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『銀河英雄伝説』にまなぶ政治学 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/09/15

元々学生時代から銀河英雄伝説(銀英伝)のファンであり、この作品から得た価値観(歴史観・戦争観・政治観・経済観等)がその後の人生に与えた影響は計り知れないことから、自分にとって人生のバイブル的存在であるのだが、ある日に立ち寄った書店の本棚で本書がたまたま目に留まり購入。 銀英伝に関...

元々学生時代から銀河英雄伝説(銀英伝)のファンであり、この作品から得た価値観(歴史観・戦争観・政治観・経済観等)がその後の人生に与えた影響は計り知れないことから、自分にとって人生のバイブル的存在であるのだが、ある日に立ち寄った書店の本棚で本書がたまたま目に留まり購入。 銀英伝に関する解説書は他にも存在しており、自身もいくつか保有しているのだが、政治学の視点から書かれたものは知らなかったので興味を抱いたという理由もあった。 本書は、自分と同じく学生時代に銀英伝に感化された経験を持つ2人の政治学者の共著という形をとっている。 構成としては、銀英伝の物語中のトピックについて政治学的に解釈・解説していくスタイルではなく、恐らく著者の専門分野であろう政治学的トピック「リーダーシップ」「民主主義」「地政学」「戦略・戦術論」「テロリズム」「戦争論」「指導者の後継者問題」等に関して、銀英伝内での主なイベントや登場人物のセリフと対応付けながら筆者の持論を展開する流れとなっている。 そのため、自分のような普段は政治学的問題についてあまり考えを巡らせない人間にとっては、(読者層が限定されるのではないかと余計な想いを抱きながらも)関心を持ちつつ理解が進み、ストレスなく読み進めることができた。 ただ、銀英伝が人類の普遍的なテーマを扱っているとはいえ昭和時代に書かれたSF小説であるため、現代の政治問題と対比させようとする部分は、少々無理があるのではと感じた点は否めない。 無論それは著者も理解しており、人類史上の歴史的トピックとも対比させながら論考を進めてはいるものの、読みやすさを優先してか、学術的な考察までは踏み込んでいないため、現代の政治問題に深い関心を寄せている(コアな銀英伝ファンの)読者にとっては、多少物足りなさを感じてしまうかもしれない。 政治学という広範な学問分野と長編SF小説とを対応付けながら共著として書き進める困難さはあったであろうが、可能であれば本書を貫く軸や枠組みを設定したうえで対応付けを行うことができれば、より説得力のある内容になるのではと感じた。 とはいえ、以下のくだりはまさに目から鱗であった。 この考察に触れることができただけでも、本書を手に取った価値があると感じた次第である。 また、同じ学者という立場であっても、銀英伝に登場するエンリケ・マルチノ・ボルジェス・デ・アランテス・エ・オリベイラ自治大学長の浅薄な考えとは一線を画す、まさに政治学者ならではの言葉だといえる。 --- 以下引用 第一次世界大戦でも第二次世界大戦でも、イギリスやアメリカが戦争を行う大義名分は、専制政治や独裁政治、軍国主義から民主主義を守るためだとされた。こうして国民に「正義の」戦争へ参加を求める代わりに、庶民の政治参加や社会福祉が拡充されていった。皮肉にも、総力戦化する近代の戦争が、民主政治をさらに充実させたのである。 --- 引用終わり 補足:最終章でフレデリカをジェシカとした誤記があったので、(恐らく難しいとは思われるが)訂正いただきたいとの想いで星3つとした。

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2022/12/10

現実の政治と銀英伝の政治の話を交互に例を出しながら比較して解説。 政治体制を考える良い機会になる。 しかし民主政治と専制政治、どちらの正解でないというのが一つの答えなのかも。

Posted byブクログ

2021/06/30

ローエングラム伯が完璧超人だから独裁もいいかなって思いそうになるけど全然そんなわけないしのちのち血統に頼る羽目になる ヤンの方もそうなるのが面白い

Posted byブクログ

2020/10/21

内容はそんなに目新しい感じもせず、ふーんと読み飛ばしてしまったけど著者の方々が本気で銀英伝を愛していることは伝わってきた。 はっきり言ってファン以外の人はほぼ読まないだろうし、ファンにとっては愛を抑えて真面目にやろうとしている感じがもどかしく、もっと銀英伝愛にメモリを振り切っちゃ...

内容はそんなに目新しい感じもせず、ふーんと読み飛ばしてしまったけど著者の方々が本気で銀英伝を愛していることは伝わってきた。 はっきり言ってファン以外の人はほぼ読まないだろうし、ファンにとっては愛を抑えて真面目にやろうとしている感じがもどかしく、もっと銀英伝愛にメモリを振り切っちゃっていいんじゃないかなあ、という気がした。

Posted byブクログ

2020/02/25

政治学の本としてどうこうという評価の仕方はあまり意味がないと思います。これは、「政治学入門」をよそおった銀英伝のファンブックなんです(?)。著者たちが、銀英伝をとても好きであるということがたくさん伝わってきて、ほほえましい気持ちになります。【2020年2月2日読了】

Posted byブクログ

2019/12/02

自分も著者と同じく銀英伝を人生の指針としてきた。卒論で無理やり銀英伝の考え方をぶっ込んだことを思い出した。

Posted byブクログ