セックスのほんとう の商品レビュー
内容というか教えとしては、セックス関連本によくある「AVはファンタジーだからそのまま真似しちゃだめだよ」ってもの。 昔からずっと言われているのに、未だにこれを主張し続けないといけないということから、どれだけ一般の人々がその基本的な部分を理解していないかということが分かって悲しい。...
内容というか教えとしては、セックス関連本によくある「AVはファンタジーだからそのまま真似しちゃだめだよ」ってもの。 昔からずっと言われているのに、未だにこれを主張し続けないといけないということから、どれだけ一般の人々がその基本的な部分を理解していないかということが分かって悲しい。 特に、男性向けAVで行為中に女性の手をつなぐとか頭を撫でるとか「痛くない?」と聞くこと自体が、視聴者や監督から「萎えるからNG」と意見が飛んでくるという現実には驚かされた。 一視聴者としては全くそう思わないし寧ろ好印象だが、多数派、またはそういった作品を臨む一部のユーザからはそう思われてしまうのだろう。 なので、AVを見る男性は、そういった、とことん男性にとって都合が良く、支配欲を満たしてくれるような「作品」として作られていることをよくよく意識しておかねばならない。 日々、当たり前の様に接していしまっていると段々とそれが普通に感じてしまいかねない。 第3章の、「これからのセックスはどう変わる?」は結構期待していたのだけど、結論としてはちょっと物足りなかった。 性的同意が厳しくなっているだとか、VRなどのコンテンツが充実してくることによって生身のセックスのハードルが上がり、より男女の関係性が希薄し、セックス経験のない人の割合や独身率が高まっていくという現実に触れていて、その問題意識は共通してある。 しかし解決案のようなものなど、期待できる未来像はここでは得られなかった。第一線の現場にいる人たちでもやはりこの問題は難しく、手探りなのだろう。 思うに、男女の平等は今まさに途上にあって、だからこそ性的同意の問題が事を難しくしてしまっているのだと思う。 女性が自分の意見を主張し、男性がそれをすっと受け入れたり、ディベートしたり、交渉したりできること、これがごく当たり前でスムーズにできるようになれば、男女どちらもが、「あなたとセックスしたい」と堂々と持ちかけたり、逆に「今日はしたくないから来週どう?」と調整したり、といったことをスマートにこなせるようになるんじゃないだろうか。 もちろん、同性同士であっても、飲みの誘い・遊びの誘いなどを誘いにくかったり断りにくかったりはする。 しかし誘うことも断ることも普通のことで、それ自体が相手を侮辱していることでも軽視していることでもないという共通理解があれば、コミュニケーションの壁は乗り越えられる。 性的なコミュニケーションの壁というのは、多分人間同士のコミュニケーションの壁とほぼ等しく、そのためにも知識や練習によって恐れを取り除き、慣れていくことが重要なんじゃないだろうか。
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・男性向けに書かれているので、女の人が読んでもそう思ったりしてくれるといいけどなぁと思うばかりでできることはあまりない。 ・AVの撮影のことなどが語られている ・男性は読んでみてほしい
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