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いちばん悲しい の商品レビュー

3.8

23件のお客様レビュー

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2025/01/13
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面白いと聞いて読んでみた。 こんな名作があったなんて、知らなかった! ミステリでありサスペンスであり、女という生き物のドラマ。 雨の日の夜、路上で戸沼暁男という男性が、背中を複数刺され殺された。 家庭を持ちながら、その男性は「高橋彰」と偽名を名乗り不倫をしていた。 不倫をされた妻「戸沼杏子」、不倫相手の「佐藤真由奈」、事件を追う女刑事「我城薫子」の3人視点で物語は始まる。 半分くらいまではザ•イヤミスという感じで、読んでいてキツイ部分もありましたが、後半に入ると一気に伏線回収に向かい、点で点が繋がっていきます。 途中から、キャンプで娘を失った「渡瀬川瑠璃」が登場し、一見何のつながりも見えない複数の事件が、あれよあれよと交錯していきます、凄かった… ミステリとしてとても楽しめましたし、登場人物が魅力的で、何より心震わされる箇所が多かった。 温度の低い女刑事の我城、昭和パワハラ中年刑事の梶原のペアがめちゃくちゃ良かった。 渡瀬川瑠璃の、自分の娘を守るための覚悟の決まった立ち振る舞いは、強すぎて恐ろしさすら感じました。 ラストシーンの、妹の葵がタイムカプセルに書いてあった「こんど生まれたらお姉ちゃんのあかちゃんになれますように。」という封筒を瑠璃が読むシーン。 悲しいともまた違う、なんともいえない心に残滓が残るこの感じ… まさきとしかさんは改めて凄い作家さんだなと改めて思いました。 2025年読了本のベスト1の可能性あり。

Posted byブクログ

2025/01/07
  • ネタバレ

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まさきとしかだなぁ…。 イヤミスと知って読み、イヤミスはイヤミスなんだけど、嫌な話だったな、で終わらない切なさがある。ホワイダニットの名手。大好き! 冴えない中年サラリーマンが殺害され、捜査線上に上がる女たち。 浮気相手(彼女は何も知らずただ恋愛してただけなので被害者は被害者)の佐藤真由奈がいちばんきつい。妄想ちゃんの痛い女。あっちゅん… 被害者の妻杏子は、最初からそんなに嫌悪感を抱かず。ある意味いちばん可哀想かな。単純に被害者。女としての愚かな自分と、母としての強い自分に気づいて、まっすぐ自分の道、家族の道を再生していってほしい。 事件のキーマン渡瀬川瑠璃は、わたしはいちばんかっこいいなと思ってしまった。怖いけど。強い意志と深い愛情を感じた。 真犯人の山本葵(瑠璃の実妹)は、サイコパスとはまた違う、子供の頃から成長を止めた、純真で凶暴な動物。いちばん真っ直ぐで、いちばん危険。愛を欲し、迎えた最期はとても悲しいものだった。 最後に姉が幼い頃の妹が書いた手紙を読むシーンがすごく切なかった。まあ、こんな妹絶対愛せないけどね!やばすぎ!笑 ストーリーテラーとして機能している我城薫刑事は、冷めた女として描かれているけど、警察天職だよね。情熱と冷静を兼ね備えたなかなか好きなキャラクターでした。薫刑事のシリーズあるのかな?

Posted byブクログ

2025/01/05

序盤中盤ドロドロした話で、終盤また別角度での展開があります。 ちょうど先月真梨幸子さんの作品を読んでましたので、女性同士の色んな負の感情をこの作品でも味合うことが出来ました。

Posted byブクログ

2024/10/22
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最近読み終わるとまた楽しみが減ってしまった、、とまで思うまさきとしか作品。 女性特有の、一番悲しいのは私、可哀想な私、が複数視点で最初から最後まで続くかんじ。 悲しみの度合いなんて人それぞれなのに、人と比べて、自分が自分がってなる心理、すごいわかる。 めずらしく性的な描写があって、女としての自信と、事後、事件のことを聞かれて、結局この人もみんなと同じだ、って思った瞬間、突然相手の歯についた青のりが目につくようになって、急に冷めるっていう女性らしい心理状態の揺らぎがうわ〜リアルだなって思った。 とくにすごいなって思ったのは、杏子が洗い物するときの「洗ってもまた汚され、また洗い、また汚され、永遠に続けなければならないのだ。食事の支度だってそうだ。つくってもつくっても子供たちは際限なく食べ、もっともっとと貪欲に要求する。どうして汚れるものを洗い、なくなるものをつくらなければならないのだろう。無意味じゃないか。自分の一生を食い潰される気がした。」っていう表現。 私の思っていたことが文章化されている..!と衝撃。 母性と性。終わり方のゾクっとするイヤミス。あー面白かった!

