スナック墓場 の商品レビュー
七つの短編集。不思議な温度感。風呂で言えば、ぬるま湯よりもさらに温度が低い。そもそもこれは風呂なのか?と思えるほど。でも浸かってみると、つい長湯をしたくなるかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
評価3だけど読み心地とすれば4。 物語のアイデアが非常に面白い。 3にしたのはもう少し続きが読みたかったというか、私の読解力の拙さ故意味が分からない箇所があるというか。 特にクリーニング屋さんに下着まで頼もうとしたのは何故なのか、洗い方を教わったのに出来ない訳が全く分からない。最初はトランスジェンダー?と思ったがそれでは洗濯の出来ない理由にはならない訳で。 他の話も、匂わせがあるにも関わらず、それについて明かされることも無く終わるエピソードがあり、結局アレは何だったんだと思う事が多々ある。それが狙いだろうか。 とはいえ謎が残っても面白いという感想は変わらない。 例えば幻覚などの発作で商店街を歩き回るアラオさんを皆で守る話。あったかい商店街が目に浮かぶが、陰と陽の混ざり具合が絶妙で面白い。他もあちこちに点在する日常も少し掘れば何かがあるのではと思わせる奇妙な読後感。今度は長編を読みたい。
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味がある。 読みやすい。普通で、ちょっと変わった人たちの、何気ない日常のなか。少し笑ったりしーんとしたり
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何とも味のある作品で面白かった。 昭和漂う短編集。 登場人物は皆んな普通。物語も日常の何気ない風景なのに読んでいて思わず『ふふふっ』と笑いが出てくる。 表題作の『スナック墓場』が特にお気に入り。
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「ラインのふたり」「カシさん」「姉といもうと」「駐車場の猫」 「米屋の母娘 」「一等賞」「スナック墓場」 7話収録の短編集。 著者初の単行本デビュー作となる本作は演歌かムード歌謡を思わせる様なタイトルと暗めの装丁だが全体におかしみ漂う作風で、随所に今村夏子さんに近いテイストが感...
「ラインのふたり」「カシさん」「姉といもうと」「駐車場の猫」 「米屋の母娘 」「一等賞」「スナック墓場」 7話収録の短編集。 著者初の単行本デビュー作となる本作は演歌かムード歌謡を思わせる様なタイトルと暗めの装丁だが全体におかしみ漂う作風で、随所に今村夏子さんに近いテイストが感じられた。 大きな事件や事故が起きるわけではなく、どれも日常のひとこまを切り取っているけれど、ちょっと変だったり、凄く変だったり、結末が結末ぽくなかったり、何これ?的なヘンテコぶりが炸裂していて、思わず噴出すシーンもある。 これ結構好きかも。
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軽作業で知り合った2人の女性霧子と亜耶のふとしたできごとを描いた「ラインのふたり」 商店街のクリーニング屋さんに来るようになった女性はなぜか下着まで洗濯に出してきて…「カシさん」 家政婦をしている姉と指を失った妹の話「姉といもうと」 商店街の布団やさんの女将さんがかわいがっ...
軽作業で知り合った2人の女性霧子と亜耶のふとしたできごとを描いた「ラインのふたり」 商店街のクリーニング屋さんに来るようになった女性はなぜか下着まで洗濯に出してきて…「カシさん」 家政婦をしている姉と指を失った妹の話「姉といもうと」 商店街の布団やさんの女将さんがかわいがっている地域猫。ある日女将さんが入院することになって…「駐車場の猫」 怪我をした母親の様子を見に行く息子が毎回気になるのは…「米屋の母娘」 自分を忘れるアラオさんを温かく見守る商店街の話「一等賞」 ばあさんとおかめと軍曹しかいないのに毎晩いろんな人が集う「スナック波止場」 短編7話 特にオチがあるわけでもないし 心に残るストーリーでもなかったし そんなにじんわりもこなかった いや~ちょっと私には合わなかったな…
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どの話も後にじっとり残る話ではないけど、なんとも味のある話。 姉と妹の話、ラインの2人、が好きでした。 私にも妹がいました。 こんな感じに暮らせたら楽しかったかも…と思う。 料理も掃除も好きで上手な妹、好きでないけど上手にできる姉。家政婦になりたいと思った理由が、昔読んだ本に由来...
どの話も後にじっとり残る話ではないけど、なんとも味のある話。 姉と妹の話、ラインの2人、が好きでした。 私にも妹がいました。 こんな感じに暮らせたら楽しかったかも…と思う。 料理も掃除も好きで上手な妹、好きでないけど上手にできる姉。家政婦になりたいと思った理由が、昔読んだ本に由来する、なんかいいな。 多分、初読み作家さん。
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ちょっとかわった、でもたいして変わらない日常がつまった短編集。 『ラインのふたり』…工場のライン製造で日雇いのアルバイトをする亜耶と露子。その管理をしているジャミラさん。 『カシさん』…街のクリーニング屋の突如現れ、着る服すべてをクリーニングにだすカシさんと、クリーニング店の...
ちょっとかわった、でもたいして変わらない日常がつまった短編集。 『ラインのふたり』…工場のライン製造で日雇いのアルバイトをする亜耶と露子。その管理をしているジャミラさん。 『カシさん』…街のクリーニング屋の突如現れ、着る服すべてをクリーニングにだすカシさんと、クリーニング店の夫婦のおはなし。 『姉といもうと』…幸田文の小説にあこがれて、家政婦をしている姉の里香。両指に欠損がありラブホテルで働く妹の多美子。 『駐車場の猫』…商店街で布団屋をやっている民子。街猫としてかわいがっている猫は向かいのふぐやの隣の駐車場に現れる。 『米屋の母娘』…ケアマンションでくらす母が怪我をしてしまい、様子をみに訪れる息子の益郎。弁当を買うのは向かいの米屋で、そこには愛想の悪い母娘。 『一等賞』…時々“発作”がおきてしまう荒雄さん。商店街のみんながやさしく見守っている。 『スナック墓場』…スナック波止場の同窓会が行われているのは大井競馬場。美人はひとりもいないのに、なぜか繁盛しているスナックには、なぜか死の匂いがつきまとい…。
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普通な人たちの、ちょっと普通じゃない日常の短編でしょうか。 自分にとっての日常は、知らない人から見たら非日常なのかもな。 ラインの2人と姉といもうとが特に好きでした。
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「オール讀物」新人賞作家のデビュー単行本だそうです。繋がってはいないけれど、テイストの似た7つの短編。どれもすこしだけざらっとしたりベタっとしたような不思議な雰囲気が漂います。ああ。昭和っぽいといえばいいのかも。綺麗な日常というよりも人間味のあふれる柔らかな日常の一編。もしかした...
「オール讀物」新人賞作家のデビュー単行本だそうです。繋がってはいないけれど、テイストの似た7つの短編。どれもすこしだけざらっとしたりベタっとしたような不思議な雰囲気が漂います。ああ。昭和っぽいといえばいいのかも。綺麗な日常というよりも人間味のあふれる柔らかな日常の一編。もしかしたらみんなどこかでこんな日常を送ってないですか?どれもよかったけど、「姉といもうと」「駐車場の猫」「米屋の母娘 」「一等賞」あたりが好みかな。ふわふわっと流れに逆らわず、それでも自分らしく凛と生きてる感じが好き。
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