わたしたちの心 の商品レビュー
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裕福な階級のマリオルが年下のビュルヌ夫人に美しいわたくしのための文化人・教養人サークルに入れられた上に魅了され恋焦がれる話。 つまりビュルヌ夫人は今で言う◯◯サーの姫でございました。本当に。 マリオルも最初はみんな骨抜きだけど俺は騙されない…な感じでいたのに結局ビュルヌ夫人に魅了されちゃって、なんならなんで俺の思い通りにならないんだ!こんなにも俺は思っているのに…!!!となる。 ビュルヌ夫人が最悪な女だと思っているならさっさと見切りをつけて離れればいいのになかなかできずにうだうだしているのはちょっとリアルかも。 あと、おまいらを足して二で割った女がいたらいいのに〜な思考も面白かった。 でもわかるよ〜。夫人も実際厄介な性格だと思ったし、そういう人を好きになると苦労しますわよね。 ただ自分がしてやられたからと言って他の人を酷く扱うのは本当に良くないと思った!! 結局ビュルヌ夫人もマリオルも心が美しくないのかもしれないね〜。 でもまさに題名わたしたちの心に違わぬ作品だったな〜。 マリオルの別荘にヘリオトロープが植えられていて、ギリシャ神話にはアポロンに恋焦がれたクリュティエがヘリオトロープになる話があるのでおお〜!?と思ったりしました。もし違ってたら教えていただけるとhappiness。
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長編。社交界の夫人に翻弄される男の話。 衝撃的などんでん返しこそないが、最後のシーンの男を見て、いやお前もそうなるんかいと突っ込みたくなる。 日本文学でもとりわけて自然主義文学が好きなのはきっとモーパッサンのおかげ。
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1890年作。モーパッサンの遺作だという。 吉田精一が戦後の永井荷風の短編について、「全くモーパッサンの骨法を以て終戦後の世相を描いたもの」と評したことを知り、モーパッサンなんて三十数年前、高校時代に新潮文庫のを(古本含めて)数冊読んだきりで、どんな感じだったかな? と思い、...
1890年作。モーパッサンの遺作だという。 吉田精一が戦後の永井荷風の短編について、「全くモーパッサンの骨法を以て終戦後の世相を描いたもの」と評したことを知り、モーパッサンなんて三十数年前、高校時代に新潮文庫のを(古本含めて)数冊読んだきりで、どんな感じだったかな? と思い、近年邦訳の出たこの長編を買ってみたのである。しかし吉田精一の言っていたのはきっとモーパッサンの短編のことなので、素直に新潮文庫の短編集を読み返せばよかったのだろう。 しかし、本書はとても面白かった。パリの社交界における若い男女の恋愛ゲームを描いて、なかなかに深みのある心理描写が充実しており、心理小説として優れている。 読んでみて、モーパッサンにはこんなに風景描写があったっけ? と思うくらい、情景描写が丁寧に展開されている。短編ではそんなに風景について長々とは書かないだろうから、これは長編での特徴かもしれない。 恋愛ストーリーとしては、この矛盾状態はこのあとどうなるの? と気になるような終わり方で、幸せなハッピーエンドではない。いかにもよじれてしまった男性の恋愛心理を浮き彫りにしているあたりが、モーパッサンっぽいのかもしれない。 モーパッサンの短編集なども読み返してみたい。
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笠間直穂子(翻訳):國學院大學外国語文化学科准教授。 ※國學院大學図書館 https://opac.kokugakuin.ac.jp/webopac/BB01673953
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恋愛をゲームのように捉える女に失望、敗北し、街を去る一人の男。。。体裁はそうだが、作者の意図としては、残酷で愚かで不感症で不幸で哀れな女、というディスり。紙ヤスリのようにザリザリくるのよ。ある日の逢引で女は言う。寒いし体調が心配なので今日はもう帰らせて。男は悟る。いーや、こいつは...
恋愛をゲームのように捉える女に失望、敗北し、街を去る一人の男。。。体裁はそうだが、作者の意図としては、残酷で愚かで不感症で不幸で哀れな女、というディスり。紙ヤスリのようにザリザリくるのよ。ある日の逢引で女は言う。寒いし体調が心配なので今日はもう帰らせて。男は悟る。いーや、こいつは見せびらかしたいもの、ドレスや虚栄などのためなら、どんな寒空でも天気でもしゃしゃってくる奴だ、俺の価値など最初からないんだ、と自分の愚かさに気づく。愚かさに気づく賢さ。この人は助かったのだ。
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原書名:NOTRE CŒUR 著者:ギ・ド・モーパッサン(Maupassant, Guy de, 1850-1893、フランス、小説家) 訳者:笠間直穂子(フランス文学)
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