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地域金融機関の有価証券運用 の商品レビュー

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2019/11/24

 このような本はさらにもっと必要である。証券投資をはじめとして金融機関の大小を問わず、また業態も問わず金融市場で稼ぐための理屈を書いたものはこれまでもたくさん世に出ていた。ただ、残念ながら既存のそれらは学者や評論家など実際に運用業務に携わったことがない人たちが、ガラスケース越しに...

 このような本はさらにもっと必要である。証券投資をはじめとして金融機関の大小を問わず、また業態も問わず金融市場で稼ぐための理屈を書いたものはこれまでもたくさん世に出ていた。ただ、残念ながら既存のそれらは学者や評論家など実際に運用業務に携わったことがない人たちが、ガラスケース越しに考えたものが多いのである。手触りの感覚に欠ける。  そういうところに求められるのが、理屈と実務が擦れ合うところの納得感だろう。しかし言うほど簡単なものではない。それぞれの金融機関によってアプローチ方法が異なるし、収益としてどのように形にしていくかという目的もまた異なる。  このような状況で実務を一般的にまとめるのは難しかったのだが、本書でも考察されているリスクアペタイトフレームワーク(RAF)として整理されるようになったことで、大きく前進している。地域金融機関ではRAFの整理が十分に進んでいるわけではないが、足下、金融市場での活動が難しくなっている中、意味のある指針としてRAFが必要になるだろう。  本書については、内容的にも量的にも十分読み通せるものとなっている。残念なのは決済業務など取引インフラについて言及されていないことである。オペレーションの効率化と安定化も今後さらに重要度が増していく。

Posted byブクログ