イノベーターズ(Ⅰ) の商品レビュー
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この本のここがお気に入り 「何百年も工事が続くなかで、新たな職人が来てはレンガを積み増し、こう言うのだ‐「大聖堂を作ったのは私だ」と。でも、その翌月には別の職人が来てまたレンガを積み増す。そのあとに歴史家が現れ、この大聖堂を建てたのはだれなんだ?とたずねる」
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コンピューターの技術史だが、チームワークに焦点を当てている点がユニーク。 情報処理に電気回路を利用したのは、アメリカの国勢調査局局員が、国民の特徴を12行24列のパンチカードで記録して集計したのが始まり。この局員が創業した会社は、吸収合併を繰り返したのちIBMとなった。 19...
コンピューターの技術史だが、チームワークに焦点を当てている点がユニーク。 情報処理に電気回路を利用したのは、アメリカの国勢調査局局員が、国民の特徴を12行24列のパンチカードで記録して集計したのが始まり。この局員が創業した会社は、吸収合併を繰り返したのちIBMとなった。 1937年、アラン・チューリングは「計算可能な任意の数列を計算できる機械をつくり出すことができる」と宣言して、のちにチューリングマシンと呼ばれるようになった。クロード・シャノンは、ベル研究所で電話交換回路を目の当たりにして、90年前にジョージ・ブールが体系化した論理演算を電気回路で行えば、多数のリレーと論理ゲートからなる回路を設計することで、複雑な数学的計算を実行できると考えた。 1943年、イギリス政府はドイツの軍用暗号の解読を始めた。エニグマの暗号文は、チューリングのチームが開発したボンプによって解読され、重要文書に用いられた別の暗号文は、マックス・ニューマンのチームが開発したコロッサスによって解読された。コロッサスは、完全に電子式で2進法を採用していたが、暗号解読に特化したもので、プログラミングにも制限があった。 アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、ジョン・モークリーとプレスバー・エッカートは、様々な条件を考慮した大砲の弾道を短時間で計算する電子式数値積分計算機(ENIAC)の開発資金を得て、1945年に完成した。ENIACは完全に電子式で、ケーブルの抜き差しでプログラミングが可能で、どんなタスクにも対応できる汎用型のマシンであり、のちのコンピューターの基礎になった。 1945年、フォン・ノイマンは、プログラムの実行中にも命令を切り替えられる可変アドレス式のプログラミング言語を考案した。ENIACをデータとプログラムを内蔵型メモリーに格納して書き換え可能に改良した電子式離散変数自動計算器(EDVAC)では、2進法が採用された。 プログラミングでは、モークリーとエッカートの下で女性が活躍した。ベティ・スナイダーはCOBOLとFortranの開発に携わった。1952年、グレース・ホッパーが符号と数式でできたコードを機械語に変換するコンパイラーA-0を完成した。
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スティーブ・ジョブズと同じく、ハガティは現実歪曲フィールドを展開し、不可能と考えていることまで達成するように人を動かす力を持っていた。 人を駆り立てる力、意欲を煽って使命感を共有し、届かないだろうと思われる目標まで人を引っ張っていくことだ。
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インターネットが登場するまでの物語?歴史?。 正直な話、初期の数学の話はさっぱりわからないが人間性もよくよく記載されているので途中で投げ出すようなことはなかった。
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上下2冊本。副題が「いかにしてハッカー、天才、ギークはデジタル革命を創り出したか」であり、コンピュータ、ソフトウェア、インターネット、ウェブが生まれてきた歴史を概観するのに最適な書物。正確性を求めるあまり詳細すぎる部分もあり、特に前半部分は読みにくい。実際、何度も挫折。ただし読了...
上下2冊本。副題が「いかにしてハッカー、天才、ギークはデジタル革命を創り出したか」であり、コンピュータ、ソフトウェア、インターネット、ウェブが生まれてきた歴史を概観するのに最適な書物。正確性を求めるあまり詳細すぎる部分もあり、特に前半部分は読みにくい。実際、何度も挫折。ただし読了すると、コンピューターと人間の共生、(決して突然・偶発ではなく)前世代の遺産を引き継いでイノベーションが起きていること、新発想はチームで起きていることなど、多くの教訓が得られる。頑張って一読したい一冊。あとでジワジワ来る。
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コンピュータやインターネットは「誰が作ったのか」を追ったノンフィクション。本書はパート1にあたり、コンピュータ・プログラミング・トランジスタ・マイクロチップから インターネットまで、それぞれのイノベーションを牽引した人物(チーム)の歴史が描かれる。これらのイノベーションは1人の人物が作ったとは言い難く、そのほとんどがコラボ レーションから生まれた奇跡であることが分かる、それらは人間の歓喜・憎悪・嫉妬など様々な感情渦巻く歴史であり濃密な物語として楽しめた(パート2も読んでみたい)。
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コンピュータの歴史をまとめた本で、上巻は19世紀からインターネットの誕生までになります。 イノベーションには傑出した個人の才能だけではなく、ハード面なども含めてチームとして対応する必要があることがよくわかります。 大学で情報関連や数学、物理あたりを教育する場合には、こういった歴...
コンピュータの歴史をまとめた本で、上巻は19世紀からインターネットの誕生までになります。 イノベーションには傑出した個人の才能だけではなく、ハード面なども含めてチームとして対応する必要があることがよくわかります。 大学で情報関連や数学、物理あたりを教育する場合には、こういった歴史も併せて教えると、教えられる側も見方が変わってくるんじゃないかと思います。
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生活の中でITに触れない瞬間は、今では殆ど存在しないのではないだろうか。 たかだか30〜40年前にはそもそもパーソナルですらなかったコンピュータが、今日では手のひらの中に収まる。 その当たり前を当たり前じゃない状況から紡いでいったイノベーションの歴史が、ここにはある。 さすがアイ...
生活の中でITに触れない瞬間は、今では殆ど存在しないのではないだろうか。 たかだか30〜40年前にはそもそもパーソナルですらなかったコンピュータが、今日では手のひらの中に収まる。 その当たり前を当たり前じゃない状況から紡いでいったイノベーションの歴史が、ここにはある。 さすがアイザックソン、読み物としても十二分に面白い。そしてイノベーションには優れたチームと傑出した個人の才能どちらも必要であるということが痛いほどよくわかる。 コンピューターサイエンスを学ぶ際には、こういった物語も併せて学べるとよいなと感じた。
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p.369 人文科学と自然科学の交わりがイノベーションを生む p.377 本書の多くの章は、クラウドソーシングで提案や訂正を募集した。ミディアムが一番よかった。
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