英文解釈要約精講 新装版 の商品レビュー
1988年に刊行したという英文要約の参考書の復刊。ごくごく簡単な短い1パラグラフの文章内で「主題」はどこにあるのかをいくつかの問題で学ぶ基礎編から始まって、複数のパラグラフになる応用編へと進む。発展編、完成編は英文の内容自体が、やや難しくなる感じ。基礎編から発展編までは例題がつ...
1988年に刊行したという英文要約の参考書の復刊。ごくごく簡単な短い1パラグラフの文章内で「主題」はどこにあるのかをいくつかの問題で学ぶ基礎編から始まって、複数のパラグラフになる応用編へと進む。発展編、完成編は英文の内容自体が、やや難しくなる感じ。基礎編から発展編までは例題がついており、それとは別に演習問題が27題。 まず要約問題に取り組む姿勢として、「ruleだけ知っていれば英文の要約ができると勘違いしてはならない。英文の内容を正しく読みとる能力は、多くの様々な種類の英文に接して経験的に養われるものである。したがって、まずできるだけ多くのしかも様々な種類の英文に接して読解力を養うことが先決である。」(p.iv)と述べられており、まさに王道を行く硬派な感じが良かった。「英文要約問題といっても、実はまず英文解釈の問題と考え、正しい読みの練習問題として勉強してほしい。英文要約問題に限らず、英文解釈や空所補充問題等においても、全体の要旨が正しく把握されていれば絶対に間違うはずがないと思われる語頭にしばしば接することがある。この意味で、ようやく問題は同時に英文解釈問題、内容設問、空所補充問題の基礎練習にもなっているわけである。」(p.v)という部分は、ぜひ生徒に強調してやりたい気がする。 あとは「要約文作成上の注意」というのがp.20に出てくるが、「例証も述べなければならないときがある」というのに共感した。テクニック的に「具体例は捨てろ」みたいな話もあるけど、それはやっぱり例の内容とか要約する字数によるんじゃないかと思っていたので…。 レベルとしては、最初は高1終わりか高2最初くらいで、要約と言うよりも英文解釈の練習としていいんじゃないかと思っていたが、発展編や完成編になると結構難しいものも含まれているので、もしかすると高3でやっても良いのかもしれない、と思った。そんなに長い文章が課題になっている訳ではなく、わりとサクサク進めることができる印象。ただし、英文解釈の解説がすごく充実している訳ではないので、少なくともこれだけの解説で分かるレベル、となると高1や高2では難しく、高3始めが適当なのかもしれない。課題文も興味深い内容が多く、要約をやらなくても英語の読み物としても受験生におすすめできる。(20/01/30)
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