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最後の一文 の商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2021/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著名な小説50作品の、冒頭と最後の一文を並べ、その小説あるいは作者の本質に迫ろうという作品。そう、小説を書こうと思ったとき、一番重要視するのが書き出しというのが一般的な考え方だけれど、最後の一文を最初に考えて小説を書いていくというのも一つの方法としてはあり得る。 類似した作品に斉藤美奈子『名作うしろ読み』というのもあるそうなので、機会があればそちらも読んでみたい。 ちなみに、読み終えて気づいたのだが、本書は笠間書院発行だ。大学・大学院時代に大いにお世話になった出版社である。

Posted byブクログ

2020/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

普段、小説を読む時、最初の一文は印象に残るけれど、最後の一文は何故か印象に残らない。 小説の大事な"オチ"の部分であるはずなのに。 本作品は最初の一文と最後の一文を並べて、その作品の内容を解説したもの。 読んだことのある小説も幾つかあって、やはり最初の一文はなんとなく覚えているのに、最後の一文は、言われてみればそうだったかも…くらいの記憶でしかないのが情けない。 中でも面白かったのは、太宰治と森見登美彦さんの『走れメロス』。 両者のそれぞれの一文を比較すると森見さんの面白さが倍増になった。 川上弘美さんの『センセイの鞄』の最後の一文は、ツキコの寂しさがよく表現されていて切なくなった。 吉本ばななさんの『キッチン』は、本文中ずっと"台所"と表現していたのに最後だけ"キッチン"としたところ。 私も以前から不思議に思っていたので、出て来て嬉しかった。 あと、川端康成の『有難う』は最初と最後が全く同じ一文で驚いた。 川端康成のことだから敢えて同じ一文にしたのだろう。 『有難う』は是非とも全文読んでみたい。

Posted byブクログ

2020/02/11

最初の一文はクイズにも採用されるほどド定番中の定番。でも最後の一文には着目すらしたことなかった。しかも名作ほど両者が巧妙につながっているから面白い。いわゆる読後感ってそこから来るのかも。

Posted byブクログ

2019/11/05

最後の1文は、作品にとって、どんな意味があるのかを50の作品で語ったのが本書である。読んでない本も多く、当然、解説が腑に落ちない部分もあった。最初と最後の1文と解説のみでは、当然、そうなるのです。企画は最強なれど、改善点がありそうな出来に少し落胆気味である。それでも、最後の一文か...

最後の1文は、作品にとって、どんな意味があるのかを50の作品で語ったのが本書である。読んでない本も多く、当然、解説が腑に落ちない部分もあった。最初と最後の1文と解説のみでは、当然、そうなるのです。企画は最強なれど、改善点がありそうな出来に少し落胆気味である。それでも、最後の一文から見えてくる。作品の以外な一面、著者の知識と視点はとても楽しく、作品世界を深めるのにとても役立った。私にとっては良い本でありました。

Posted byブクログ