戦国十二刻 始まりのとき の商品レビュー
応仁の乱から大坂の陣までの短編。お互い知ることのない先祖や子孫。繋がりが無いようで見えない糸で繋がっている。面白い視点で書かれた作品。
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改めて、木下昌輝の文才に驚かされる。 短編集の中に散りばめられた、前後の繋がり。 そして、6本指の謎。 特に、島津維新の物語から、桜田門外の変に至る所は秀逸。
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何かが始まる、十二刻前。厳島合戦や竹中半兵衛の稲葉山城乗っ取り、関ヶ原における島津の退き陣など。 短編集のようだが、底流に流れるものがある。木下さん、この書き方得意だし、上手い。
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名だたる武将の生涯を終える最後の24時間を描いた戦国24時の続編のようで、こちらはなんとなく根っこが繋がっていた。時代が動いた場面の24時間を切り取った短編6編ではあるけど、もしも豊臣ストーリーでもあった。 まず相国寺で六指キャラ?えっ?計算合わなくない?だれ?? と思わせておいて、、、、 〆の章も、真のお拾い様は生き延びた説で幕、という。 まあ秀吉だけでなく、斎藤道三だったり、信長だったり、戦乱の世の3世代くらいのあたりを、この血の流れたものは祖父の代、親の代からこうだったかもしれない、という妄想がばんばん詰め込まれていて、ある意味オールスター乱舞な妄想劇場。多少、歴史好きさんでないと、気づけないような登場の仕方も多いので、なんか薄い解説ガイド本をつけてほしいですね。 ただなあ~せっかく島津義弘公の章があって、(あっ!関ケ原の敵中突破書いてくれたんだ!)と喜んだのもつかの間、その説をとったのかあーーー↓ 敵が相手にしなかったから突破できた説ね。まああの位置から生き延びてるんだから、可能性はおおいにあるけども。。 しかも有村次左衛門を取り上げるなら海江田信義の兄弟の血のほうを書いてくれたらよかったのにーー。桜田門外の変は、決して薩摩の総意の上ではないもんなあ。薩摩藩民σ(´ ` me)はちょっと残念な読後感。 厳島の章も、村上水軍もすこし出してほしかった。 にしても、木下さんの妄想力?はやっぱりほんと魅力大。この方のあたまのなかにあるもしもストーリー、これからも是非追っかけたい。 以下覚書 乱世の庭/はじまりの刻/因果の籤/厳島残夢/小便の城/維新の退き口/国士無双/はじまりの刻 (あえておなじタイトルの章がふたつあるのが粋!)
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以前読んだ『戦国十二刻 終わりのとき』が面白かったので、こちらも期待して読んでみた。 前作が各話が独立していたのに対し、こちらはそれぞれの話に繋がりがあって、一見こういう小さな出来事のようなものがきっかけとなって後に大きな出来事へと発展していく歴史の流れのようなものを感じた。 ...
以前読んだ『戦国十二刻 終わりのとき』が面白かったので、こちらも期待して読んでみた。 前作が各話が独立していたのに対し、こちらはそれぞれの話に繋がりがあって、一見こういう小さな出来事のようなものがきっかけとなって後に大きな出来事へと発展していく歴史の流れのようなものを感じた。 応仁の乱から大坂夏の陣、さらには桜田門外の変まで続く。 所謂大物武将ではない、少なくとも当時は無名の何者かが見たり起こしたりする、その時は小さな出来事。 勿論これは作家さんのフィクションではあるし、やや強引かなと思われる部分もあるが、いやいや事実は小説より奇なりとも言うし、どんな因縁があるか分からない。 井伊直弼もまさか二百六十年の時を経てこんな因縁が返ってくるとは思いも寄らなかっただろう。
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『戦国十二刻始まりのとき』『戦国十二刻終わりのとき』を立て続けに読了。 名前の通り、戦国に纏わる武将の24時間を描いた、始まりと終わりの短編集。 どちらも歴史物の楽しめるフィクション作品らしく、if物語が満載でとても面白い。 歴史はどんな文献が出てこようが、それを証明することは不可能。 だとすれば様々な視点から描かれていいし、そこに楽しみを見出してもいいはず。 まさにそれを思う存分味わわせてくれる作品だった。 「始まりのとき」では、一休さんが出てくる相国寺焼亡の話が、応仁の乱の始まりの話あり相国寺の終わりの話であり印象に残る。 「終わりのとき」では、徳川家康の話が自身の最期の話であり、それこそが天下泰平の徳川の時代の始まりであることを示唆しこれもまた印象に残る。 どちら作品も「始まり」と「終わり」が表裏一体であることを主テーマなのだろうと実感させられる。
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応仁の乱〜大阪の陣までの6つの事件が起きる24時間を描いた作品。一つ一つの物語の秀逸さはさることながら、最初の応仁の乱がその後の5つの出来事に繋がっていく展開にワクワクさせられた。 それぞれの話は約50ページ前後。知らない人にも分かるように史実や状況の記述に大部分を取られること...
