イチからはじめる所得税実務の基礎 の商品レビュー
理論と実務のつながりというよりも理論と実務のそれぞれの超基本を解説したという感じ。 初学者にとっては説明が簡略すぎ、「理論と実務のつながり」を知りたい者にとっては内容が浅すぎるように思う。
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本書は確定申告書の作成手引きとしての役目だけでなく、所得税の基本的な論点を解説しながら重要となる所得税の裁判例・裁決例も理解できる構成となっている。所得税に係る一通りの項目が学習できるので初学者でも読みやすい構成だ。 P116 事業の内容で、当然に異なる 「必要経費」 所得税の計...
本書は確定申告書の作成手引きとしての役目だけでなく、所得税の基本的な論点を解説しながら重要となる所得税の裁判例・裁決例も理解できる構成となっている。所得税に係る一通りの項目が学習できるので初学者でも読みやすい構成だ。 P116 事業の内容で、当然に異なる 「必要経費」 所得税の計算上、計上が認められる「必要経費」 は、事業の内容に拠って当然に異なってきます。例えば、税理士がCDを買ったり、映画を鑑賞したりする行為は、完全にプライベートな行為であって、それに関しての支出は当然、税理士業務の必要経費とはなりません。しかし、音楽家が他の同業者の研究のためにCDを購入したり、作曲の参考とするために映画を鑑賞する行為は、業務に関連した行為ともいえます。つまり、所得税の世界において、事業所得者としては同じであったとしても、その事業の内容に拠って、必要経費の範囲も当然に異なってきます。必要経費の該当性の判断においては、その事業の内容をよく分析して判断する必要があります。 必要経費の該当性については、「客観的判断に基づいて行うべき」とされていますが、そもそも、「客観的判断」といってもかなり難しいことといえます。 必要経費に該当するか否かの判断は、納税者本人がまずもって判断すべきことであり、それに基づいて事業所得 ・不動産所得の金額の計算を行うのであって、初めから 「主観的判断」に基づいているともいえます。必要経費性が問題となるのは、税務調査の時点であって、そこで「客観性が云々」と言われても、難しいのです。 考えるに、必要経費の該当性の判断においての「客観性」とは、必要経費であるとする「説得力を有しているか否か」といえるのではないでしょうか。
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