Posted byブクログ

2024/04/12
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面白かった一気読み マユカのその後気になるけど あっちょんのことはただのおっさんってことで目覚めたのか? 戸沼家も丸く納まってるっぽいけど杏子が目を覚ましたから史織も優斗も丸くなったってことでおっけー? 葵が哀れで可哀想だけど疎まれるよな〜とも思う。 みんな必死で生きてるが割と男陣がゴミばっか 読みやすかった 他も気になる

Posted byブクログ

2023/10/18
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図書館にて。 インスタでおすすめされていたので読んでみた。 ものすごく嫌な感じ。 なんだこれはという感じ。 もっとどうにか、なんとか、誰かどうにかならなかったのか? 最も優しくないこの世界のありようを突き付けられた感じ。 深く考えることを放棄したくなるような、でもきっとみんなそうだったからこんなことになった、でもどうすればよかった?とぐるぐる考えてしまう。 とりあえず、本当に残酷だ。 そしてどっかでこういうことが簡単に、起きていそうなこの世界で、本当に本当に絶望感が残る。

Posted byブクログ

2023/08/12

雨の中、滅多刺しにされて殺された戸沼暁男。 浮気相手で婚約する予定だったという佐藤真由奈。 戸沼暁男の妻である杏子。 その娘の史織、息子の優斗。 梶原と我城が捜査を始めるが…。 みんながみんなタイトルのとおり、いちばん悲しいと思っていて、同級生に唆されたり、職場の人に唆された...

雨の中、滅多刺しにされて殺された戸沼暁男。 浮気相手で婚約する予定だったという佐藤真由奈。 戸沼暁男の妻である杏子。 その娘の史織、息子の優斗。 梶原と我城が捜査を始めるが…。 みんながみんなタイトルのとおり、いちばん悲しいと思っていて、同級生に唆されたり、職場の人に唆されたり、姉に唆されたり。 一年前にあった事故で女の子が亡くなっていて、その母親である渡瀬川瑠璃がとにかく怪しいのなんの。 たった一言が人を殺めてしまう時もある。 たった一言で殺人を犯してしまう人がいる。 本当に、いちばん悲しいのは誰だったのかな。 戸沼暁男を殺した犯人だよね、きっと。

Posted byブクログ

2023/07/05

ドロドロの泥沼から引っ張り出した、腐りかけた泥塗れの縄が、それでも千切れずにズルズルと引き出され続けてる感じの小説だったなぁ…。 あ、結構好きだったりしますけどwww

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2023/01/15

大雨の夜滅多刺しで刺された男。 何故、彼は殺されなければならなかったのか? 犯人は誰なのか? 彼の妻子、愛人、交友関係。 みんな怪しそう。 この小説の中の女性たちに共通するのは 「自分がいちばん可哀想」と思っていること。 自分が一番辛い、自分は悪くないのにという感情からは、...

大雨の夜滅多刺しで刺された男。 何故、彼は殺されなければならなかったのか? 犯人は誰なのか? 彼の妻子、愛人、交友関係。 みんな怪しそう。 この小説の中の女性たちに共通するのは 「自分がいちばん可哀想」と思っていること。 自分が一番辛い、自分は悪くないのにという感情からは、幸せは生まれない。

Posted byブクログ

2023/01/10

いつも通り、犯人を予想しながら読む。 思わぬところから斜めに切り込んでくるパターンでした。 おわりはきれいめにまとまってたかな。 母は我が子の幸せを願っている。 子どもの幸せが自分の幸せであり そのために努力することはすなわち自分のためなのである

Posted byブクログ