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横浜イノベーション! の商品レビュー

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2022/05/06

2019年に発行されている。最近の横浜がわかると思って読んだ。創造都市の横浜を読んで、文化芸術を視点とした横浜。著者は、証券会社に入社し、トレーダーを経験後、経済ジャーナリストになる。 『財部誠一の異見拝察』で、経営者インタビューを得意としていた。  横浜は、1853年6月黒船ペ...

2019年に発行されている。最近の横浜がわかると思って読んだ。創造都市の横浜を読んで、文化芸術を視点とした横浜。著者は、証券会社に入社し、トレーダーを経験後、経済ジャーナリストになる。 『財部誠一の異見拝察』で、経営者インタビューを得意としていた。  横浜は、1853年6月黒船ペリーが来日することによって、大きく展開し始めた街である。1858年日米修好通商条約が締結され、幕府は横浜村を開港場に決めた。1859年7月1日に横浜港は開港した。開港160周年という歴史が、横浜を物語る。そこに外国人が住むことによって始まる。半農半漁の小さな村が、370万人と政令都市で一番人口が多い都市になった。  東京のごった煮的なまちづくりとは違う雰囲気を持っている。  みなとみらい。総面積は186ヘクタール。みなとみらい21の開発が始まったのが1983年。その年は、日本は世界最大の貿易黒字国。東京ディズニーランド開園。新婚旅行先が沖縄からハワイとなった。ロッキード事件で田中角栄に実刑判決。1983年には、1ドル360円が260円になった。そして、1985年にはプラザ合意があり、日本経済の大転換を迎える。みなとみらいには、8000万人が訪問するという。  そのみなとみらいの繁栄は、1963年飛鳥田市長誕生が大きい。京浜工業地帯の公害問題への対応。まだ、公害基本法のない時代。企業に環境問題に対する対応についての契約を結ぶことによって凌いだ。そして、計画性のない開発によって、住民の不満を受ける形で、「宅地開発要綱制定」から始まる。「要綱行政」が始まり、1965年に「横浜六大事業」が提案された。また街づくり協定も市民の参加で作られた。「みなとみらい街づくり基本協定」によって、街がつくられる。マスタープランがコンセプトも明確で、ビジョンが揺るがない。 その立役者が、田村明。ビジョンを持ったまちづくりを作り、未来の横浜の図を作った。実に大胆なのは、三菱重工造船所を移転させるという発想だ。田村を横浜市企画調整室企画調整部長に迎え入れたのが1968年。「業務核都市」という概念。飛鳥田は市長を辞めたのが1978年。そして、三菱重工が移転したのが、1980年。その土地は、三菱地所が受け継いだ。みなとみらい着工が1983年となる。 1989年には、横浜博覧会が開催され、日本丸パークと横浜美術館がオープンする。 国際交流都市、文化芸術創造都市という理想を持って都市づくりをする。みなとみらいのスカイラインができたのが1997年。ランドマークタワーは、需要創造型プロジェクト。 みなとみらいの事業所数は1810社、就業人口10万人強、来街者数8300万人。 横浜には、100年以上続いた企業が、1000社近くあるという。 有隣堂。「徳は孤ならず、必ず隣あり」からネーミング。1909年創業。「誠品生活日本橋」などの出店。キャッチコピーは、Books,and Everything in Between.「カルチャーのプラットフォーム」 DeNAが、YOKOHAMAでプロ野球に参入。「世の中をDelightする」 時代は、C;コネクテッド、A;オートノーマス(自動運転)、S;シェアリング(共有化)、E;エレクトリック(電動化)つまりCASEに向かう。 伝統とは、時代に合わせて革新してきた。それは目の前にいるお客さんが欲しがっているものを提供する。 みなとみらいには、京セラ、資生堂、村田製作所、コーエーテクモなどが入る。 なるほど、それぞれが」コンセプトを持って取り組んでいる企業が、オープンイノベーションに取り組む。消費者を起点にしたイノベーション。革新、刷新、新基軸、新結合。 イノベーションとは、①新しいモノ・サービスの創造、②新しい生産方法、③新しい販売先、④新しい原料の供給源の獲得、⑤新しい組織の実現。それを組み合わせることで、実現する。 横浜は、デザイン、アート、ミュージック、ダンス、ユニーク、オープン・イノベーションの街に進化し続ける。 「牛鍋食わぬは開化不進奴」横浜生まれの牛鍋は文明開化の味がする。横浜の開港は、牛鍋なるものを取り入れた。進取の精神が、横浜に息づいている。  経済ジャーナリストの視点で横浜を見ると、また違った横浜が見えた。

