人体、なんでそうなった? の商品レビュー
著者は言う。「僕たちの身体中にある多くの欠陥にまつわる物語の本」だと。 身体のDNAのうち、たった3%が単語の部分で、残りの97%は理解不能な文字の羅列。 人の不合理性を示す形態では経験に極端に影響を受けやすい。この影響はしばしば「確率の無視」大きな認知バイアスを引き起こす...
著者は言う。「僕たちの身体中にある多くの欠陥にまつわる物語の本」だと。 身体のDNAのうち、たった3%が単語の部分で、残りの97%は理解不能な文字の羅列。 人の不合理性を示す形態では経験に極端に影響を受けやすい。この影響はしばしば「確率の無視」大きな認知バイアスを引き起こす。 自分のポンコツぶりを分かった上で、より良く生きる道を探そう。ポンコツが奏でる素敵なユーモアとともに。
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病気や怪我の理由を人体の進化での欠陥と捉える新しい視点が面白かった。 また、それを軽快に伝えてくれて難しいことでも抵抗なく読めた。
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全くの設計図無しに有機体から人体への進化は驚くべきですが、デザインの観点からは色々と問題有りです それらの「残念な」欠点を、著者の軽快な語り口のおかげで楽しく読むことができます 欠点を知れば知るほど、より自分の体が愛しくなる!?
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人間には、こんなにも欠陥があったのかと驚く 人間は、優れた機能で作られた生き物じゃなかった 自然界の生き物の方が優れている 難しい話のはずなのにおもしろく読みやすい 医学、人体が好きになる もっともっと知りたくなる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人体、なんでそうなった? 余分な骨、使えない遺伝子、あえて危険を冒す脳 著者:ネイサン・レンツ 訳者:久保美代子 発行:2019年8月16日 科学同人 生物学者(ニューヨーク市立ジョン・ジェイ・カレッジ教授)の著者が、人間の体イケてない部分について、進化論の視点から解説している。最初はどうしてそんな風になってしまったのか、推論を交えて理由を言っているが、途中からは現象記述だけになり、さらに、最後は人類の未来はどうなるかとい話題になって、段々主旨がそれてくるかのような内容でもあった。 人は、食物連鎖の頂点に立つ、すなわち、総合力で最強の生き物。二足歩行となり、優れた進化を遂げたと思える。しかし、一方で他の動物たちに出来て、人には出来ないことが多々ある。 例えば、牛はほぼ草だけ食べていれば生きられる。草さえあれば、いろんな栄養分を合成できるから。ところが人は、実に多くのものを食べなければ健康に生きられない。合成する力がないのである。なぜか? 著者はこう推論する。人は多様な食料をゲットする知恵を得て、いろいろな味を楽しむことが出来るようになった。そうした食べ物から得られる栄養があるため、体内で合成する力が衰えていった。 こんな風に解説されると、ああ、そうかと思える。自分自身の生活を顧みても、なんか当てはまるような気がしてくる事例だ。 ところが、こんな風にきれいに理解できることばかりではない。 ******(メモ)****** ▼人(脊椎動物)の網膜の光を感じる部分は、正面側(水晶体側)になく、なんと後頭部側にある。感じた光を脳に伝える視神経は光を感じる部分と逆から出ている、つまり水晶体側から出ているため、それを脳につなげるためには、網膜の一部に開いている穴に視神経の束を通さないといけない。その穴こそが、人の視野にある盲点とのこと。 イカやタコの頭足類は、光を感じる部分が正面にある。 ▼声を出すための反回神経は、脳と喉仏あたりの筋肉につながっている。しかし、その神経は脳→喉仏付近の最短距離で通ってはおらず、脊髄の中を下って(当然、喉仏を通過)、肩甲骨の下あたりで脊髄を離れ、大動脈の下をくぐって反転し、首へと戻っていく。ストレートに結ぶのに比べて3倍の長さになる。手術の際は、無駄に長く、複雑に絡まった神経を傷つけないように外科医は大変。 ▼DNAにある文字のうち、単語の部分はたった3%で、残りの97%の大半は意味不明の単なる文字の羅列に過ぎない。 ちなみに、人は脳のうち使っているのはたったの10%だという話はまったくのデタラメで、脳の神経組織のあらゆる葉やひだの隅々まで使っている。 ▼人は子づくりが極めて下手くそ。受精、着床、出産などにおいて非常に高いハードルを越えないといけない。 *オオカミの群れにはヘルパーという役割のオオカミがいる。自分の繁殖行動を控えて血縁者の世話をするが、自身の身体のどこかが悪いわけではなく、解剖学的な生殖構造に問題はない。また、社会的な構造によって一部のオオカミが禁欲することを選ぶ。リーダーがかっわるとこれも変えることができる。 ▼自己免疫疾患 ▼あいまいな記憶力 ▼だまされやすい視覚 ▼認知バイアス 20ドルのシャツは、40ドルのシャツを50%オフと表示した方がよく売れる。 ルーレットで00に入った後、人は当分00は出ないと思い込む。確立的には他の数字とまったく同じなのに。
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できそこない、と言われて喜ぶ人はまずいない。 いないが自分自身では自分のことをポンコツだと思う事は多々ある。 自信をなくして、家族に私の良いところなんてあるのか、と聞いてしまった位だ。 しかしどんな素晴らしい人だって多くの欠陥があるはずだ。 もちろん性格の欠陥なんていうのも中には...
