狙撃手のゲーム(下) の商品レビュー
「囚われのスナイパー」を読んで本作「狙撃手のゲーム」を知った。出ているのに全然気付かなかった。 で、遡って本作を読了。 なかなか面白かった。設定は第一作に似てる。 違うのは正式に政府に対スナイパー戦を任されるところだ。 狙撃位置の読み合い、銃弾の知識、狙撃手の資質、等々細かい解説...
「囚われのスナイパー」を読んで本作「狙撃手のゲーム」を知った。出ているのに全然気付かなかった。 で、遡って本作を読了。 なかなか面白かった。設定は第一作に似てる。 違うのは正式に政府に対スナイパー戦を任されるところだ。 狙撃位置の読み合い、銃弾の知識、狙撃手の資質、等々細かい解説がテンコ盛りだ。 難を言えばマニアック過ぎるところか。 あとはお約束通りに話は進むが、ボブザネイラーの小説は第一作が面白すぎて、それを超えられないところが悲しい。 いつまでも「ロシアより愛を込めて」を超えられない007映画のようなものだ。 毎回そこそこ面白いのだが、ボブが歳を取るにつれてストーリーがこじんまりしてくる。 同じくロジャームーアが歳をとるに従って荒唐無稽になっていく007のように。 まぁ、いつまでも007映画を見にいく私にとって、ボブザネイラーは離れられない夫婦のようなものだ。 次作も読みます。待ってます。
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やっぱりスワガー・サーガは面白い。それが第一の感想だ。 今作のスワガーは70歳を超えた老人で、もはや激しい銃撃戦では前線に立てない、というか周りが必死に止めようとする。それはそうだろう。いかに鍛えていても、70歳の老人が特殊部隊とともにヘリボーンをしようと言い出したら誰だって止め...
やっぱりスワガー・サーガは面白い。それが第一の感想だ。 今作のスワガーは70歳を超えた老人で、もはや激しい銃撃戦では前線に立てない、というか周りが必死に止めようとする。それはそうだろう。いかに鍛えていても、70歳の老人が特殊部隊とともにヘリボーンをしようと言い出したら誰だって止める。結局ヘリボーンはしてしまうのだけど。 そんな本作で主題となるのは、アメリカ国内に潜入したテロリストの発見だ。作者自身の銃への深い造詣をベースに、現代社会ならではのガジェットを駆使した捜査の様子は一級品のサスペンスとなっている。 詳細はネタバレとなるので伏せるが、鍵となっているのはAccuracy InternationalのAW338というライフルだ。普段はドラグノフを愛用するテロリストが、超・長距離狙撃を成功させるためにAW338を使うという設定から、スワガーの知識と経験を総動員してテロリストを追い詰めていくという寸法になっている。 作中でも述べられているが、このライフルは実際に英国軍のクレイグ・ハリソンが当時の最長狙撃記録を打ち立てており(英軍での登録名はL115A3だが、この辺りは気にするとキリがないため、作中と同じくAW338で通す)ハンターも長距離狙撃については相当に調べたことが窺える。銃器知識があるとより楽しめること請け合いだが、銃器知識がなくとも楽しめるだろう。そう、スワガー・サーガではおなじみのM700が出てくるのだから。出る場面については読んで確かめて欲しい。
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狙撃手を追うスワガーだが、銃や弾丸の痕跡を追いかけていくうちに敵はすでにアメリカ領に侵入したことがわかった。 狙撃の練習状況から想定した狙撃ポイントを必死にさぐり、狙撃手の意図を突き止めようとするスワガーとFBI。 果たしては狙撃は食い止められるのか。 後半は手に汗にぎるひり...
狙撃手を追うスワガーだが、銃や弾丸の痕跡を追いかけていくうちに敵はすでにアメリカ領に侵入したことがわかった。 狙撃の練習状況から想定した狙撃ポイントを必死にさぐり、狙撃手の意図を突き止めようとするスワガーとFBI。 果たしては狙撃は食い止められるのか。 後半は手に汗にぎるひりひり感がいい感じです。
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冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったよう...
冒険小説が書店の正面の平積みスペースを飾っていた時代には、スナイパーものも決して珍しくなかった気がするが、今では、映画こそスナイパーをヒーローに据えた作品が途切れなく続いているものの、小説作品として花形になることは、本格ミステリーが復活している昨今ほとんどなくなってしまったようである。 スナイパーものの書き手としては自身銃器に造詣の深いハンターは第一人者であると思うが、そのハンターも、シリーズ・ヒーローであるボブ・リー・スワガーも共に高齢化してしまった。もう一作登場があるかどうか、危ぶまれるほどに。 寂しいことではあるが、時代は移ろい、時は流れる。ヴェトナム世代のスナイパーに今できることは何だろう。いまここにある危機、すなわちイスラムからアメリカに潜入したスナイパーを見つけ出し、その目的を探り、最後にはその狙撃を阻止することだ。 かくもシンプルなストーリー。相手は聖戦の戦士ジューバ・ザ・スナイパー。かつてのボブ・リー同様に天分の才能を持つ狙撃手。その意図はアラーの神への深い信仰。ストレートで曲がらない弾丸のような揺るぎなさ。 米国に潜入したジューバと彼をアシストする元メキシコ特殊部隊チーム、対するはボブ・リーやイスラエルの分析官までをも急遽交えて完璧を期した極秘捜索チーム。駆け引きとその行動と分析が面白い。かつて時代を謳歌した冒険小説の断面がここそこに見受けられる。 ターゲットは誰であるのかも最後の最後までわからない。仕掛けられた伏線、知略の攻防、久々にスケールの大きな狙撃スパイゲームを読んでいる感触。誰にでも奨められる小説とは言えないが、銃器や弾薬やスコープに関する専門的かつ科学的な分析、それによって狙撃場所を特定してゆく、スワガー・サーガならではの推理と、追撃の様子が手に汗握る展開で眼を放せない。男の子の小説はこうだと言わんばかりの展開だが、最近では女子でもこういう作品に餓えている方がいるのではないだろうか?
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もう何年もハンターを翻訳し続けているのに、いまだにこの人の文章はあちこち引っかかる。 あと巻末の解説がよくない。無い方がましだ。
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