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2020/03/29

横浜(センター南)の書店で見かけて購入。ジャーナリストの内田裕子さんによる横浜本。近年さまざまな施設や企業・研究所の誘致に成功している横浜の「みなとみらい」の現状を中心に、江戸時代~ペリー来航~戦後の横浜の歴史が語られる。後半に横浜市長の林文子さんのインタビューが掲載 されている...

横浜(センター南)の書店で見かけて購入。ジャーナリストの内田裕子さんによる横浜本。近年さまざまな施設や企業・研究所の誘致に成功している横浜の「みなとみらい」の現状を中心に、江戸時代~ペリー来航~戦後の横浜の歴史が語られる。後半に横浜市長の林文子さんのインタビューが掲載 されているのだが、IotだったりAI・ペーパーレスなどかなり先を見越して街作りをしていることがわかる内容だった。以前に福岡市の歴史と現状が書かれた本を読んだが何か横浜と似ている気がした(この2都市は今後も注目していきたい)。

Posted byブクログ

2019/12/31

横浜という一見進取の気質がありそうな都市で、経済的なイノベーションは起こるのか、横浜を代表するような企業に取材し考えていく。 まず老舗本屋の有隣堂。横浜はミニ東京であり、逆に保守的で、イノベーションを試みる場ではない、と手厳しい。実際最も売り上げが多い横浜西口店と東京の恵比寿店の...

横浜という一見進取の気質がありそうな都市で、経済的なイノベーションは起こるのか、横浜を代表するような企業に取材し考えていく。 まず老舗本屋の有隣堂。横浜はミニ東京であり、逆に保守的で、イノベーションを試みる場ではない、と手厳しい。実際最も売り上げが多い横浜西口店と東京の恵比寿店の売れ筋はほぼ一緒。本店の伊勢佐木町は年寄り向けの本がやや多いのが特徴となれば、近い将来の見通しは結構深刻だ。という訳で、有隣堂は日比谷ミッドタウンで「セントラルマーケット」という雑貨等と本をコラボした店とか、日本橋のコレド室町には日本初出店の台湾の大型書店「誠品生活」を運営したり、活発に活動している。「誠品生活」にはオープン初日に行ってみたが、有隣堂がやっているとは全く知らなかった。店内は広いし洒落ており、いすがたくさんあるのが良い店であると感じた。成功してほしい。 次は新参者のDeNA。ここがベイスターズを買収してからのチームの人気が激変したのは言うまでもないが、DeNA社も大きく変わったという。それまではネット上の商売であり、消費者と直の触れあいは目立たぬものであった。しかしハマスタで狂喜する3万人の観客を目の当たりにし、社が提供するサービスにより、観客を笑顔にすることの喜びを知ったと創業者の南場氏は言う。他部門であるゲーム事業などの役員を引き連れて観戦した時、観客と一緒に歓喜する役員たち。ベイスターズはDeNAに変化をもたらしているようだ。 そして京セラや資生堂、コーエーテクモなど、新しく横浜に本社や部門を移す会社。その中ではコーエーに注目。これからはeスポーツに力を入れていくらしい。 そしてカジノを含むIR誘致は、横浜だけでなく三浦とか箱根にも恩恵をもたらす。カジノだけがクローズアップされていること自体が、IRを理解していない証拠だ。

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2019/10/13

よこはまみなとみらいの開発にいたった経緯、現在までを記されている。みなとみらいに働いている人間として知っておかなければいけない知識が有る。個別の企業との誘致話も有り。みなとみらいに誇りを持ちたくなる本。

Posted byブクログ