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狼は眠らない(02) の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2023/02/02

14歳のエダはレカンへの押し掛け弟子だが、考えなしに直情で行動してしまうため、レカンやシーラに厄介ごとを惹きつけてしまう。それでもレカンは男として、引き受けてやり切ってしまうんだよなあ。見た目は荒々しい狼だが、情に厚いのだ。苛烈ではあるけれど。そういう中で、エダは成長していく。こ...

14歳のエダはレカンへの押し掛け弟子だが、考えなしに直情で行動してしまうため、レカンやシーラに厄介ごとを惹きつけてしまう。それでもレカンは男として、引き受けてやり切ってしまうんだよなあ。見た目は荒々しい狼だが、情に厚いのだ。苛烈ではあるけれど。そういう中で、エダは成長していく。この巻は、エダの成長物語だと言ってもいい。分厚い本が全く気にならない。読み終わるのが惜しい。

Posted byブクログ

2020/02/19

「エダ、お前……」 「気配りを習得したんだな」 「レカン。何かのスキルを身につけたみたいな言い方はおやめ」(本文P307より引用) ストーリーだけに収まらないこの物語の面白さを端的に表している1シーン。 冒険者の生き方が身にしみているレカンの判断基準は一般常識とは少し違くて、そ...

「エダ、お前……」 「気配りを習得したんだな」 「レカン。何かのスキルを身につけたみたいな言い方はおやめ」(本文P307より引用) ストーリーだけに収まらないこの物語の面白さを端的に表している1シーン。 冒険者の生き方が身にしみているレカンの判断基準は一般常識とは少し違くて、そこを丁寧かつさらりとツッコむシーラさんとのやりとりが一番好きです。 一巻同様、Web小説ですでに読んでいますが、加筆修正されているところに少しの違和感を感じるわたしは、もう立派なオタク……もとい、マニアですね。 今巻は、レカンの冒険は少し控えめに、今後のキーとなる人物たちとの出会いと、エダの成長物語でした。 回復魔法を使える人を、協会や貴族といったこの世界の強者が手中に納めようとします。庇護という体の幽閉、待っているのは薬壷としての人生。 その暮らしを不自由だと感じるのは、レカンたち自由を愛する冒険者気質のものたちであって、この世界に暮らす人たちにとっては、それが必ずしも悪ではないということを、やんわりとノーマたちが示してくれます。 ともすれば、わたしたち読者は主人公に肩入れしやすいもの。この世の中には、さまざまな価値観や視点があるのだ、ということを、支援BISさんは教えてくれました。 あとがきの文章からも、洗練された知性を感じられて、もう、本当に支援BISさん、大好きです!

Posted byブクログ

2019/12/18

迷宮探索の話はお休み。 ヴォーカの領地を起点に弟子にしたエダ、ニケ(シーラ)との冒険者活動メインのストーリー。 レカンと孤児達のエピソードは、しんみりしたり大笑いしたり、物語のオアシスです。 施療師ノーマと剣士アリオス登場!今後の活躍期待。 書き下ろしに『シャドレスト家の…...

迷宮探索の話はお休み。 ヴォーカの領地を起点に弟子にしたエダ、ニケ(シーラ)との冒険者活動メインのストーリー。 レカンと孤児達のエピソードは、しんみりしたり大笑いしたり、物語のオアシスです。 施療師ノーマと剣士アリオス登場!今後の活躍期待。 書き下ろしに『シャドレスト家の…』二編。 ルビアナフェルのその後。 レカンと本編に関わるのはずっと先かなぁ?

Posted byブクログ

2019/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 かぎ爪型のエンボス加工が特徴的な、冒険者レカンの一代記物語第二弾である。  ファンタジックな異世界から、また別の異世界へと転移を果たしたレカンは、魔女シーラの元で学びながらヴォーカを拠点に様々な冒険を繰り広げている。  とは言いつつも、この二巻での物語は、弟子に取った(正確にはシーラによって取らされた)エダを中心とした物語だろう。  前巻のような迷宮攻略は今回はお休み、次なる03巻に譲っていて、エダのある才能を付け狙った神殿や貴族との対決がメインディッシュとなっている。  エダという少女は、ティーンエイジャーらしい浅はかさが目立つキャラだが、そうしたキャラを好まない現代の傾向からすると物珍しいくらい、彼女の成長を正面から描いた展開である。  レカン自身が、嫌々な風を見せつつも、彼女にきちんと正面から向かい合っているのが印象的である。  また、冒険者として、嫌な仕事もしなければいけないところを描いているのもまたこの作品の(この辺における)特徴的な展開だろう。  狼は子守りも得意なのだ。好んではやらないが。  迷宮攻略のような派手な展開ではなく、シティアドベンチャーに近い2巻である。  ただ、そこでの物語の質は変わらず魅力的であり、星五つで評価したいところだ。  間話として置かれた「シャルドレスト家の秘儀」「シャルドレスト家の伝説」なども、物語冒頭で別れたルビアナフェルの所在を示す内容であり、のちのストーリーを示唆する興味深い加筆である。

Posted byブクログ