できそこない、と言われて喜ぶ人はまずいない。 いないが自分自身では自分のことをポンコツだと思う事は多々ある。 自信をなくして、家族に私の良いところなんてあるのか、と聞いてしまった位だ。 しかしどんな素晴らしい人だって多くの欠陥があるはずだ。 もちろん性格の欠陥なんていうのも中にはあるだろうが、ここではそういうことではなく体の中の欠陥にまつわる話である。 個人的には4章の子作りがヘタなホモ・サピエンスの章が一番面白かった。 不妊に悩んでいる人の慰めにはならないかもしれないが、何度も本書中で語られる、 進化には計画などない、ランダムでずさんであいまいだ、 という表現に、もしかしたら、気が一瞬でも楽になるかもしれない。 決して自分がだめだとは思わないで。 さて、三章では3型色覚についての記載があり、5章では先天性心疾患の記述があった。 どちらもとても気にしている内容だったので、興味深かった。 神などいるもんか、と天を呪い、己を呪い、苛んだこともある。 でも、仕方ない。進化はテキトーで、ランダムで、誰のせいでもない。 ユーモアを交えて、身体の中のよくわからないこと、意味のないことを解説されると、心がすこし解れる。 COVIDー19(コロナウィルス)だって、ある人種が、ある血液型が、どうも何かの免疫系を持っているかもしれないとのこと。 という事は、ガラクタ遺伝子、と今は言われていても、もしかすると、こんな私(の体)でも大化けできるかもしれない。 良くも悪くもガラクタのままかもしれないけれど、冷蔵庫を戸棚にしてしまった著者の友人のように、それもあり、だ。 そのために、生き物は多様性を持っている。
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HUMAN ERRORS: A Panorama of Our Glitches, from Pointless Bones to Broken Genes https://www.kagakudojin.co.jp/book/b457283.html
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「残念な人体辞典」かな。最近日本で流行のタイトルをもじれば。人体の骨だとか神経だとか網膜などの分かりやすいところから、ビタミンを自分で作れなくなったり、子作りが偉い大変なところ、はたまた自己免疫疾患や、だまされやすい人間の脳など、進化して獲得したはずの人間の身体の欠点を分かりやす...
「残念な人体辞典」かな。最近日本で流行のタイトルをもじれば。人体の骨だとか神経だとか網膜などの分かりやすいところから、ビタミンを自分で作れなくなったり、子作りが偉い大変なところ、はたまた自己免疫疾患や、だまされやすい人間の脳など、進化して獲得したはずの人間の身体の欠点を分かりやすく読みやすく教えてくれる。盲点が存在するのは網膜の残念な向きのせいとは知らなかった。結局のところ人体の欠点が出来上がった理由は進化と関連しているので、「なんでこんなことになっているのか」に関する進化による説明が多くなってる。そんで結局、終盤では人類のこれまでと未来について論じることとなって、「サピエンス全史」「ホモ・デウス」的なノリになってしまっているのは余計かな、とも思うが、それはそれで面白い。
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後半は普通の本になっちゃいましたが、出だしは非常によかったです。 進化は合目的的に起こっているわけではないわけですが、そのことを強く実感できる内容でした。 個人的には、踵付近の骨の話が新鮮でした。 この本を読んで、生物の進化は、システム開発(システム改修)みたい、と思っ...
後半は普通の本になっちゃいましたが、出だしは非常によかったです。 進化は合目的的に起こっているわけではないわけですが、そのことを強く実感できる内容でした。 個人的には、踵付近の骨の話が新鮮でした。 この本を読んで、生物の進化は、システム開発(システム改修)みたい、と思ったのは、きっと自分だけではないはず。
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精巧な人体の素晴らしさではなく、人体の欠陥について書かれた本。内容も興味深いし、軽快な書きっぷりに惹き込まれる。不完全な自分達人間が微笑ましく感じた。
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