応仁の乱〜大阪の陣までの6つの事件が起きる24時間を描いた作品。一つ一つの物語の秀逸さはさることながら、最初の応仁の乱がその後の5つの出来事に繋がっていく展開にワクワクさせられた。 それぞれの話は約50ページ前後。知らない人にも分かるように史実や状況の記述に大部分を取られることを加味すると味付けできる部分はかなり少ない。その中でも話を魅力的にしているのは「小物」を上手に盛り込んでいることにあると思う。『因果の籤』で斎藤道三が使う「三度籤」、『厳島残夢』の願文、『小便の城』の小便。多くの小説では戦ぶりや人の発言などで決断や翻意をするのに対し、ある意味大したことない物を使って人の心情の変化を描く。高殿円の「剣と紅」で紅が象徴的な存在として描かれていたのと似て非なる魅力を感じた。 正直、作者は戦さのシーンを描くのはあまり上手くないように感じる。が、その前後にある人間物語を通常とは違う角度で描くのが非常に上手いと思う。
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室町末期、戦国時代の幕開けから、その終焉、大坂夏の陣まで、各場面の登場人物達が連綿と繋がり、物語をなしていくその構成の隙のなさに、思わず一気読みしてしまった。内容について何か言うと興ざめになりそうなので言わないけど、なるほど、この前段があっての後々のあの人のあの行動、判断になった...
室町末期、戦国時代の幕開けから、その終焉、大坂夏の陣まで、各場面の登場人物達が連綿と繋がり、物語をなしていくその構成の隙のなさに、思わず一気読みしてしまった。内容について何か言うと興ざめになりそうなので言わないけど、なるほど、この前段があっての後々のあの人のあの行動、判断になったわけかと、もちろんフィクションではあるけれど、物語として納得感の高い作品になっていると思います。
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「乱世の庭」応仁の乱。相国寺の庭師、善阿弥の戦い。 「はじまりの刻」物語をつなぐ者。 「因果の籤」三度籤。道三が見た過去・現在・未来。 「厳島残夢」元就の想い。息子たちと毛利家の行く末。 「小便の城」半兵衛、稲葉山城乗っ取りの記録。 「維新の退き口」関ヶ原、島津"維新&...
「乱世の庭」応仁の乱。相国寺の庭師、善阿弥の戦い。 「はじまりの刻」物語をつなぐ者。 「因果の籤」三度籤。道三が見た過去・現在・未来。 「厳島残夢」元就の想い。息子たちと毛利家の行く末。 「小便の城」半兵衛、稲葉山城乗っ取りの記録。 「維新の退き口」関ヶ原、島津"維新"義弘の指揮による敵中突破とは。 「国士無双」大坂城を捨てる盛親の真意。 「はじまりの刻」豊臣家の滅亡。商人と少年の未来。 はじまりは終わりの余韻を受け、 きらきらと輝くものでなく、ほの暗さをともなう。 どこまで創作なのか。 真実がこんな風だったら。 驚嘆と微笑の展開だった。
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足利義政、斎藤道三、毛利元就、竹中半兵衛、島津義弘、長宗我部盛親。応仁の乱から大坂の陣まで。名高き軍師たちの、新たな時代へとつながる濃密な24時間。逸話史実を操り、奇想仮説で読者を翻弄する、時代小説イノベーション!
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