抗命 インパール2 の商品レビュー
2019年8月読了。 「この時期になると戦争関連のイベントやらテレビやら図書やら、色々と考えることを迫られるけど、なるべくならそんな後ろ暗いことは考えたくない」ってな感じのご意見をお持ちの方が最近は多いらしいですが、「年に一回くらい少しは往時のことを考えなよ」と思う。 インパール...
2019年8月読了。 「この時期になると戦争関連のイベントやらテレビやら図書やら、色々と考えることを迫られるけど、なるべくならそんな後ろ暗いことは考えたくない」ってな感じのご意見をお持ちの方が最近は多いらしいですが、「年に一回くらい少しは往時のことを考えなよ」と思う。 インパールものは他の図書も読んできたしドキュメント番組も見てきたが、本書は所々に台詞が入っていて迷走する将校たちのやり取りがより切実に描写されている印象を受けた。 「大本営、総軍(南方軍)、方面軍(ビルマ方面軍)、十五軍というばかの四乗が、インパールの悲劇を招来したのである」(293ページ)という佐藤幸徳中将の回想録の記述にもあるように(また他の研究でも指摘されているように)、複雑な組織と人間関係がもたらした災悪であり、命令を受けた側こそいいツラの皮というべき。 というわけであまりにもツラく目も背けたいかもしれませんが、年に一度は思い返してみる必要があるなあということを改めて気付かせる一冊ではないかと思います。
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「私の立案したインパール作戦は間違っていなかった。 あの時、佐藤がディマプールに侵攻しさえすれば」 戦後、国会図書館の記録でインパール作戦の立案者、牟田口元中将が語ったところによると、作戦が失敗したのは佐藤師団長の抗命のせいだという。 本作は烈部隊師団長、佐藤中将を中...
「私の立案したインパール作戦は間違っていなかった。 あの時、佐藤がディマプールに侵攻しさえすれば」 戦後、国会図書館の記録でインパール作戦の立案者、牟田口元中将が語ったところによると、作戦が失敗したのは佐藤師団長の抗命のせいだという。 本作は烈部隊師団長、佐藤中将を中心に烈部隊の戦況が描かれる。 ミャンマーからアラカン山系を越え、東から西へ進軍した烈師団はコヒマで英印軍との激戦になり、消耗戦となる。 そこへ度重なる南方軍からのディマプール侵攻の催促が続く。 冗談じゃない。 南方軍からの指令に逆らい、全軍撤退の決断を下す。 「みんなよく頑張った。我々は勝って凱旋しに戻るのだ」 コヒマからの撤退の途中の拠点では、約束されていた糧秣は一切なかった。 そもそもインパール作戦に反対していた佐藤中将を待っていたのは、抗命罪の疑いだった。
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【上官の無謀な命令に抗い部下を守ろうとした異色の将軍】無謀なインパール作戦において、烈第三十一師団長佐藤幸徳中将は、将兵の生命こそ至上であるとして抗命を企てた。異色の戦争記録。
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