詩編を読もう(下) の商品レビュー
・この世を生きていると、潰されそうになることがあります。厳しい現実が重なって、息が塞がれます。まるで命が押し潰されていく。できることを全部して、現実がまったく変わらないのです。そして私たちは叫ぶ。心の中で悲鳴を上げるのです。「主よ、助けてください。ここから一刻も早く、広く、明るい...
・この世を生きていると、潰されそうになることがあります。厳しい現実が重なって、息が塞がれます。まるで命が押し潰されていく。できることを全部して、現実がまったく変わらないのです。そして私たちは叫ぶ。心の中で悲鳴を上げるのです。「主よ、助けてください。ここから一刻も早く、広く、明るい所に救い出してください」。70編の詩人と、同じ心です。叫んでいいのです。「神さま早くしてください」と祈り求めていい。そしてこの中で、必ず、覚えておかなければならないひとつがあります。詩人は、「速やかにわたしを訪れてください」「主よ、遅れないでください」、こう祈りました。苦難の中で神の到来を願ったのです。そして、ここから先が違います。旧約と新約とでは、ここから先が違うのです。主は、既に来たのです。神は独り子を世に与えました。救い主キリストは既に、あなたのところに来ているのです。これを覚えるのです。これを必ず覚えて祈るのです。 ・ある時フッと、空しさを覚えることがあります。過去を振り返って、何もなかったのではないかと思う。神さまがいないとは思いません。しかし、自分の祈りや願い、努力の数々、尊いはずのすべてが色を失うのです。とても空しいことのように思える日があるのです。「何もない」ことはありません。努力や工夫、すべてが実を結んだわけではないでしょう。けれども、「空しかった」の一言で終わるわけがありません。それは十分、分かっているのです。しかし自分の人生が、あまりにも貧しく、惨めに思える日があります。
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