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朝鮮学校を歩く の商品レビュー

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2019/10/22

高校無償化から朝鮮学校が除外されていることへの抗議の思いと、朝鮮学校を応援する思いから全国の朝鮮学校67校を訪ね歩いた長谷川さんの道中記。朝鮮学校の高校無償化除外ってまったく何たることだと思っている。それに雁首そろえるように各地でこれまで出されていた補助金が断たれているような現実...

高校無償化から朝鮮学校が除外されていることへの抗議の思いと、朝鮮学校を応援する思いから全国の朝鮮学校67校を訪ね歩いた長谷川さんの道中記。朝鮮学校の高校無償化除外ってまったく何たることだと思っている。それに雁首そろえるように各地でこれまで出されていた補助金が断たれているような現実も恐ろしい。日本の狭量さ、余裕のなさの表れだとも思っている。北朝鮮と朝鮮学校を短絡的にいっしょくたにする認識の薄さも問題だし、明日を担う子どもたちにこういう世間を見せることに何のよいことがあるだろうか。 まあ、紀行文として特筆すべき面白さがあるわけではないけど、各地で在日僑胞の人たちはもちろん、日本人の支援者もけっこういたり、また街なかを歩いていると応援の声をかけてくれる人がいる現実を改めて知った。韓国ドラマを見ているとよく出てくる俳優のクォン・ヘヒョさんがこの本に、「ある社会の連帯と、ある社会のまっとうさを守るのは、覚醒した個人の連帯だということを長谷川さんをとおして学び、記憶します。」というとってもいいメッセージを寄せているんだけど、長谷川さんはじめ覚醒した個人の姿に触れた。 対する相手は心ない施策をなす国や行政、心ない判断を下す司法などである一方、覚醒しようとしない人々でもある。事なかれ主義や自分だけよければ、あるいは自分の苦境を他への非難・誹謗で転嫁するような世のなかを相手にしていくのって徒労感の連続だろう。覚醒した人々への共感の思いから読んでみた覚醒しかけのつもりの自分。

Posted byブクログ