風景ないしは空間として捉えている。もし自然と建築が対等になった時、我々は空間を構築するという行為の臨界に辿り着くのかもしれない。 本文引用 『建物が高くなるとある時から距離という概念に変わり、距離がさらに離れると時間という概念に変化する。いつかそういうスケールで建築を考える日が来るのだろうか。』 自然のダイナミックさを感じ、周囲の物が本当に小さな物なのだと感じた。現実世界を俯瞰して見ているような気がして不思議な感覚に陥った。 もしこのスケールで建築を考えられた時、我々はどんな文明を築き上げているのだろうか…。かなり遠くの未来を考えているような気がする。
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