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固体の電子論 新版 の商品レビュー

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2022/10/14

”電子は、いうまでもなく、素粒子の一つであるが、それが固体中の電子となると驚くほど多様な振舞いを見せる。これは次の三つの事実に由来する。 (1)電子が量子力学に従う。即ち、粒子性と波動性を兼ね備えている。 (2)電子はスピン1/2のフェルミ粒子であり、多電子系はフェルミ粒子の集団...

”電子は、いうまでもなく、素粒子の一つであるが、それが固体中の電子となると驚くほど多様な振舞いを見せる。これは次の三つの事実に由来する。 (1)電子が量子力学に従う。即ち、粒子性と波動性を兼ね備えている。 (2)電子はスピン1/2のフェルミ粒子であり、多電子系はフェルミ粒子の集団である。 (3)電子は負の電荷をもち、電子間にクーロン相互作用が働いている。 特に、(3)は多体問題といわれ、これこそが3分の2世紀経っても汲み尽くすことのできない深さ、面白さ、難しさを「固体の電子論」に与えている。(まえがきより)”  物性理論の教科書。途中式にギャップが多く、全てを追おうとすると結構厳しいが、その時々に何をしたいのかは明確だと思う。固体物理で定番のKittelやAshcroft&Merminよりもレベル高めか? 量子力学や統計力学、特に第二量子化と摂動論の知識は必要だが、グリーン関数は登場しない。  素粒子の分野のようにミクロな対象を追求していく物理も勿論興味深いが、Andersonがいみじくも"More is different."と表現している通り、高々17種類しかない素粒子から極めて多種多様かつ普遍的な現象が生じるという不思議さの方に僕は心惹かれるなと改めて思った。 1 相互作用のない電子系 2 モット絶縁体とその磁性 3 フェルミ流体と非フェルミ流体 4 近藤効果および関連する問題 5 超伝導 6 遍歴する電子のスピンの秩序と揺らぎ 付録A 線形応答と動的帯磁率 付録B 参考書 問題の略解 索引

Posted byブクログ