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トリック の商品レビュー

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2020/05/07

これは今の日本における「シン・コロナ騒動」に見られる行動に通じるものがあると強烈に感じた。 関東大震災直後の混乱により、軍・警察・市民らの手により、多数の朝鮮人が虐殺されたことは、紛れもない事実というのが大前提である。 ・神奈川警備隊司令官 奥平俊蔵中将:「騒擾の原因は不逞日本人...

これは今の日本における「シン・コロナ騒動」に見られる行動に通じるものがあると強烈に感じた。 関東大震災直後の混乱により、軍・警察・市民らの手により、多数の朝鮮人が虐殺されたことは、紛れもない事実というのが大前提である。 ・神奈川警備隊司令官 奥平俊蔵中将:「騒擾の原因は不逞日本人にあるはもちろんにして、彼らは自ら悪事をなし、これを朝鮮人に転嫁し…。横浜においても朝鮮人が強盗強姦をなし…を耳にせるをもって、これを徹底的に調査せしに、ことごとく事実無根に帰着せり。」 また、以下普通の新聞で報道されたデマ(内務省社会局『大震災誌』) ・伊豆大島は水面下に沈降し、島影を認めざる ・秩父連山大爆発噴煙天に冲す ・山本首相暗殺、主義者の暴動による ・東京灼熱華氏150度(摂氏65度位)避難民死亡数知れず 等々、滅茶苦茶な記事が各新聞により大々的に報道されていた。そんな新聞には朝鮮人による暴動・犯罪報道も各種なされているが、ほぼ全てがデマであったことが確認されている。(これら新聞記事が、暴動あった派の根拠となっている) そして工藤美代子・加藤康男夫妻による著書の主張は大きく二点。 1.朝鮮人大虐殺は無かったし、有ったものは自衛。 2.朝鮮人こそ爆弾等による大規模なテロや放火・強盗・強姦を行ったが、日本政府がそれを隠蔽している。 この証拠として、当時の上記報道を事実とみなし、当時の書籍(デマであることを記した本からも)から意図的に自説に不利な部分を削除して引用という単純な手口が多い。 また、朝鮮人による暴動等が、公式にはデマとされている理由が笑える。内務大臣後藤新平が、警視庁官房主事の正力松太郎(後の読売新聞社主)に言ったのが「朝鮮人テロリストを追い詰めると、彼らは天皇や摂政宮を襲う」正力はこれに賛同し、以降朝鮮人暴動等の打ち消しに尽くした…この話を工藤は実父池田恒夫から聞き取った、というのがこの話の裏付けの全てである。この話を信じるにはどれ程自身の判断力を放棄すれば良いのか? 他にも「実際に朝鮮人の襲撃に心底怯えていた市民がこれほど居たのだから、朝鮮人暴動が実際に有ったことは常識的に間違いない」という論理を盛んに繰り広げる。 この人たちの常識レベルを推し量れないが、この様な思考回路の持ち主が、今の「シン・コロナ」において「これだけ多くの人達が、トイレ紙を買い求めているのだから、トイレ紙が絶望的に不足しているのは間違いない」と考え買い占めに走るのだろう。 さらに今、他県ナンバーの車に石を投げたりするなど、排斥活動が表面化している。2020年の同じ日本人の他県民に対してさえこの有り様。 認めたくはないが、民度が低すぎる。大正時代に朝鮮人虐殺活動が行われたのは、むしろ当然とすら思える。 まぁ、書いた本人や出版元の産経新聞は、以上の事を重々承知しているのだろうが、想定される購買層には十分通用する理屈だと考えたのであろう。

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2019/12/08

こちらも読まねば。 『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』 『関東大震災朝鮮人虐殺の記録: 東京地区別1100の証言』

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2019/10/26

関東大震災のときに、朝鮮人暴動があったかどうか、朝鮮人虐殺があったかはしばしばマスコミで問題にされ、小池さんのように追悼をやめた人も出てきた。本書はその原因となったのが工藤美代子と夫の加藤康夫夫妻の著書であったという。ところが、この書には、震災後の風評、デマを載せた新聞記事をあた...

関東大震災のときに、朝鮮人暴動があったかどうか、朝鮮人虐殺があったかはしばしばマスコミで問題にされ、小池さんのように追悼をやめた人も出てきた。本書はその原因となったのが工藤美代子と夫の加藤康夫夫妻の著書であったという。ところが、この書には、震災後の風評、デマを載せた新聞記事をあたかも真実のように扱い、その後に出た、上からの否定記事を無視した箇所が見られるという。結論から言えば、朝鮮人の暴動はなかった。その虐殺数が6000というのは多く見積もりすぎで、これは学会でも数千と修正されているという。ところが、南京大虐殺でもそうだが、中国のいう30万という犠牲者数だけを問題にし、虐殺そのものを否定しようという人たちが少なからずいる。本書は工藤夫妻の著書の意図性をみごとに暴露し、その流した害毒を追ったものである。今後この問題はあつかう人たちはどうかこの本から出発してほしい。この問題は災害が起こるたびに外国人が起こしたのではないかという風評が広がることにも結びついている根深いものなのであるから。それにしても、工藤さんという人はきちんとした?評伝も書けるのに、事政治に関わるものになると、途端に雑な書き方になるのはどうしたことか。ほかの本まで、きちんと書いているのか疑わしくなる。

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2019/09/07

悪意のある『関東大震災後の朝鮮人虐殺はなかった』(または朝鮮人による暴行事件が多発したための自衛論)に対する反論。逐一、原典に立ち戻って解説されている。 朝鮮人、韓国人だけではなく、間違われた日本人、社会主義者(実際には被差別部落などでもあったと聞く)が虐殺されていることは確かな...

悪意のある『関東大震災後の朝鮮人虐殺はなかった』(または朝鮮人による暴行事件が多発したための自衛論)に対する反論。逐一、原典に立ち戻って解説されている。 朝鮮人、韓国人だけではなく、間違われた日本人、社会主義者(実際には被差別部落などでもあったと聞く)が虐殺されていることは確かなのだ。なかったことにしようとする悪意に満ちた主張を真っ向から否定し、証拠づけも十分でとてもわかりやすい。 あらかじめ、本著者の『九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』を読んでおくと理解しやすい。『九月〜』に出てくる資料でだいたい反論が可能だからだ。 今、韓国、朝鮮に対して良くない感情を持つ人が多いのか、テレビや雑誌ではヘイトがひどい。また同じ過ちを日本が繰り返すことを恐れる。

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