MMT 現代貨幣理論入門 の商品レビュー
主権と中央銀行を持つ国の政府は、まず貨幣を創造し、次にその貨幣で納税義務を課す。均衡不要で予算制約なしに支出できる。課税プロセスで、公共・民間に有益な活動を促進する。政府は最低給での就業保証プログラムを実施することで、再分配に代わる不平等是正を行える。 残り物のオマケ程度の位置...
主権と中央銀行を持つ国の政府は、まず貨幣を創造し、次にその貨幣で納税義務を課す。均衡不要で予算制約なしに支出できる。課税プロセスで、公共・民間に有益な活動を促進する。政府は最低給での就業保証プログラムを実施することで、再分配に代わる不平等是正を行える。 残り物のオマケ程度の位置づけだった税が、まず最初に来るとは。税制の在り方が、社会の活動の方向性を決めるとは。不換・電子情報時代の理論とのことですが、いつまで有効なのだろう。
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MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。 さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルト...
MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。 さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこの金利負担に耐えられるのだろうか。 MMTの主張を読んでいると、政府への無限の信頼(これは行き着くところ警察権力や軍事力といった国の強制力の話になると思う)が前提になっているように思える。しかし、今の時代、その気になれば国外逃亡できるし、資金も簡単に移動できる。この前提がどこまで現実的か、という話のような気がする。
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MMTとは「主権を有し、不換通貨を発行する政府は、その通貨において支払い不能になることはない」と『説明』してるのであって、「無尽蔵に支出してもよい」とは主張していません。本書を通じ、マクロ会計の仕組みと実際のオペレーションがよく分かりました。 よってMMTのことを「ハイパーインフレを発生させる」「財政の不健全化をまねく」と主張する人は、年金を「払ったって貰えない」と言ってる人と同じレベルだということです。 何事もよく学び・理解してから主張する大切さを実感しました
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主流の理論が間違っている キーストロークだから大丈夫 ...の2点しか頭に残らない。 ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。 理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピント...
主流の理論が間違っている キーストロークだから大丈夫 ...の2点しか頭に残らない。 ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。 理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。 既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか) 最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開についていけなくなるところが多々ありました。 まとめると ・理論の全体像がつかめない ・主流派経済学との相違点と共通点が不明確、争点がどこか分からない(どこの解釈の違いで結論が違ってくるのか) ・MMTの方が現実をよく説明している、というデータの不足 金利と為替で制限がかかるのでメディアが騒ぐほど自由に財政赤字にできるわけではない、と言うのはわかりました。
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